「……おい、イリヤスフィール……」
「……いい加減イリヤって呼んでくれない?で、何?」
「……俺たちはもうアインツベルンの拠点の敷地内に入ったのか?」
「……まだよ。」
「……じゃあこれは何だ?」
「……知らないわよ……」
俺たちは今アインツベルン保有の戦闘用ホムンクルスに囲まれていた。
数時間前…
「……セイバー、本当に良いんだな?」
「……はい。私は聖杯を諦めシロウに協力します。この戦いで私に本当に出来た事、これから出来る事を考えてみます。」
「……で、遠坂も良いんだな?」
「……昼間学校でもチラッと言ったけど、元々私は遠坂の名を知らしめるために聖杯戦争に参加したの。……そんな汚染された聖遺物を冬木市セカンドオーナーの私が放っておけるわけ無いじゃない。」
「……アーチャーは……」
「……ふん。私はサーヴァントだ。マスターに従おう。……だが、衛宮士郎……お前が妙な事をしたらすぐにでも私が仕留める。」
「……はいはい。取り敢えず協力するでいいわけね。」
ホントこいつめんどくせぇ……
「……イリヤスフィールからは既に協力を約束されているがまずアインツベルンに話をつける必要がある……第三次聖杯戦争についてもっと詳しい話をアハト翁に聞きたいことだしな。」
これがメインだ。少なくとも無条件で協力を取り付けられるとは思ってないがこれは話して貰わないとならない。
んで今……
「……ここからアインツベルン保有の屋敷までまだ距離があるわ。第一、こんなところでこれだけの数のホムンクルス並べたら神秘の漏洩に繋がるでしょ。」
「……今更な気がするがな?じゃあここにこいつらがいるのは……」
「……私の処分、ね。そもそも私がアインツベルンと連絡を取れなくなった時点でお爺様はもう私を死んだものと思ってるだろうし……」
「……それは少し違いますね。」
「……セラ…」
「……顔見知りか?」
「……アインツベルンのホムンクルスなら全員顔を知ってるわよ。でも、そうね……彼女ともう一人には特別世話になったから。」
「……私の役目はお嬢様と貴方方の足止めです。今貴方方をアインツベルン陣営に行かせる事は出来ません。」
「……それはどういう意味だ…?」
「今、我々の屋敷は第三勢力の襲撃を受けています。……今、我々としてもお嬢様を失う訳にはいかないのです……」
「……アインツベルンを脅かす程の第三勢力?」
「……正確には一人です。」
「……戦闘用ホムンクルス相手にたった一人で無双してるのか、そいつは!?」
「……はい。ですので我々は今お嬢様を屋敷まで通すわけには行かないのです。このまま引き返して下さい。我々はその後このまま屋敷に戻ります……」
……こいつら死ぬ気だ。従者の鏡だな……気に食わないが俺には関係無い。
「……一旦俺の家に戻るぞ。情報源が無くなったのは痛いがやる事は変わらん。作戦の練り直しだ。」
俺たちが踵を返そうとするとその場を動かない奴が一人……イリヤだ。
「……お前はアインツベルンに反旗を翻すつもりじゃなかったのか?良かったじゃねぇか。アインツベルン謹製の戦闘用ホムンクルスが束になって倒せない程の相手なら既に弱り切ったアハト翁が耐えられるわけが無い。……アインツベルンはもう終わりだよ。」
何を思ってこんな極東の地くんだりまで先の無いアハト翁が出張って来たのか知らんが災難だったな。
「……そうだけど……でも、こんなのって……!セラ、そこを退きなさい。私はアインツベルンに戻るわ。……ごめん、シロウ……」
「……そうかい。じゃあ、仕方ねぇ「それは出来ません。私はお嬢様を絶対に屋敷に行かせないよう厳命されています。」…こう言っているが?」
……俺は何をしている…?もう俺には関係の無い話の筈だ。
「……退きなさい。退かないなら力ずくで通るわ……!」
後ろが一触即発の空気を醸し出していく…あーあ……
「……面白くなって来たな。俺も混ぜろよ。」
俺はイリヤスフィールの横に立った。
「……シロウ…?」
「……遠坂、付き合う必要は無いぞ?」
「……こんな所で大規模な戦闘が起こるのを見過ごすわけ無いでしょうが。アーチャー?仕事頼むわよ。」
「……やれやれサーヴァント使いの荒いマスターだ。」
「……セイバー、悪いが手を貸してくれ。」
「……私はもう貴方に全てを預けました。改めてこの場で誓いましょう。私は貴方の剣として忠を尽くします。」
「……皆、ありがとう……」
「……セラって言ったっけ…?女を殺す趣味は無い。ある意味目的は一緒なんだ。こんな所で争わないで共闘しない?」
「……」
「……分かったよ……んじゃ、始めるか……!」
結局こうなるのか……だが、悪くない!