ネタ帳   作:三和

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偽黒の剣士22

崩壊の予感があったのに勝手に期待をかけた私が悪いのかもしれない、結局事が起きるまで自分の正体を言い出せなかったキリト君に原因があるのかもしれない、それとも二人が結ばれた事自体間違いだったのか……

 

……これは私の元に戻って来たキリト君が壊れる直前に話してくれた事だ……

 

遂に目標コルが貯まりギルドホームを買う事になった。

……ただ、問題があった。コルはギルドホームを買う分だけで底を尽きまだ家具等は揃えられない。そこで第二十七層の迷宮区でお金を稼いでケイタさんが戻って来るまでに家具を買い揃えてケイタさんを驚かせようという計画を立てたと言う……第二十七層の迷宮区はトラップ多発地帯で攻略組でも多数の死者が出ていた。しかも黒猫団の人たちのレベルはその時安全マージンもギリギリ……。

 

キリト君は反対しようとしたが言い出せずそのまま向かう事になったと言う。キリト君の懸念事項であるサチさんは既に生産職に転向しておりそこだけは解決していた。

 

迷宮区で必要以上に警戒し皆はそんなキリト君を大袈裟な奴だと笑っていたという。そして奥の小部屋で見つけた宝箱。止めるキリト君の言葉も聞かず開けられたそれはトラップでキリト君たちは閉じ込められた。

 

キリト君は皆を守る為必死で立ち回ったが不測の事態に完全にパニックに陥った彼らはキリト君の目の前でどんどん消えていき結局生き残れたのはキリト君だけだった……

 

……ここまでなら月夜の黒猫団にただ同情するだけで済んだ。私がサチさんを責める事も無い。問題はこの後だ。

 

……そもそも何故彼らは行ったことも無い二十七層迷宮区でお金稼ぎをしようということになったのか?

……それは彼らにそこを教えた人たちがいたから。お金稼ぎに有用な場所として。

 

意気消沈したキリト君がギルドホームに戻るとサチさんがおらず代わりに届いたメッセージを見て彼が急いで向かった場所にいたのが当時まだ珍しかった殺人プレイヤーの集団と麻痺毒に陥り動けなくなったサチさんだった。

 

サチさんからのメッセージを見てやって来たキリト君が聞いたのが彼らの計画。そもそも前々から月夜の黒猫団に目を付けており今回トラップだらけの迷宮区の層を教えたのもそれで死んでくれたらという到底理解出来ない理屈だったとか。

 

キリト君の反応を見れば一目瞭然でケイタさんとサチさん以外は死んだと判断出来る。そして予定外にも残ってしまったサチさんを呼び出し殺すつもりだったと聞いてもいないのに語ったとか。計画も何も無い話だが結果確かに皆は死んでいる。そして今この場でサチさんも殺される。

 

激高したキリト君は彼らを殺した。……黒猫団のメンバーと同じレベルだとキリト君を嘗めていた彼らはキリト君に恐怖し最初の下卑た態度から打って変わって命乞いすらしていたと言う。……そんな彼らをキリト君は殺した。

 

そんなキリト君を怖がったサチさんはその場から逃げた。サチさんを追いかけ宿屋に戻って来た所ちょうど戻って来たケイタさんに遭遇。キリト君に怯えてケイタさんの後ろに隠れるサチさんを見ながらキリト君はケイタさんに全てを話した。皆が死んだ事。サチさんを殺そうとしたプレイヤーを殺した事。自分は本当は攻略組でその中でも悪名高きビーターである事。

 

……全てを話したケイタさんがキリト君に送ったのは拒絶と怒りだった。

 

「ビーターのお前が僕たちに関わる資格なんて無かったんだ!」

 

その一言とキリト君と目を一切合わせずその場を去ろうとするケイタさんについていくサチさんに今までギリギリだったキリト君は完全に壊された。

 

 

 

……この話は半ば錯乱したキリト君が話した事だ。もちろん記憶違いもあるかもしれない。今は真相も聞けずじまいだし。でも私はやっぱりサチさんを許す事は出来ない。要らないと言ったのに私の分もお茶を用意するサチさんを見ながら改めてそう思った……

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