「全然見つからないぞ!?もう転移結晶で帰っちまったんじゃねぇか!?」
「だったら…!…良いんですけど…!」
そもそもこの道を進んだかも分からない…私たちはこの先のマッピングをまだしていないのだ…
「一応進める所まで進みましょう!」
「すみません…付き合わせて…」
「気にしないで、リーファちゃん。わたしは自分で貴女に付き合うって決めたのよ?」
「俺は最初から行くつもりだったからな。気にすんな、リーファ…この場合寧ろ、付き合わせたのは俺だろ?」
「でも…そもそもこの道が合ってるかどうかなんて…!」
「間違ってたらそれはそれで仕方無いわ…でも…私はソロとして長く迷宮区を踏破して来た貴女の勘を信じるつもりよ。」
「アスナさんに言われちまったな…俺も同感だぜ。」
「そんな…」
どうしてそんな、簡単に私の事なんて信じられるの…?…もう!
「間違ってても文句言わないでくださいね!?」
「問題無いわ!何なら隙間無くマップを埋めましょう!」
「趣旨変わってますよ!?そんな暇無いでしょう!?」
「俺は気にしないぜ!…後で飯奢ってくれりゃあな!」
「歳下にたからないで下さい!もう…!さすがに風林火山メンバー全員はキツいので私が作るでも良いですか!?」
「なっ!?オメェが作ってくれんのか!?…おい!オメェらもっと気張れ!」
後ろを走っていた風林火山から野太い歓声が…
「…物凄く楽しみにしてるみたいだけど…そんなに自信あるの?」
「…実はあんまり料理スキルのレベル高くないんですよね、私…」
攻略の合間に片手間に上げてるだけだからね…一応…ラグーラビット調理出来るレベルだけど…偶に失敗するし…
「…手伝いましょうか?」
「是非お願いします…!」
背に腹はかえられないかな…
「正直言うと…ストックしてる食材の量も余り…」
「…変な物出すと暴れるかもよ、あの人達…」
「いっそ…麻痺毒盛って大人しくさせるとか…」
「うおーい!?聞こえてっからな!?大丈夫だって!俺らもよっぽど不味いモンじゃ無きゃ文句言わねぇって!」
「…不味い前提で話されるのもそれはそれで何かムカつきますね…!」
これでも現実世界でなら割と自信あるんだけど…!…ってあれ!?
「あの扉…!」
「…多分…ボスの部屋よ!」
「やっぱオメェを信じて良かったぜ!」
うっそー!?まさか本当に辿り着けるなんて…「うわあああ!?」悲鳴!?
「アスナさん、クラインさん…!」
「「何(だ)!?」」
先頭を走る私には見えていた…立ちはだかるモンスターの群れが…私は方向転換して壁に向かって走り、跳び着いた。
「すみません、先に行きます…後、頼みますね?」
二人の返事を聞かずに壁を走るスピードを上げ、モンスターの群れと無理矢理すれ違う…着いた!
私は半開きになっていた扉を押し開けた。