「…うぅ。酷い目にあった…。」
放課後。箒にお説教された私は文字通り真っ白になっていた…
「…十秋姉は一言多いからな…。」
「口に出してはいないんだけど…」
「…もうこの際だから言うけど…確かに十秋姉は別に独り言で言ってるとかじゃないんだけど…バレバレだからさ…。」
「…あー…うん。簪からも聞いたし、刀奈さんにも散々言われたよ…。」
「…まぁドンマイ?」
「…そこは言い切ってよ…。」
何で疑問系?
「…あっ!いたいた!一夏君!十秋さん!ちょっと待ってください!」
あれは確か山田先生?
「…山田先生?どうしたんですか?」
「ハア…ハア…すみません。お二人の寮の部屋の鍵を渡すのを忘れてまして…。」
「…あれ?私たちは確か自宅から通う事になってるはずですが?」
「…お前らの安全上の為だ。」
「ね…!織斑先生。」
出席簿を振り上げる千冬が怖い…。
「…十秋、次は無いぞ?」
「それで織斑先生?どういう事ですか?」
「…言葉通りだ。お前ら二人は狙われる可能性が高い。だから学園の寮で過ごしてもらうことになった。」
「…と、言われましても荷物とかは…」
「…既に一週間分の着替え等は部屋に運んである。後は携帯の充電器もな。…残りの荷物は休みの日に自分で運ぶと良い。」
抜け目無い…あれ?荷造りは千冬がしたの…?…何か不安になってきた…今、家はどうなってるんだろう…?
「…織斑先生、それは貴方が?」
「…私では無い。」
一瞬ホッとしてからすぐに血の気が引くのが分かる…え?じゃ、じゃあ誰が!?
「…織斑先生、他人を家の中に入れるのは…」
「案ずるな。荷造りをしたのは厳密に言えば違うがお前らにとってはもう身内みたいな奴だ。」
…え?本当に誰?
「…あー、成程。分かりました…でも次は事前に言ってくれると助かるのですが。」
一夏は誰なのか分かったみたい…後で聞いてみよう。
「…すまんな。実は急遽決まってな…伝える時間が無かったんだ。」
あー…なら仕方無いかな。
「…そうですか。ところで俺は男なのですが…まさか女子と相部屋じゃないですよね?」
「…あー…すまんな。まだお前用の一人部屋が用意出来ていないのだ。しばらくはそうなる…。」
「…分かりました。…それで、俺の相部屋の人間は誰です?俺の知ってる奴ですか?」
「…ああ。良く知ってる奴だ。…と、先に言っておくが当人にはまだ伝えていない。」
千冬…それはさすがに不味いでしょ。
「…分かりました。俺が自分で伝えれば良いんですね…。」
「…あっ、あの…一夏君…?」
山田先生が何か誤解してそう…一応伝えておくかな…。
「…すみません。一夏の場合、今更女性と相部屋でもそんなに抵抗無いんです…。私や姉さんと暮らして長いですし…」
「ああ。そう言えばそうでしたね…。」
…と、忘れる所だった。
「織斑先生、私の相部屋の人は誰ですか?」
「…そうだな、会ってからのお楽しみという事にしておこう…大丈夫だ。少なくともお前にとっては気の使う必要の無い相手だからな。」
えっ?誰?全く心当たりが無いんだけど…?…まあ行けば分かるかな。
その後軽く千冬と山田先生と話してから私たちは部屋に向かった。