そして、やって来た試合当日…
「さて、最初の試合だが…そうだな、まずは一夏、十秋、お前たちだ。」
「…十秋姉が最初の相手か。相手にとって不足は無いな。」
とても獰猛な笑顔を私に向ける我が弟…いやいや…待って待って…私、一夏に勝てる気がしないんだけど…セシリアなら勝てるって意味じゃないけど…。
「私は後回しですか「自惚れるな」…はっ?」
「…お前が後で当然だ。あの二人とお前ではレベルが違う。…言っておくが身内贔屓では無いぞ?この後の試合を良く見ておく事だ…付け焼き刃でも少しは勝率が上がるかもしれんぞ?」
どうしてそうこっちにプレッシャーかけるような事を言うのかな…?
「…十秋…」
「…箒、もう大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だ。心配かけたな…」
やっぱり試合には間に合ったね、さすが一夏。
「箒が元気になったのなら良かったよ。」
「…嬉しいが私の事を気にしてる場合なのか?お前の相手は一夏だぞ?」
一度負けただけあって実感込もってるね箒…でもね…
「…私も遊んでた訳じゃないから。それに私はずっと一夏を見てきたからね…。」
「!…お前がライバルじゃなくて良かったよ…。間違いなく強敵だった…。」
…それは恋のライバルの話かな?…確かに私は一夏を恋愛対象に見てはいないけどね…一人の少女の姿が頭を過ぎる…。彼女は今どうしているだろう?もしこの学園にいたら箒の最大のライバルだっただろうね…。
「…私は一応好きな人いるからね…」
十年以上片想いだけど…。
「ん?そうなのか?意外だな…。私の知ってる人物か?」
「…うん…。」
箒も良く知ってる人で今もこの場にいるよ…。
「…教えてはくれないのか?」
「……そのうちね…。」
今世の箒にはまだ言えないかな…あっちでは同性ってだけだけど今世は姉妹の間柄だし…。
「…かなり訳ありのようだな…。何かあったら何時でも相談しに来ると良い…私が力になれるとはとても思えないが話くらいは聞くさ。」
「…ありがとう…。」
いよいよ我慢出来なくなったら相談しようかな…。刀奈でも良いけどやっぱり今世も似たような想いを抱えてる箒に相談したいな。
「そろそろ時間だ、二人とも準備しろ。」
「分かった。行くぞ、十秋姉。」
「うん、行こうか。」
一夏たちと別れ私はピットに入る。
目の前にいるのは専用機、白式を纏った一夏…お互い実は一次移行前のぶっつけ本番。…何で本当に当日になって届くのかなぁ…これなら打鉄の方が良いとも思ったけど千冬に押し切られて私も仕方なく専用機を纏ってる…違和感が凄い。こういうのはフィーリングの問題なんだろうけど、ね。やっぱり使い慣れた物の方が良いよ…。
「…行こう、シュナイダー。」
…取り敢えずやれる所までやってみますか。
私は試合開始の合図と共にサーベルを一夏に向け突進した。