篠ノ之束は人嫌い…それが世間一般のイメージだろうか?
各国の勝手な都合で指名手配されたとはいえ公の場にほとんど姿を現さない以上、それが定着するのは当然でもちろん私もそう思っていた…。
「あっ、ねぇねぇ君が最近ちーちゃんと一緒にいる人?」
「…はい?…って、え…?篠ノ之博士!?」
これが私、■■と束との最初の出会いだ。
彼女は突然私の前に現れたのだ…。
「コーヒーで良いですか?」
「ありがとう!…砂糖とミルクもう少し貰えない?」
「…はい、どうぞ。」
「ありがとう。…美味しい!」
私が入れたコーヒーに大量の砂糖とミルクを入れ、最早コーヒーでは無くなっている事と篠ノ之博士が部屋にいる事で私は表面上は何とか平静を保っていたものの内心はかなり混乱していた。
「…突っ立ってないで座ったら?」
「はい…って、ここ私の部屋だから!」
「分かってるよぉ!うんうん、解れてきたね!さっきから思ってたけど敬語要らないよ同い歳だし。」
「そう?…ところで何の用なの…篠ノ之さん?」
「束で良いよぉ。束さんはね、■ちゃんに興味があって来たんだ。」
「はぁ」
…■ちゃんって私の事?…天災科学者が一般人の私に何の興味があるんだろう…?
「■ちゃんはちーちゃんと戦ったんでしょう?」
「…うん。負けたけどね…。」
「■ちゃんの事調べたよ…凄いねぇ、フェンシングの大会でジュニア部門から一度も負け無し!」
「…ありがとう。」
…私は余りそれを誇らしくは思えない。子供の頃はそのせいで人が寄ってこず友達もいなかった…。…今は割り切っているし、友達も何人か出来たし、親友に千冬がいるから良いけど。
「…束さんはね、■ちゃんが私とちーちゃんと同類かどうか確かめに来たんだ。」
「同類?」
どういう意味だろう…?
「そう。■ちゃんが私たちと同じ化け物かどうかを、ね。」
「…化け物?」
「…私たちは人を逸脱してるんだよ。私はこの頭脳と身体能力。ちーちゃんは身体能力のみ私に追い付く。そして■ちゃんは「ちょっと待って」えっ?」
「私たちは人間だよ?…私は何処にでもいる普通の人間で千冬と束も人と少し違うだけの人間。」
「…あいつらとは違うね。…あいつらはさ、私を何時も化け物を見るような目で見てた…ちーちゃんといっくんだけが私を受け入れてくれた…。」
「束は人間だよ、私はそう思うなぁ…。」
「…そっか。ありがとう。」
「…?良く分からないけどどういたしまして。」
…この後挨拶もそこそこに束は帰って行った。…それからちょくちょく束が部屋に来るようになった。…他の家族がいない時を見計らって来てくれるのは良いけど…何時見つかるかと気が気じゃない私からしたら正直勘弁して欲しかった…。
「やっほー!■ちゃん、遊びに来たよ!」
「はいはい。コーヒーで良いかな?」
「うん!」
…束の事自体は嫌いじゃないけど、ね。千冬との事も応援してくれたし…。
「…ところでちーちゃんのお風呂入ってる時の映像持って来たけど見る「見る!」わーお。おめめめっちゃキラキラしてる…。持って来た束さんが言うのも何だけどドン引きの反応だねぇ…。」
私がエロい訳じゃない筈…。意中の人の生まれたままの姿を見たいと思うのは当然の筈…。
私は自分にそう言い聞かせた…。