元帥の爺さんが帰って行った後、執務室に戻って来た叢雲にさっき爺さんと話した事を伝えてみた。
「……」
「ご機嫌斜めだな、叢雲。」
「当たり前でしょ。何であんたは勝手に大規模遠征の仕事なんて受けてる訳?」
「…元帥殿の依頼じゃ断れねぇよ。」
「…あんたの方から提案してたじゃない「お前…やっぱり聞いてたな?」……」
気を遣って出て行った振りをしてずっと外で話を聞いていたのだろう叢雲にジト目を向ける…ま、飲んでいた茶が無くなると同時にこいつが新しく入れたのを持って来た時点で変だと思ってたが。
「…良いぜ?文句があるなら言え。全部包み隠さず、な。」
「……言って良いわけ?」
「…爺さんにはああ言ったが、お前も知っての通り俺は元は民間人だ…実戦経験なんかねぇよ…ましてや指揮官なんてのはこの立場になってから初めてだよ。」
「…なら、言わせてもらうわ…馬鹿じゃないの!?経験もなく、安易に遠征任務に付くなんて頭可笑しいんじゃない!?大体、海に出るのはあんたじゃないのよ!?出るのは私たち艦娘…あんたは良いわよね、皆が命懸けで戦ってる間こうやって執務室で書類書いて、煙草吸って、お茶飲んでるだけで良いんだからね!」
「そうだな…」
「今からでも遅くないわ…任務受諾の撤回連絡して…ここにいる艦娘は大半が寄せ集めで、ここに配属されてから演習すらやった事無いのよ?実戦経験の量もバラけてるみたいだし、連携も取れない…あんた皆を死なせる気な訳?」
「…貴重なご意見どうも~…だが、俺は撤回なんざしねぇぜ?」
「っ!いい加減にしなさい!」
椅子に座る俺の胸ぐらが掴まれ、叢雲の方に引き寄せられる…
「…断りなさい…!早く「嫌だ」……理由は?まさかその顔も知らないどっかの提督に同情したとかじゃないわよね?」
「同情なんてしねぇよ?ここよりはまともな状況だろうしな「じゃあ、何故かしら?」…ここの連中結構ストレス溜まってるからな、ガス抜きだよ。」
「……それだけが本当に理由ならこの場で私はあんたを殺すわ「出来んのか?」…馬鹿にしないで…!無謀な作戦で皆を死なせる位ならそれぐらいやってやるわよ…!」
叢雲が艤装を展開し、砲を俺に向ける…この後の言葉を間違えたら多分俺は本当に死ぬな…
「…お前はこのままで良いと思ってんのか?」
「何が「そもそも戦闘に出られないお前は良い…だが、あいつらはここで軟禁状態のままで納得するのか?」それは…!」
「戦いが全てなんて言わねぇ…だが、お前ら艦娘は結局は戦う為に生まれたんじゃねえのか…?」
「そうね…そうかもしれない…でも、それはあんたみたいな奴に使い潰される為じゃ「じゃあ、連中に聞いてみるか?」…え?」
「戦いに出たいか否か、そして…俺を指揮官として認めるのかどうかを…な。」
「…じゃあ…もし、誰も海に出たくないと言ったら?」
「その時は、お前の言う通りこの任務を断るさ。それともそれだけじゃ不満か?」
「……どういう意味?」
「今、お前は俺を警戒している…さっきの話だけ聞きゃあ、俺は無謀な作戦を実行して仲間を殺そうとするクソ野郎だ…お前は…俺をどうしたい?」
「…そうね…取り敢えず皆の意見を聞いてから決めるわ。……逃げないでね?」
「…俺に逃げる場所なんてねぇよ。」