『…■■さん、恋愛相談は私じゃない方が…』
「…ごめん、でも箒が一番頼りになりそうだから…」
篠ノ之箒…束の妹さんらしい…束がISを発表し世間に兵器として認められて以来彼女とは離れ離れになっているらしいけど束特製の盗聴防止機能付きの専用電話で時々話はしてるとか…。
家族の話になった時私も直通電話を束から貰った…何で私に?とも思ったけど…気がつけば自分の姉の紹介という事でどんな変人かと警戒されていたのは今では笑い話。…今はお互いに恋愛相談をする仲だ
……いや、千冬との共通の知り合いで似たような想いを抱えてるのが箒しかいないってだけ、という事情もあるんだけどね…仲は良いと思う…会った事は無いけど。束が写真を見せて来たから顔は知ってるけどね…
『私も一夏に片想いしてる身なんですが…』
だからこそ相談相手としては良いんだよねぇ…そもそも束は恋愛相談には適してないし…。
『しかも…■■さんの好きな人は同性の千冬さんでしょう?どう考えても不適任ですよ…。』
「…それでもいいの。何か進展する方法は無いかな…?」
『…進展も何も千冬さんの気持ちは確かめてないんでしょう?それに千冬さんならストレートに言えばそれで済むと思いますよ…一夏に踏み込めなかった私が言う事じゃないですけど…。』
千冬は脳筋の気が強い…しかも束曰くかなりの鈍感らしい…束には人が近寄らなかったらしいけど千冬は学生時代それなりにモテたらしいから…最も束と良く一緒にいる事と本人が鈍感なせいで尽く玉砕したらしいけど…そもそも身近に強い男性である柳韻さんの存在があったことを思えば…多分普通の男性なら告白しても大半が切り捨てられただろうと思う…。
「…言えないよ…怖いから…。」
どうしても千冬が離れて行くのが怖くなる…今の関係を壊したくない…。
『気持ちは分からなくもないですが…少なくとも千冬さんは気持ち悪がったりしないと思いますよ…そもそも千冬さんは学生時代から割と同性にもモテていたそうですし…。今更じゃないですかね…。』
「あっ、やっぱりそうなんだ…?」
束は余り思い出したくないのか話してくれなかったけど…学生時代からあんな感じだったなら…間違い無く同性にもモテたと思う…。
『…私の様に会いたくても会えないわけじゃないんですからさっさと告白する事をオススメします…。』
出来たら苦労しないよ…。
『まあ私で良ければ話くらいは聞きますから…。』
「ありがとう。…また、束来た時にスイーツ持たせるね?」
「…ありがとうございます…。」
箒は束と違って硬い感じが強いけど…普通の女の子らしく甘い物が結構好きなのだ。…最も本人は和菓子派らしいけどね…。
「…束とはどう…?何か話したりする…?」
『相変わらず…■■さんに言われて少しでも理解しようと思ったんですけど…』
私には兄が一人いる。元が無口な事もあり、歳も離れてるせいですれ違った事もあったけど根は優しく誠実だ。…今では両親に話せぬ恋を打ち明け、応援してくれる人間の一人だったりする…。…だからすれ違い続けてる束と箒の二人にお節介を焼いてしまった…。
「…迷惑じゃなかった?偉そうに言っちゃったかなって実はちょっと反省してたんだ…。」
後悔はしてない。…家族がすれ違ったままでいるよりは良いと思うから…。
『いえ。私たちのためを思って言ってくれたのは分かってますから…それに、私も本当は姉の事を知りたかった…。』
「…束もきっとそう思ってるよ。分かり合いたいってね。」
…まあ両親とは絶望的みたいだけどね…せめて箒とだけは和解して欲しいな。
『…今度、来た時はもう少し話してみます…。』
「うん。それが良いよ。頑張ってね?」
姉妹が会話するだけなのに変なアドバイスだなと我ながら思うけどこの二人の場合は仕方無いのかな…。何時かは束が家族皆で過ごせる日が来たらいいなぁ…。昔はともかく今は柳韻さんも束と和解したいと思ってるみたいだし…。