クリスマス…友人からのクリスマスパーティーの誘いを断り、執拗に引き止める家族を振り切って私は日本まで来ていた。
「■■?本当に良かったのか?お前には向こうに家族も友人もいるだろう?」
「私は千冬に会いたかったの。千冬こそ良いの?一夏君と過ごしたりとか、そっ、そうでなくても恋人とか……」
「一夏は出かけたよ。私には恋人なんて甘い関係の相手はいないからな…突然来られて驚いたが暇だったからな、ちょうど良かったよ。…最も次からはちゃんと連絡してから来てくれ。仕事の可能性もあるしさすがに家の前で待ちぼうけさせるわけにいかないからな。」
「うっ…うん。ごめんね、千冬?」
でもいても立ってもいられなかったから…もし、千冬が誰かと楽しく過ごしてたりと考えたら胸が苦しくなって……暇だったと言う千冬の言葉に私はホッとしていた…更に二人で出かけてくれるなんてちょっと本気で幸せかも。
「しかし、まあ何だ…こんな夜に女二人で街を歩くというのも悪くは無いが…少し虚しくなるな。」
「…うっ、うん。そうだね…。」
周りはカップルばかり…こんな空間に同性二人で歩いていれば千冬の様な反応をするのが普通なんだろう…でも私は幸せだ。……横にいるのは単なる友人じゃなく最愛の人なのだから…。
「でも、私は楽しいかな。…千冬と一緒だから…。」
「こんな私といて楽しいとは…束といい、お前といい…本当に物好きだな。」
「……」
やっぱりそういう反応になるんだね…私は友人だから楽しいんじゃないよ?……いや、親友として一緒にいるのももちろん楽しいけど……やっぱり今の私にとって貴女が大好きな人だから…
「…そっ、そう言えば束は?」
会話が途切れるのを嫌がって私はそう千冬に振ってみた。
「…一応あいつはおいそれと顔を出せる状態じゃないからな。何処で何をしているのやら…」
「束の性格的に近くにいるんじゃないかな?せっかくのクリスマスなんだし。…もしかしたら会いに来るかも…。」
「止めてくれ。ただでさえあいつには手を焼かされてるんだ。…今この場に現れでもしたら面倒な事になる。今日くらいは静かに過ごしたい。」
「そうだね…。」
私もあまり騒がしいのは好きじゃない…。元々華やかな席は苦手なのだ。
「…それで何処か行きたい所はあるか?このまま表を歩くだけなのも何だろう?」
「え~と…千冬は何処か無いの?」
「私はそもそも今夜は家でゆっくり過ごそうと思ってたからな。特にこれといってしたい事も無い。お前が決めるといい。」
「…私はもう少し歩きたいかな。…二人で。」
「遠慮しなくて良いんだぞ?」
「ううん。私がそうしたいの。」
「…じゃあもう少し歩いたら何処かの店で夕食を取ろう。その後は家で呑むか?」
「うん。それがいい。」
そんな聖夜の忘れられない記憶。嘗ての私のもう戻らない…とても……大切な思い出の日。
フランスとの時差の計算を放棄