「えっ?勝っちゃった…?」
「…ああ。…やっぱ、不味かったかな…?」
「…いや、手を抜いたら抜いたで怒るとは思うけどね、多分箒程の実力なら分かるだろうし…。」
「だよなぁ…。」
箒は中学生剣道全国大会優勝者である。…ちなみに私たちは決勝だけだがその映像は見させてもらってるし当然その事について祝福もした…
「…まあ先に見ちゃってたのが原因かな…?」
「だな。俺自身カウンターは自信あるとは言え隙だらけにしか見えなかったし…。」
「…見てる限り速攻で決めてたからね…箒。」
「…まさか取り組みの大半が初手からの面狙いだとは俺も思わなかったな…。」
「…引っ込みが付かなくなったのかな…?」
「…というか何が起こってるのか分からないって感じだったな…確かに早かったけど俺からしたらもっと早いの知ってるから…。」
「…あの人早かったからね…柳韻さんと互角かな…?」
護身用に体術教えてくれた人もそうだけど…更識家の人たちってどうなってるんだろう…?
「…さぁ?見てみたい気はするけど…って…今は箒の事だったな…。」
「…ショックは受けてたけど受け容れてる感じだったけど…立ち直るのには時間かかるかもしれないけど…。」
「…それ自体は構わないんだけどさ、今はさっさと出て来て貰わないと困るんだけど…。」
「…そろそろ時間だね…放っておく訳にもいかないし…。」
「…参ったな…。」
「…何をしてるんだお前たち?そろそろ消灯時間だぞ?」
「あっ、姉さん…それが…。」
「…そういう事か。話は分かった。取り敢えずお前らは帰れ。篠ノ之の事は私が送って行く。」
「…でも千冬姉…」
「…今の篠ノ之はお前と顔を合わせるべきじゃない。逆効果になる…ほらさっさと戻れ。それとも、罰則覚悟で残るか?」
「…分かった。頼むよ、千冬姉…。」
「…分かっている。早く行け。」
「…一夏、あんまり気にし過ぎないようにね?」
今回の一件一夏に落ち度は余り無い。下手に手を抜けない事を考えると寧ろ模範解答だった気がしないでもない。
「…分かってる。お休み、十秋姉…。」
「お休み、一夏。」
一夏が部屋に入るのを見届け私もドアを「お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも「ご飯は済ませてるのでシャワーを浴びます」もう。もう少し付き合ってよ。」
「…そう言われても…と言うか着替えて下さい。目のやり場に困りますので。」
「…はいはい。」
そう言って刀奈はエプロンを外すとパジャマに着替える。…てか、水着じゃなくて下着だったんだ…。
「…随分遅かったけど何かあったの…?」
「…はい、ちょっと…。ごめんなさい、夜食用意出来なくて。」
「何時もやってもらうわけにいかないし良いわよ。それに今日は早目に仕事終わらせて夕食も済ませて来たし。」
「…朝食は「明日の朝食は私が用意するわ。と言うか交代制にしましょう?せっかく同室なんだし。」…そうですね。」
「…取り敢えずシャワー浴びて来ます。」
「行ってらっしゃい♪」
箒の様子は気になるけど私には何も出来ないしなぁ…取り敢えず今日は休もう…。