「……シンジ、この技術は何処で…?」
「……独学、さ。本気で桜のケアをするならどうしても医学知識が必要でね……」
と言っても……葛木の怪我は……これはダメだ。
僕の手には負えない……皮膚だけならまだしも内蔵までズタズタだ……何とか応急処置として傷は塞いだけど……
「……まあ後はキャスターに任せるか」
丸投げじゃない。適材適所、だ。
「……さて、キャスターの所へ向かうか……」
「……宗一郎様は大丈夫なの…?」
「…!自分の事を心配しろよ!?」
何でこいつ剣を抜いてないんだ!?
「……この剣の事かしら…?だったら……無理よ……」
「…はっ?どういう事だよ?」
「……抜けないのよ。傷口にしっかり引っかかって……」
「…!ライダー!」
「キャスター!失礼します!……!ダメです!抜けません!」
サーヴァントの膂力で無理と。そうなると……
「……多分剣の構造上傷口に引っかかる様になってるんだ。外科処置で取り除くしかない。僕がやろう。……ちなみに抜いたら自分で治療出来るか?」
「……ええ。大丈夫よ……」
「良し。なら、こっちに来てくれ……ライダー、待っててくれ。」
「シンジ!相手はサーヴァントですよ!?」
「お前を連れて行くとキャスターの信用が得られない。悪いが待っててくれ。」
「……分かりました。何かあったら呼んで下さい……」
こいつは……僕が本物のマスターじゃないのを忘れてるのか…?
「……行ってくる。」
僕はキャスターと部屋へ向かう……
「……本当に手際が良いのね……驚いたわ……」
「……聖杯は医学知識まで教えてくれるのか?」
「……まあね。それで話とは何かしら?」
「……簡単な話さ。僕と手を組まないか?」
「……論外ね。坊や、貴方魔術師じゃないでしょう?宗一郎様を助けて貰ったとはいえこれは戦争よ?代価としては全く釣り合わないわ。」
「……気付かれてたか……そうだ、僕は魔術師じゃない。」
「……魔術師じゃない貴方が聖杯を欲しがるの?よっぽど叶えたい願いが「聖杯に願う願いなんて無い。僕は聖杯は要らない。欲しいならくれてやってもいい。」はっ?」
「そもそも僕の目的はこの聖杯戦争をぶち壊すことだった。」
「……何故?魔術師じゃない貴方にとっても万能の願望器とやらは魅力的でしょう?」
「……僕は妹を助けたいだけだ。そんな物必要無い。」
「?貴方の妹がどんな状況か知らないけど聖杯なら助けられるんじゃないかしら?」
「……聖杯で桜は助けられない。寧ろ聖杯の存在が桜を苦しめているからね。」
「……意味が分からないわね。どういう事なの?」
「……話を聞くなら約束しろ。例え交渉が決裂しても僕の邪魔だけはしないと。その条件さえ飲んでくれれば話してやってもいい。」
「……良いわ。聞きましょう。そこまで言うなら逆に興味が出てきたわ。」
キャスターのあいつとはまた違った歪な笑顔を見ながら僕は話し始めた……