「それで落ち込んでるのか?…お前らしいと言うか、何と言うか…」
「…何かごめんね、帰って来るなり愚痴っちゃって…」
「気にするな。普段お前は殆ど不満を言わないからな、寧ろ心配になるくらいだ…」
私は織斑家に辿り着くと千冬にさっきの話をしていた。
「他所の家庭事情に文句を言うのは…やっぱり不味いよね…」
「…いや、お前は正しいよ…一応ある程度その状況を知ってて放置していた私が言う事じゃないがな…」
「…そうかな…?私は、間違って無かったかな…?」
「…ああ…私が保証する…それでは足りないか?」
「…ううん。ありがとう千冬…」
千冬がそう言ってくれるなら…私は…
「そもそもお前がそこまで言ったんだ…私に同意を求めるまでも無くもう何か考えているんだろう?」
「うん…放っては置けないから…」
正直、私みたいのが一回ちょっと言った所で昔からやって来た行為を改める様な人には見えなかったし…
「ごめんね、迷惑かけちゃうかも知れない…」
「今更だな…さっき言ったろう?お前は正しい…何も気にするな…どうせ明日も向こうに顔を出すんだろう?好きなだけ言いたい事を言ってやると良い。」
「…ごめん…」
「だから謝るな。そうだな、私も休みを取れていることだし一緒に行こう「え!?良いよ!さすがに悪いし!」何を言っている?そもそも私は今回お前や一夏と過ごすために休みを取ったんだぞ?一夏、お前も明日五反田食堂に行くだろう?」
千冬が台所で夕食の支度をしている一夏君に声をかける。
「ああ。そういう話なら俺も関係者だし、■■さんだけ行かせたりしないさ…」
「ほら、な。これでは私は明日、家に一人になってしまうだろう?暇になる…」
……普段私より忙しいんだから普通に家で休んでいればいいのに…私に気を遣わせないようにそう言ってくれてるんだね…
「そもそも私は一夏と違い、友人の姉として、そして大人としてあの状況に一石を投じる事だって出来た筈だ…今日まで問題を放置していた私には責任がある。」
「千冬、それは…」
「良いんだ…私は知っていたんだ…弟の友人が家で扱いが余り良くない事を知っていた。だが今日まで私は何もしなかった…私には問題を解決する義務がある…」
「千冬姉、そんなに思い詰めるなって。弾はそもそも気にしてすらいないだろうし…つーか明日はそんなに深刻な話にはならないんじゃないか?厳さん、結構頑固だけど真面目な人だし、ちゃんと■■さんの言ったことは伝わってるって。」
「そうかも知れんな…」
「そうだと良いけど…」
「■■さんは厳さんと交流無いからな。大丈夫だよ、多少過激な所もあるけどあれでも話は通じる人だからさ。」
…一夏君の言う事を否定したいわけじゃないけど…私は何か嫌な予感がしていた…何となく今回の話はそう簡単に終わらない気がしている…本当に何事も無いと良いけど…