フランスでも一応桜の時期に出かけたりはする…でもそもそも暖かければ大抵普通に公園に行くという感覚で別に桜を見に来てるという訳でも無いし、きっちり見栄えを意識したお弁当を用意するという習慣は無い…私は母が日本人だからかちゃんと一緒にお弁当を用意して行ったけどね…
「…本当に手伝わなくて良いの…?」
「…いや、■■さんはお客さんだからさ…」
…織斑家で数日を過ごし、漸く千冬の休みが回って来た週末…私は千冬と一夏君と一夏君の友人の五反田弾君、御手洗数馬君たちとお花見に行く事になった…数日家にいただけでも割と手持ち無沙汰だったのにこういうのもやるなって言われると本当に落ち着かない…
「…■■さん、結局晩飯作ったりしてたろ?これくらいは任せてくれって。」
…いや、無理言ってここにいるんだし、それくらい当然だと思うけど…と言うか…
「…そもそも私も一緒に行っていいの?」
私自身は一応一夏君の友人二人と面識はあるけど軽く話した事があるくらいであまり接点は無いに等しい…今回の滞在中でさえ入れ違いだったりして会えてないし…
「…何言ってんだよ?■■さんも家族だろ?」
……一瞬納得しそうになったけど普通に違うよね…?
「…それとも行きたくないとかか…?フランスってそもそも花見の習慣自体あるのか知らないけど…」
「…花見では無いけど普通に外で食事したりはするね…後、別に行きたくないわけじゃないよ?寧ろ行きたい…」
「…あー…うん。千冬姉が来る以上、■■さんが来ないわけないよな。」
「…あはは…」
……そう言えば普通にバレてたね、私の気持ち…
「…何か悪いな…二人きりでいられるようセッティングしようとも思ったんだけどさ…」
「…ううん。大丈夫…」
千冬といられるだけで割と幸せだし…それに…
「私は一夏君の事も嫌いじゃないからね…」
「…それ、あの二人には止めてくれよ?勘違いされるから…」
「…?何が?」
「だからさ、まあ良いか…にしても千冬姉遅いな…」
……千冬は今日遅くなると連絡が入ってる…無理矢理休み入れたせいか、今日までかなりゴタゴタしてたみたい…何か本当に申し訳無いな…
「…取り敢えず座っててくれよ、晩飯も今作るから。」
「…うん…」
結局千冬は夕食が出来ても戻らず…一夏君が寝てから私も少しして眠った…
物音がした気がして意識が登ってくる…泥棒じゃないよね…?
「…ん?起こしてしまったか?」
「…おかえり千冬…」
私が起き上がるとそこには千冬がいた…今は深夜二時過ぎか…
「…随分遅かったね…」
「…ああ。引き継ぎに時間がかかってな…おかげで漸く明日から休みだが。」
「…そっか。」
口角が上がるのを堪える…ダメ…どうしてもニヤニヤしちゃう…
「…どうかしたか?妙に嬉しそうだが?」
「…明日のお花見が楽しみだからかな?」
「…そうか。ならさっさと寝るとしよう、明日は寝坊出来んしな…」
……私は割と起きれるけど、千冬は良く寝坊するからなぁ…
「…しかし…初日にも聞いたがどうしてお前はここで寝るんだ?別に私の部屋でも良いんだぞ?」
初日に千冬の部屋を使っていいって言われたけど私は毛布と枕を借りて茶の間で寝ている…だって…
「…ううん。寝坊したら困るし…」
「…明日はともかく、そもそもお前は休みだろう?ゆっくりしてれば良い物を…」
……正直横で千冬が寝てたら歯止めが効かなくなりそうだし…
結局私は千冬の勧めを断り、千冬が部屋に入るのを見届けた後、再び床に横になった…