「……な?だから言ったろ?絶対なんてそう無いってな。」
「……」
俺の手には今、バーサーカーのマスターイリヤスフィールが掴まれている。
……そう、俺の取った方法はシンプルだ。ただ、人質を取っただけ。
……とは言えバーサーカーの猛攻が凄まじ過ぎて中々ここまで近づけなかったが、な
この作戦の概要はこうだ。まず遠距離攻撃出来る宝石魔術師の遠坂に宝石の大盤振る舞いをさせつつセイバーが近距離でバーサーカーの相手をさせる。(横で崩れ落ち凹んでいる似非金持ち魔術師は知らん。そもそも戦争なんて金のかかるもんだ)
そしてこの作戦の肝はセイバーと遠坂にバーサーカーが気を取られている隙に更に超遠距離からアーチャーの弓で狙撃、目を潰す(俺が爆発物を投影するつもりだったがアーチャーが任せろと言うから任せたらまさか宝具が飛んで来てしかも爆破するとは思わなかったが……しかも俺が動き出したタイミングで撃ち込みやがって……この体質じゃなきゃ死んでたな…)
そしてバーサーカーが怯んでいる隙に限界まで足に強化をかけた俺がイリヤスフィールを潰す。
……こんな杜撰な作戦が上手くいくとは俺も思ってなかった。
だが、結果的に俺たちは今生きてここにいる。
「……それで、そろそろ聞かせて貰えないかしら?何故あんたはイリヤスフィールをそのままここに連れて来たのか?」
「……いや。取り敢えずお前一度帰れよ。俺は個人的にイリヤスフィールに話があるんだ」
俺の誤算はイリヤスフィールに真実を話すつもりでいたら遠坂が納得せずこの場に留まっていることだ。
……お前にさっき話した話とほぼ同じ話をするつもりなんだが……
一応イリヤスフィールが一番知りたいだろう話もある。身内の話だからあまり遠坂にいて欲しくは無い。
……というかこいつがずっとイリヤスフィールを睨み続けているから明らかに居心地悪そうだしな……
味方ならイリヤスフィールが許可すればいてもらってもまあ構わないが俺はこいつからまだ返事を聞いてない。
「……分かったわ。今日は帰る」
「……明日の放課後返事を聞かせて貰う。その時イリヤスフィールの許可が出たら大体の事は話してやるよ……ああ。アーチャーを残していくなよ?」
あからさまに俺の指摘に驚いた反応を返す遠坂……やるつもりだったのか……
「……セイバー、お前も席を外してくれ。」
「…!しかし……」
「……さっきは仕方なかったが……そもそも今のお前は迷ってる。……言っちゃ悪いが今のお前は役に立たない。部屋を出ててくれ……」
「……分かりました」
セイバーが部屋を出ていったのを確認し俺は彼女に声をかける
「……やっと二人きり……!いや。バーサーカーが居たな……ああ。別にそいつは居てくれて良いぞ。話が通じてるのかは知らんがイリヤスフィールのサーヴァントであるあんたは聞く権利がある。」
「……それで何の話をするの?」
「……俺の知る聖杯戦争の真実さ、イリヤスフィール、お前には聞く権利、では無く聞く義務がある。聖杯戦争の歪む原因を作った陣営の人間としてな」