「…そう言えば今まで気になっていたのだが…」
「…素朴な疑問を持つのは勝手だが私は今あんたの飯を作ってるんだがな…」
何故この姉は謹慎させている弟の所に毎度飯をたかりにやって来るんだ…?食堂で食えば良いものを。
「…すまん。だが、真面目な話だ。…お前、何でISの訓練をしないんだ?」
「ん?何を言っている?私は謹慎中だから授業は受けれないはずだろう?」
「…お前に禁止しているのは授業に出ない事だ。放課後の訓練は何時もでは無いが申請すれば受けれるだろう?」
その事か。
「…改めて自主訓練をする理由も無いと思ってな、正直私はもう変な癖がついてしまっていて「ちょっと待て」ん?」
「いや、お前は何を言っているんだ…?」
「何って…癖がついてるから余り自主訓練の意味が「そこだ」は?」
「その言い分はある程度長くISに触れたものの理屈だろう…。私と違いお前はまだ若いんだから伸び代はあるだろう…?それこそ手の空いている教師に頼めばある程度矯正出来る筈だが…」
「…あ…。」
そうか。今の私はまだ十代だったな…。無意識にあの頃の自分の基準で考えていた…。
「…お前は整備士志望のつもりかもしれないが別にここの教師と兼任するのも悪くないと思うが…無論、将来的に男性のIS操縦者が一定数見つかれば専用の大会枠が作られるかもしれんしそうなれば選手の道もある…少し考えてみてもいいんじゃないか?」
「……」
将来か…。今世に入ってからは考えてもみなかったが…そう言えば私もいずれここを卒業する…あの頃の様に選択肢が無いわけじゃない…少しは考えてみても…いや、私の勘が告げている…恐らく私は将来を選べる立場には無いと。
「…今の情勢は不安定だ。私の将来など…」
「馬鹿か、お前は?何のために私たちがいると思っている?そう簡単にお前や一夏に背負わせたりはしないさ…。寧ろ私がそんな事はさせん。」
一瞬心に響いたがすぐに冷めていった…あのなぁ…
「…私がここに入学してから厄介事に巻き込まれなかった事の方が珍しい気がするんだが…。」
「…うっ。分かっている。これ以上お前には背負わせん。」
……駄目だ。非常に不安だ。…仮にも普段ポンコツな姉がここまで言ってくれているのだから信用したいが…。
「…そこまで言うなら態度で示せ。…大体、今私は何をしている?」
「……」
何故そこで黙る…。
「私は、今、あんたの食事を用意しているんだが…私たちが卒業してからも、あんたは私や一夏に身の回りの事を頼むつもりか…?」
「……」
話にならんな…私は溜息を吐きながら作った料理を皿に盛り付けた。