「リーファちゃん…終わったよ。」
レコンの声が聞こえて私は顔を上げた。
「そう…」
「…リーファちゃんの事はクラインさんにも、アスナさんにも伝えたから怒られる事は無いから。」
「…うん…ごめんね、レコン…」
「良いよ、気にしないで。」
レコンに気を使わせてしまった…いたたまれなくはなったけど今はまだこの場から動く気にもなれない。
「大丈夫…なわけ無いよね…。」
「…大丈夫よ…今回の件報告しなきゃいけないでしょ?軍の人たちはどうなったの…?」
「…リーファちゃんのお陰でコーバッツさんも、部下の人も皆助かったよ…一人、亡くなったけどね…」
「キリト君、は…?」
「あそこだよ。今、ギルドの脱退についてアスナさんに話してる…」
レコンの指差す方を見ればアスナさんと話すキリト君の後ろ姿が見えた…アスナさんが険しい顔をしてる…
「…あんまり話が纏まってないみたいだね…」
「そりゃあね…キリトは自分から入った訳じゃない事を考慮するにしても、血盟騎士団クラスの大型ギルドからはそう簡単には脱退出来無いと思うよ。そもそも、副団長とは言ってもアスナさんに人事の決定権無いらしいし。…それに、アスナさんはリーファちゃんの事を考えてくれているみたいだから…」
「そっか…」
私は何処か他人事みたいな感じでレコンの話を聞いていた…
「…取り敢えずホームまで送ってくよ。」
「えっ、でも「アスナさんからは許可取ってるよ。報告ならアスナさんと、クラインさん…それに僕がいるから問題無いよ。リーファちゃんは今日はもう休んだ方が良いよ…明日、ホームに行くから。」……分かった。」
レコンの手を借り立ち上がる…そのまま動こうとしない私の手をレコンが引いて行く…途中で後ろを向いてアスナさんと話すキリト君の後ろ姿を私は目に焼き付けた…
「…着いたよ、リーファちゃん。」
そう言われて顔を上げると私のホームの前…何時の間に…ボスの部屋を出て、転移結晶の光に包まれたのは覚えてるけど…そこから先の記憶が無い。
レコンに促されるままドアを開け、レコンに手を引かれながら中に入る…椅子に腰掛けさせられた。
「…ふぅ。それじゃあ僕は帰る「待って!」どうしたの?」
帰ると言ったレコンの手を私は掴んだ。
「…レコン。」
「何?」
「…え…な…で。」
「え?」
「帰ら…ないで…お願い…だから…」
「リーファちゃん…そういう訳には「お願い…私を…一人にしないで…」…分かった…今日は泊まっていくよ。」
私、こんなに弱かったんだ…
「取り敢えずお茶でも「良いよ…もう休みたい…」そっか。なら「……」ッ…どうしたの?」
メニューを出し、操作を始めるレコンの手を掴む。
「一緒に寝よう…?」
「えっ…?でも「良いよ…今はキリト君もいないし。」…そっ、それってまさか…!」
私は自分のメニューを可視状態にして出し目的の項目を見せる…使う事は無いと思ってた項目…アルゴさんに詳細を教えられた時は思わず叫んじゃったっけ…
「知ってるよね?これ「倫理コード…」…アンタだってずっと我慢してたんでしょ…?」
「……リーファちゃん。僕だってこんな時に「こんな時だから、よ…」…でも「それとも私とじゃ嫌?」いっ、嫌な訳ないじゃないか!僕はずっと待ってた…でも…!」
「お願い…私、もう生きてる実感が無いの…だから…!」
自覚はある…私はレコンに残酷な事を言ってる…私は理由が欲しいだけ…キリト君が離れて行こうとしてる今、私には攻略に向かう理由が無くなってしまった…この世界で生きる理由が…
「…リーファちゃん…僕は「レコン…アンタじゃなくても良いんだよ?」何を言って…!」
「今の私を満たしてくれるなら誰でも良いの。アンタを誘ってるのはアンタが私を想ってくれて、単に付き合いが長いからって言うだけなの。だからアンタがしないなら他を当たるだけ。」
「何だよ、それ…!「ごめんね…でも私」…分かったよ「え?」」
「リーファちゃんを他の男になんか渡してたまるもんか!」
そう言って私の手を掴むとレコンは私を寝室まで引っ張って行った。