三月十四日 昼 人参ロケット内部…
「もうすぐ日本だよ■ちゃん!」
「ねぇ束?これって不法入国じゃない?」
現在私は束と共に日本上空にいた…
「■ちゃん日本に行くの?」
「うん。約束したし…」
「じゃあ一緒に行こうよ!」
「束は飛行機乗れないんじゃ?」
「そりゃあもちろん束さんのロケットに乗って行くんだよ!」
そうして一緒に来てしまった私を殴りつけてやりたい。
「だってぇ…束さんはこうでもしないとちーちゃんやいっくん、それから■ちゃんたちに会えないし!」
……何時の間にか束は私の両親とも仲良くなっていた…本人曰く、「■ちゃんのお父さんとお母さん面白い人だね~!」…との事…面白いと言う表現にはかなり複雑な物があるけど…まあ変わり者ではあるよね…つい最近、兄が両親を超えるズレた人だと知った事実は頭の片隅に追いやる…。
「本当なら箒ちゃんにも会いたいんだけどな~…」
「箒はずっと政府の監視が付いてるから…こっそり会える束はともかく接点無いはずの私が会うのは不味いでしょ?」
最も普段から電話での会話はしてるけど…それに今日は箒自身が用事があると言っていたらしく束も渋々会うのは諦めたらしい…そうでなくても篠ノ之箒が織斑家を訪れるという状況は問題しか無いけど…
「取り敢えず後で私からのお返しは渡してね?」
「もちろん分かってるよぉ!」
その辺は不安に思ってない。束が箒の事でやらかす事なんて…ダメだ。何かやらかす未来しか見えないよ…
「普通に渡してね?箒の友人とかと揉めたりしないでね?」
「大丈夫!人いない時に渡すし、そもそも他人に興味無いし。」
「……」
これ以上言っても仕方無いのでそこから先は飲み込む事にする…
「良く来たな、■■に束。」
「久しぶりちーちゃん!」
「一ヶ月振り位かな?今回もしばらくお世話になるね?」
「良いさ。何時でも来るといい。…最も一夏と違って私は家にいない事が多いが…あれで結構一夏はお前の来訪を喜んでるんだ…割とたくさん食べるから作り甲斐があると言ってな…」
「…あー…うん…何か、ごめんね…?」
笑顔だが多少皮肉の込められた千冬の言葉にそう返す…初めて織斑家に来た際に私の食べる量で千冬や一夏君にドン引きされたのは未だに記憶に新しい…聞いたら一夏君の同性の友人より遥かに食べる量が多いとか…そう聞いて私がかなりショックを受けたのは言うまでも無い…
「良いさ。少なくとも一夏は喜んでるからな…」
「…そうなんだ…」
私が悪いんじゃないもん…一夏君の料理が美味し過ぎるからいけないんだもん…そもそも私が作るよりずっと美味しいし…女性として本気で負けた気がする…
「■■?どうした?入らないのか?」
「■ちゃんどうしたの?」
私が軽くダークサイドに堕ちてる間に二人はもう家の中…
「何でもない。お邪魔します。」
家に入るともう良い匂いが漂って来た…そう、私は悪くない…深く考えるのは止めにする…今日も食べまくろうっと。