銀の福音は射撃特化型ISであり移動スピードが早く高速移動しながらの36門主砲、銀の鐘による全方位射撃が特徴らしい。…早い話が近接戦は愚の骨頂である。そもそも並のISや操縦者ではそのスピードと全方位射撃に翻弄され近づくことすらままならない。故に…
「何で兄貴が突っ込むんだよ!」
「ならお前はあのISの動きが見えるのか!?」
「…くそ!絶対やられんなよ!?」
「誰に言ってる。」
出力不足や武装の差があるとはいえ前世でMSの高速戦闘の経験がある私が囮になり銀の福音を一夏が仕留めるタイミングを作るのが私の仕事である。他は射撃兵装による援護だ…私では先の理由もあり連携が取りづらいしな、妥当な判断だろう…ちなみに箒も援護担当だがそもそも当人自身も近接特化だから余り期待は出来ん…かと言ってあの場で置いて行けば余計に落ち込むだろうしな、仕方ない……せめてラウラのシュヴァルツェア・レーゲンによる停止結界なら動きが止められるのだがな……原因は私にあるし無い物ねだりは出来ん。
「…くそ!早い!」
味方が役に立たない(と言えば申し訳ないが)戦闘は初めてでは無いが…ここまで早いとどちらにしろ援護は無意味だ。しかもこのメンバーでの連携は取ったことが無い…即席で連携が取れる楯無がいなけれは余計に邪魔になっていただろう…
「チッ!銀の福音のパイロット!ナターシャ・ファイルス!聞こえるか!?」
先程から操縦者への通信も行っているが返事は無い。どうも完全に意識を失っているようだ。
こちらが近づけば向こうは逃げる…!置き土産に銀の鐘を放って…!
「ねえ!貴方のISはまだ持つ訳!?」
「こんな時に話しかけてくるな楯無!ジリ貧に決まってるだろうが!?」
縦横無尽に動き回る奴の動きを攻撃を躱しながら見極める……そこか!
「翼は貰うぞ!」
奴の動きを少しでも削ぐため奴の動く方に先回りした私は大剣で片翼を切り落とし…!
「チッ!」
その瞬間至近距離からの攻撃を躱す。…!掠った!
「…エネルギーが!」
余り長くは持たんな……!むっ!
「…兄貴、ありがとな、タイミングは十分だ。」
「…やれ!一夏!」
私の後ろから飛び出す一夏…
「これで、終わりだあ!」
一夏の攻撃で銀の福音が解除される…!
「っ!楯無!」
「分かってる!」
いつの間にか近くにいた楯無にナターシャを回収させる。…間に合ったか……
「…銀の福音も回収した。終わったな、帰るぞ」
「一夏君♪私疲れたから貴方がこの人運んで頂戴♪」
「…えっ!?」
楯無の提案にギャーギャー騒ぎ始める箒と鈴を無視してさっさと帰ることにする……やれやれ…当分こんな仕事はしたくないものだ……
「…お疲れですの?」
「セシリア…まあな。」
今回はさすがに疲れた…。
「…よっ、良ければ私がマッサージを「遠慮しておく」そっ、そうですの…」
セシリアの戯言を流し私は帰ったらどうするか考え始めた…。