「物を投げつけるの自体余り良い事だと思いませんけど…それ程重くない物ならまだ分かります…でも頭に向かって重たい中華鍋を投げつけるのはやり過ぎです…貴方は弾君を殺す気ですか?」
「……」
「最も…一番納得行かないのは弾君と蘭ちゃんの反応です…あの状況で私の心配をするという事はそれだけ危機を感じてない、という事でしょうね…つまりこれが当たり前になる程…貴方はずっと同じ事をしてたんですよね…?」
口から言葉が止められない…どうしてこの人は平気でこんな事が出来るの…
「あの、■■さん、もうそれくらいに「弾君、それじゃ駄目だよ、昔からそうだったからそれが普通だと思ってるかもしれないけど…これはね、可笑しい事なんだよ?…今は影響無いかもしれないけどもしかしたらいずれ後遺症が出るかもしれないの。それだけ頭に対するダメージは危険なんだよ」……」
弾君は俯いて黙りこくってしまった…彼を責める気は無かったけど…こればっかりは彼にも知っておいて貰わないと。それと…
「蘭ちゃんも。分かるよ?家族だからって色々割り切れない事だってあるだろうし、向ける言動も含めて多少扱いが雑になる事もあると思う…でもね…分かるよね?貴方のお兄さんは一人しかいないんだよ?別にいなくなって欲しいって思う程嫌いじゃないんでしょ?」
「…はい。」
今日会った時から思ってたけどこの子の弾君に向ける言動はかなり当たりが強い…当初はお互い難しい時期だし、つい邪険に扱う事もあるだろうと思ったけど…どうも初対面の私がいたから遠慮してだけみたいで時間が経つ事に言動の強さはエスカレートして行ってた(最終的に暴力も振るい始めたしね)
更に今日ここに来て感じた印象としては家族全員が弾君に対する扱いはかなり酷いと感じた。
…その癖、明らかに蘭ちゃんには甘い。多分他の家族全員がこの扱いだから、彼女の弾君に対する扱いもそれに準じちゃってるんだろうね…弾君に原因が無いわけじゃ無いんだろうけどこれは躾の域を超えてる…
「先程から黙ったままですけど…何か仰りたい事は無いんですか巌さん?」
「……」
「小娘が生意気な事を言ってるとは自分でも思います…でも、貴方たちに人並みの良心がもしあるのなら心には留めて欲しいです…弾君が大事であるならもう少し優しさを持って接してあげてください…今のこの家には弾君の居場所がある様には思えません。」
そこまで言って一息吐く…一方的に喋ったけど言いたい事は全部言ったかな…?少しは伝わってると良いけど…
「失礼な事を言ってごめんなさい。料理美味しかったです…それじゃあ失礼します…」
私はテーブルに多めにお金を置くと、お店を出た…
「やっちゃったな…」
部外者の私が口出して良い事じゃないのは分かってたけど、どうしても言わずにいられなかった…もちろん行った事自体を後悔するつもりは無いけど…
「後で弾君と蘭ちゃんには連絡しないと、ね」
何にしてもまずは帰らないと…私は織斑家に向かって重い足を動かした…