「…それは私に相談されてもねぇ…」
「…やっぱりそうですか…」
次の日、刀奈が作った朝食を食べながら私は昨日の事を刀奈に相談していた…美味しい…。一夏に負けず劣らずの味。…私が更識家にいた頃から美味しかったけど更に腕が上がったみたい…。
「…長い間会ってなかったって言っても幼馴染でしょ。なる様になるわよ。…そもそも私は一夏君の人となりは知ってても箒ちゃんの事は良く知らないから何とも言えないし…。」
確かに。
「…まっ、大丈夫でしょ。一夏君なら。」
「そうですね。」
不思議と一夏なら何とかなると言う刀奈には共感出来た。…それに、元々箒自身が一夏を嫌う可能性が全く無いから、ね。
「…それはそうと今日からは一夏君もこっちに参加するんだっけ?」
「…はい…。何か勝手に決めてすみません…。」
「…私は別に構わないけど、一夏君ならそれ程手間もかからないだろうし…。…でも箒ちゃんの事は良いの?」
「それが…完全に自信を失ってコーチを降りちゃったらしくて…。」
「…あらら…箒ちゃんのケアの方が先じゃない?」
「私も心配ですしそうしたいのは山々なんですけどあまり時間も無いんで…。」
「まあ確かにね…。私としては別に断る理由は無いし良いけど…。」
最も一夏なら試合の日までに和解しそうだけど。絶対一夏はタラシだと思う。前世の時も凄かったけど今世は余計に磨きがかかってる気がする…。
「…一夏君も特に問題無いわ。」
「…そうですか。」
一夏…本当に初めてなんだよね?前世の私並に動けるってどういう事…?一夏とも戦わなきゃいけないんだよね…?勝てる気がしないんだけど…。
「…そう言えば箒はどうしてるの?」
訓練が終わった後私は聞いてみた。
「…千冬姉の説得は聞いたみたいだけど…まだ落ち込んでるよ…。道場にも行ってないみたいだ…。」
「…どうするの?」
「…う~ん…」
考え込む一夏…回転も早い筈なのに一夏も時々脳筋になるんだよね…。
「…まっ、何とかなるよ。部屋も同じだし、話すチャンスはいくらでもあるしな」
楽観的なのに不思議と説得力はあるんだよね…。
本人から改めて聞いても多分何とかなるだろうと思えちゃう…。
「…あ〜そこそこ…!上手いわね、十秋ちゃん。」
「凄く凝ってますよ?根を詰め過ぎじゃ?」
今私は刀奈の肩を揉んでいた…信じられないくらいガチガチなんだけど…これ十代の肩じゃないよ…。
「普通の学校じゃ考えられないくらい忙しいのよ、ウチの生徒会。何故か生徒が処理すべきじゃない案件が回って来たりするし…。」
それは教師の怠慢なんじゃ…?
「…権力って使いようによっては便利だけど一々責任がついてまわるのが難点かしらね…。」
「……」
別にマッサージくらいお易い御用だし、愚痴を聞くのも構わないけど…そう言う意見に何て返せば…私としては非常に困るんだけど…。
「…十秋ちゃん、生徒会に入る気は無い?」
「…考えておきます。今は試合の事に集中したいです…。」
「うん。考えておいて。…ふぅ。ありがとう、楽になったわ。」
「どういたしまして。…お世話になってますしこれくらいなら別に良いですよ」
その後私たちはお喋りもそこそこにベッドに入った。