「え~っと…つまり、今回一夏が負けたのは…シールドエネルギを使用して発動する零落白夜を途中から発動しっ放しだったからって事?」
「ああ…悪かったな、こんなお粗末な終わりで…」
「私としてはまあ別に良いけど…。」
ちょっと残念ではあるけど…正直私も、もう体力はギリギリだったし…。
それにしても零落白夜ね…。相手のエネルギーを瞬時に0にしてしまうこれは千冬が現役時代使っていた能力だ。これによって千冬は最初の大会で優勝したけど…そもそも千冬程の剣の腕があったから使いこなせるものであって…普通の人はなかなか出来ないよ、相手に当てる瞬間だけ能力を発動するなんて器用な事…
「…今度改めて決着着けようぜ?俺もこいつを使いこなせる様にしとく。」
そう言ってブレスレットになった白式を撫でる一夏。
つい本気になって戦ってたけど…私はしばらく遠慮したい…今回は本当に疲れた…。
「…そういや十秋姉の持ってた短剣だけど…」
「…ああ、マインゴーシュの事?」
マン・ゴーシュ…俗にマインゴーシュとも呼ばれるこれの由来は前世の私の母国、フランスの言葉で左手を意味するmain gaucheだけど…まあ今はそれはどうでもいいね。多分一夏が聞きたいのはそんな事じゃないし…。
「移行後に現れた剣だし、その剣も多分何かあるんだろ?せっかくだから教えてくれよ。」
「あー…」
やっぱりそう来ますか…。でもね…
「…う~ん…そう言われても分からないんだよね…。」
「分からない?何でだ?俺はあの刀雪片弐型が出てすぐ情報が表示されたけど…十秋姉は違うのか?」
「あー…そういう風になるんだ…私の場合は特に何も出なかったんだよねぇ…。」
何かありそうではあるんだけどね…実はこの剣の情報だけ見れないし…マインゴーシュはあくまで剣の分類上の名前だから多分一夏の雪片弐型みたいに正式な名前があるんだろうけどそれも見れないし…。
「そうなのか…。」
そもそもこのISの名前もシュナイダーだし、(まあ言葉そのものは厳密にはドイツ語何だけど…マインゴーシュが出てる以上そっちの意味じゃ無さそう)こうもフランスで推して来るのは何故なんだろう…?西洋剣術を使う私に合わせるにしても…例えば同じヨーロッパ圏内のドイツ推しとかでも良いはずなんだけど…。ちなみに作ったのは一夏の専用機を作ったのと同じ日本の企業、倉持技研となってるんだよね…。
「…十秋、考え込むのは良いがまだ試合は残っているぞ。」
「…あっ、ごめ…すみません、ね…織斑先生…。」
考え事をして気を抜いていた私は千冬に声をかけられ慌てて返事をしたが気を抜きすぎたのかかなり悲惨な事に…怒られるかな…?
「……そろそろ罰則を考えるぞ?」
「すみません…。」
助かった…とは言えさすがにもう次は無さそうだけど…。
「さて、次はセシリアと戦ってもらうが…どちらから行く?」
「…俺が先に行くよ、十秋姉は疲れてるだろ?」
「…うん…ごめんね?」
「良いって。」
「…セシリアはもう先に行っている、お前もとっとと行って来い。」
「分かった。」
「一夏、頑張ってね?」
「おう!」
そうしてセシリアの元に向かう一夏を私は見送った。