ネタ帳   作:三和

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堕落したブラウニー23

学校の屋上。僕はその床の上に念の為羽織って来たコートを敷き寝転がり通学カバンを枕に目を閉じている。

 

「……シンジ。」

 

声が聞こえ。目を開ける。

 

「……ライダーか。どうだった?」

 

「……どうもアインツベルンのマスターも味方に付けたみたいですよ。」

 

「……遠坂、アインツベルン……御三家のうち二家がこれで衛宮と同盟を組んだわけか。完全に出遅れたな……。」

 

「……やはりこちらから打って出るべきでは……」

 

「……衛宮の行動は明らかに情報を得ている者の動きだ。こちらには情報がほとんど無いからな……下手な事は出来ない。」

 

「……ですが…」

 

「幸い、衛宮たちは恐らく間桐のマスターは桜だと思っている。偽とは言え僕がマスターをしているとは気付いて無い筈だ。その分僕に目が出て来る。」

 

「……それではサクラに危険が及ぶのでは……」

 

「……だから予定を変更して桜に学校を休んでもらった。にしても驚いたよ、まさか聖杯戦争初日で遠坂と衛宮が組むなんてさ、そこからあっという間にアインツベルンまで味方に付けた。……正直衛宮を侮っていたよ……まあアインツベルン本陣はほぼ壊滅状態なのが救いだな。ところで……アインツベルンのサーヴァントとアインツベルン本陣を強襲した奴の正体は分かったか?」

 

「……すみません…まだどちらも…アインツベルンのサーヴァントの方は普段霊体化したままのようですし……アインツベルンの屋敷には攻撃が激し過ぎて近寄れませんでした……」

 

「……気にしなくていい。今お前に死んでもらったら困るからな。無理をせずヤバくなったら撤退するよう指示したのは僕だ。……しかし後者はまだしも、前者は絞れるかもしれない。」

 

「…!本当ですか?」

 

「何処の何時代の英雄とかは分からないけどね、普段から霊体化させたままという事は万が一一般人に見られたら困る見た目とか後は下手に実体化させると制御が難しいとか……ここまで言えばその条件に合いそうなサーヴァントが出て来ないか?」

 

「……バーサーカーですか。」

 

「……そうなるな。これは僕の推測に過ぎないがもし当たっていた場合僕らではまともに相手するのは難しい……」

 

「……何か手は無いのですか?」

 

「……無いことも無いが……今やるのは厳しいな……そう言えばお前の宝具には魂食いを出来るものがあるんだったな?」

 

「……他者封印・鮮血神殿の事ですね……」

 

「……どっちみちお前が動くとなればサーヴァントである以上魔力が必要だ。……桜にあまり負担をかけたくない……それこそ蟲の侵食が進んでしまう。」

 

「……しかしそれでは……」

 

「……分かってるさ。僕だって真っ当に魔術師を目指した事もある身、神秘の漏洩の可能性を考えれば一般人を巻き込みたくない…それ以上に桜が望まない。」

 

「……」

 

「……そんな顔するなよ。背負うのは僕さ。お前に手を汚させる代わりに全ての責任は僕が取る。」

 

「……シンジ……」

 

「……でも今はまだ様子見だ。今日また何か状況が動くかもしれない。偵察を続けてくれ。」

 

「……分かりました。……あの、シンジ?」

 

「……ん?」

 

「……サクラを休ませ自分は囮になるつもりなら貴方は普段通りに過ごす必要があるのでは…?」

 

僕は腕時計を見る。既に午前十時を回っている。とっくに今日の授業は始まっている。

 

「……本来はそのつもりだったんだけどな……あの二人の性格からすると昼間だろうとお構い無しに真っ先に僕に当たりに来るだろうからな……僕は家に居場所があるわけじゃないからこうやって登校はしているけど、教室には顔を出せない。……あくまでも僕は偽のマスター……でもそう簡単に僕の正体を悟らせるわけにはいかない。」

 

「……」

 

「……まっ、どうせお前の宝具を使うなら場所として相応しいのはここ、学校だ。……そしてルール違反だとしても時間帯は一般人の集まる時間にしなきゃならない。その際にあいつらの前に顔を出せば僕をマスターとしてアピール出来る、お前に余剰魔力を与えられる、一石三鳥と言うわけさ。」

 

「……行き当たりばったりも良い所の方法だが今これしか僕に出来ることは無い。だが動くにしてもまずは情報が欲しい。もっと上手い手が浮かぶかもしれないしな……取り敢えず追加で偵察を頼む。」

 

「……分かりました。私は貴方を改めてマスターとして信頼します。貴方に必ずや勝利を捧げましょう。」

 

「……その忠義を受ける資格は僕には無い。僕らはあくまで共犯者。その台詞は僕が死んだ時桜に言うために取っといてくれ……この場は聞かなかった事にしておく。じゃあ頼むな。」

 

 

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