血盟騎士団に入って最初の仕事は何かと思えば…
「攻略よ…ちょっと?何処に行こうとしてるの?」
「え?だから攻略に…」
「一人で行かせるわけないでしょう?レコン君は今日はお休みとして…貴女は私とパーティを組むの。」
「……」
…実を言うと私はもうソロの時間が長過ぎて…パーティ行動は面倒臭い…比較的長い付き合いのレコンとでさえ一緒に行動したくないのに…
「…悪いけど反論は認めないわ。…それとも私はそんなに頼りない?」
……ここで頼りないから一人で行かせてください…と言い切れたらどんなに楽か…正直、アスナさんの実力だけを見るなら申し分ないと言える…後は私の気持ちの問題…
「…リーファちゃん、もう諦めなよ…キリトは今日は僕が見てるからさ…」
「…分かったわよ…それじゃあアスナさん…今日は宜しくお願いします…」
私はアスナさんにパーティ申請を送った。
「…どうかしら?これでも一人の方が良いって言える?」
「……まあ、悪くないんじゃないですか…」
満面の笑みで聞いてくるアスナさんにそっぽを向きながらそう答える…アスナさんとパーティを組んで思ったのは…認めるのは癪だけど非常に戦いやすい、という事だ…まさかレコンより私と上手く連携取れるなんて…
「先に進みましょう。…次は私が前に出るわね?」
「……分かりました…」
…何処までも主導権を握られてるのはやっぱり気に入らない…私は自分でも不思議な程アスナさんに反感を抱いていた…
「…ここで一休みしましょう「私はまだ動けますけど」大丈夫だと思ってても意外と疲れが溜まってるものなの。肝心な所で倒れたら困るじゃない?ほら、休憩休憩…」
押し切られて渋々片手剣を背中の鞘に納める…ふぅ…仮想の世界で呼吸が必要なのかは分からないけど無意識にそう吐息が漏れるのを感じた…ハッとして口を押さえアスナさんの方を見ればやはり聞こえていたらしくアスナさんがこっちを見て笑っていた…思わず視線を外す…やっぱりこの人苦手…
「あっ、こら…地面に直接座ったら駄目よ。今シート出すから…」
仕方無く下げかけていた腰を上げるとアスナさんがビニールシートを取り出した。
「普段そんなの持ち歩いてるんですか?」
「ふっふっふ…良いでしょ?…以前アルゴさんに教えられて買ったんだけど…実は使うの今日が初めてなの。」
そんな彼女の笑顔を見てるのが何となく嫌でつい、視線を逸らして憎まれ口を叩いてしまう…
「…別に…本当に汚れるわけじゃないしそのまま座っても問題無いと思いますけど…」
「良いの。こういうのは気分の問題なんだから…ほら、こっち座って?」
そう言われて私はシートに「そんな端っこじゃなくてもっとこっち来て。」…ハァ…
「…はい、これ。」
アスナさんの隣に座るとアスナさんが紙に包まれた何かを渡して来た…
「…?何ですか?これ…?」
「何ってお昼ご飯。…どうせ何も用意してないんでしょう?」
「…ありがとうございます…」
包装紙を開き、現れた、間違いなくアスナさんの手作りだろうサンドイッチに齧り付く…えっ!?これって…!?
「…どう?美味しい?」
「…美味しい…です…!」
それは私も食べた事のある味…ここではもう二度と食べる事が無いと思ってた味…!
「…アスナさん…料理スキル…今どうなってます?」
スキルの詮索はマナー違反…そんな暗黙の了解も忘れて私は思わずそう聞いていた…
「聞いて驚きなさい、つい最近コンプリートしたわ。」
「……」
私も主に外に出れないキリト君の為に料理スキルを上げてるけど…コンプリートなんてまだまだ先…
「…言っておくけどリーファちゃん?料理スキルのレベルをMAXにしても、それだけじゃこれは作れないわよ?」
「…分かりますよ、何となく…」
アスナさんが自慢げにどうやってこれを作ったか…と説明するのを聞き流しながら、私は久々に食べる某チェーン店のそれに良く似たハンバーガーの味を噛み締めていた…