千冬と友だちになった事で日常に変化は無かった…という事は無い。彼女自身もそれなりに整った容姿をしていて、女子の中では浮いてた様で…最も彼女の場合、私と違い直接手を出される事は無く、無視されているだけの様。
私は彼女と友人として付き合う様になったお陰で虐められる事は無くなったが、元々いた友人も私の元に来なくなった。…でも、私は気にならなかった…千冬がいればそれで良かった。
「千冬、帰ろう?」
「ん?■■か。構わないが束が一緒でも良いか?」
「うん。大丈夫だよ。」
……篠ノ之束は千冬の唯一と言っても良い友人で、本人は親友を自称している。
「もう!■■ちゃん!?ちゃんと聞いてるの!?」
「ちゃんと聞いてるよ…でも私にはちょっと難しいかな…」
小学生にしては堅い喋り方をする千冬とは正反対の束…天真爛漫な彼女がこうして私と千冬の間に入る形でこうして喋ってくれるのはありがたかったりはする…当初は千冬に近付こうとしてる私を目の敵にしてるみたいだったし、千冬と二人きりになりたい私からしたら邪魔に思う事もあったけど…今はこうして色々話してくれるのが嫌では無かったりする。
……いや、そもそも良く考えたら千冬と二人きりだと緊張して私は一言も喋れないだろうし、千冬は自分からはあまり喋らないし…それに彼女の話は中々に興味深い。
「大丈夫!分かる様に何度でもちゃんと説明して「束、お前の説明は多分課程をすっ飛ばしているから誰が聞いても分からないと思うぞ」え~!?」
うん、そうなんだよね…束の場合難しい用語とかの説明とかを一切しないで内容を話すから正直、半分も理解出来ないんだよね…
「だって~!面倒だし「その時点で説明する気が無いと言ってる様なものだぞ」ぶー!」
……束は私たちにはこうして子供らしい振る舞いをしているけど、クラスではいつも千冬と同じく孤立していて、稀に誰かが話しかけても無視するか、かなりつっけんどんに返すのだとか…更に言えば束は容姿の良さも然る事ながら成績もかなり良いらしいから余計に嫌われているみたい。
「まあ私は内容は理解出来なくても、束の夢は応援してるからね?千冬もでしょ?」
「まあな。」
束の夢…それは”自力で”宇宙に行く事…それがどれほど難しい事なのか私でも少しは分かる…でもその途方も無い夢も束なら実現出来るんじゃないかと思った…所詮まだ小学生だし、数年もしたら諦めてそうと思わなくも無いけど…でも、本当に実現するなら見てみたいと思った。
「うん!ありがとうちーちゃん!■ちゃん!」
束が抱き着いて来て千冬は避けたが私は避けきれず、そのまま二人で地面に倒れ込んだ。
……私は束の夢が実現するならこの目で…見てみたい…千冬と二人で。