ネタ帳   作:三和

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親友の妹に転生しました84

「ねぇ?アレ千冬だよね?」

 

「……やっぱり分かるか。」

 

私はその日千冬を家に呼び出した。

 

…今、テレビでは何処のチャンネルも同じ物を映していた。

 

世界の主要都市に向かって撃ち出されたミサイル…それはあろう事かそれぞれ自国の軍事基地から発射された物だった。

 

ネットワークの知識が無ければまるで機械が自殺をする為に誤作動を装い起こした事件の様に思えてしまう…まあもちろん原因は別にあったけど。

 

「ハッキング、ね…束の仕業だったり?」

 

「本人は否定していた…私は取り敢えずアレを纏って出て欲しいと頼まれただけだ…一刻の猶予も無いとか言われてな。」

 

各国の軍事基地のコンピュータが外部からハッキングされ撃ち出されたミサイル…それを人型の機械…世間では白騎士なんて言われてるそれが…剣で一本残らず斬り裂いた。

 

「束がそう言ってるなら私は信じようかな。」

 

「私としてはあんな事が出来るのは束ぐらいだと思ってるんだがな。」

 

「ハッキングするだけなら別に束でなくてもできるでしょ。」

 

「それは…そうかもしれないが…」

 

「確かに動機はあるけどね、束が作った例のパワードスーツのお披露目には絶好の舞台になったわけだし…」

 

「着たのは私なんだがな…そう言えば何でアレが私だと分かったんだ?」

 

「……束が協力を頼みそうなのって私か千冬くらいしかいないし…」

 

「確かに「後、あんなに人間離れした動き出来るのなんて千冬しかいないでしょ」……」

 

白騎士はミサイルを全て斬り払った後、事態の収拾にやって来た戦闘機のミサイルまで斬り捨てている。機銃に至っては空中とは思えないほど機敏に動き、躱している。アレが人なら普通の人間には先ず真似出来ない。

 

「まあそもそも白騎士の太刀筋が明らかに篠ノ之流だしね。少なくともこれで第三者に頼んだ可能性は消えるんじゃないかな。」

 

「……先にそれを言って欲しかったな。」

 

篠ノ之家は神社の神主…所謂神職を務めると同時に剣術道場をやっている。戦場で生まれたという実戦剣術…あそこまで使いこなせるのは束の父親の篠ノ之柳韻さんと千冬しかいないと思う…束は両親のどちらとも仲が悪いからね…そういう意味でも千冬しかいないと思う。……そもそも私が千冬の動きが分からない訳無いんだけどね。

 

「大体、人間離れは無いだろう?お前でもアレくらいなら出来るだろう?」

 

「いや、私あんな事出来ないって。」

 

剣道としてなら柳韻さんからもお墨付き…ただ、実戦であそこまでやれるかって言われたらとても無理。

 

「それにしても…これでとうとう夢の第一歩を踏み出したんだね束は。」

 

私の知る限り小学生の時からだから、本当にここまで長かった

 

「……そう楽観的にはいられないだろうな。」

 

「えっ?」

 

「束は宇宙での活動用としてあのスーツを作った…学会では笑い物にされたらしいが、これで証明した訳だ…成層圏であそこまで動けるスーツ…確かに画期的だろうな。私の方も違和感は少なかった。」

 

「うん、だから束の目的は果たせた筈だよね?」

 

「各国は挙ってアレを欲しがるだろうな……兵器として。」

 

「でも…だって束は…!」

 

「私がやり過ぎたのかもしれないが…軍事基地から放たれた大量のミサイルを全て斬り捨て、戦闘機から撃ち込まれたミサイルまで全て斬り捨て、機銃まで躱す…ある程度鍛えた人間なら誰でもアレに近い事は出来るわけだ…これは一軍を単騎で壊滅出来る最強の兵士が作れるという事に他ならない。」

 

「そんな…」

 

「これから先どうなるかは私にも分からん…人間がそこまで愚かだとは思いたくないがな、各国がアレを纏った兵士を使って戦争してみろ、多分泥沼になるだろうさ。」

 

「そうだ…!束「駄目だ。ほら、携帯には私もかけてるんだが出ない」束…」

 

「あいつが身を隠す気なのは明白だ。元々、夢の障害になり得ると判断して両親や妹とも距離を置いていたからな、有象無象が自分の夢と関係無い欲望を持って寄って来るようならあいつは雲隠れするだろう…そういう奴だ。」

 

「でも…何で私や千冬の「分からないか?」えっ…」

 

「私たちに迷惑をかけないためだ。あいつらしいな、本当に。」

 

千冬が立ち上がった。

 

「千冬、何処に行くの…?」

 

「一度家に帰る…後で一夏を寄越すから今夜…いや、二、三日この家で預かってくれないか?」

 

「ちょっと待ってよ!何処に行くの!?」

 

「私も万が一の事を考えて一応身を隠す。あいつは私が関わった痕跡なんて残して無いだろうが、念の為だ。」

 

「千冬…」

 

「一夏の事、頼めるか?」

 

そんな目で見られたら断れないよ…

 

「分かった…ちゃんと帰って来てよね?一夏君の家族はもう姉の貴女しかいないんだからね?」

 

「ああ。分かっているさ、必ず戻る。」

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