「…余り落ち込んではいないようですね…安心しました。」
私は意識を取り戻したナターシャ・ファイルスに会いに来ていた。
「…まあ、別に初めて負けたって訳じゃないしね…軍に入った当初はそれなりに洗礼も受けてるから…最も気にして無いわけじゃないんだけど…」
「…すみません、やり過ぎました…。」
「…良いのよ、私も大人気無かったと思うし…。でもまさかあんな手を使われるなんて…軍ではあんなの経験が無かったから…全然対応出来なかった…」
「……」
そりゃあ軍では習わないだろう…とは言えこの手の所謂ステゴロ戦法はMS乗りには常識だ…まあこの世界ではISを使った戦争は実質起こってないわけだから対応策が浮かばないのも無理は無い…。
「…上から目線で恐縮ですが、貴女は銀の鐘に頼り過ぎなんですよ。おまけに貴女は私を侮った。そもそも不意打ちを警戒していればあんな展開にはならなかった。…それこそ、私は一夏と同じ目にあっていたことでしょう…」
「…試合の結果としては引き分けになってるけど…私の負けと大して変わらないわ…だから正直言うと助言は有り難いかしら?…立場が逆転しちゃうけどいっそ私が貴方に訓練をお願いしようかしらね?」
笑顔でそう言う彼女には悪いが私の返事は決まっている…。
「…ご冗談を。…私は所詮ド素人ですよ?…まあ今のアドバイスだけで勘弁してください。」
「残念。振られちゃった…。」
「…泣き真似はやめてください。確実に面倒な事になるので」
ただでさえ身内が原因で胃に穴が開きそうなのだ。これ以上変な火種は要らん。
「…えー…散々私を痛めつけたんだから少しくらい付き合ってくれても良いじゃない。」
「人聞きの悪い言い方をしないでください。…大体喧嘩を売ってきたのは貴女でしょうに。」
「あら?そうだったかしら?」
そう言って首を傾げる彼女…これ以上付き合ってられんな。
「まあ元気なら私がここにいる意味もありませんね。では、失礼します。」
「えーちょっと待って!?私はまだここにいなきゃいけないの!暇だからもう少し話し相手を「私は口下手なので他を当たってください」何処が!?」
私は病室を出ると整備室に向かった。仕事が残っているのだ。
「…こちらは大した事が無くて良かった。」
私は腕のブレスレットを撫でる…。
……銀の福音は現状半壊状態だという。自分でもやり過ぎたとは思わなくもないがあちらはまだ修理出来なくも無いからな(最も束がアメリカから分捕った機体情報が無ければそれ所じゃなかっだろうが。)打って変わって私の専用機は情報が無い。下手に壊れてしまえば修理は難しい。…ナックルガードは壊れてしまったがな…まあ使う人間はいなかったようだから壊れた所で大して問題では無いだろう…。
「さて、仕事をするか。」
私はしまっていたISを取り出し、整備を始めた。