改めてモンド・グロッソのルールを調べた私はこれは千冬が言った勝ち方では勝てないんじゃないかと不安になった。
モンド・グロッソにて行われるISの試合ルールとして勝敗は基本的にISに設定されているシールドエネルギーがゼロになった者が負け、というルールである…少なくとも一撃で終わらせる事はいくら千冬でも無理な筈…更に言えばルール上、射撃武器を使う事も認められている、というか多分剣以外使う気無いのは千冬だけ…
一撃で終わらないなら千冬は剣を当てた直後に相手からのカウンターの射撃で沈む…
私は時計を見ながら選手として強化合宿に入った千冬の所に電話をかけた。
「そういうルールなのは私はちゃんと把握しているが?」
全く慌てる様子の無い千冬に少し苛立ちを覚えながら私は言った。
「なら、どうするの…?」
「私はこっちに来る前にお前に言った方針を変えるつもりは無い「いや、だからそれじゃ勝てないんだってば!」いや、本当に大丈夫なんだ。今はお前にも詳しく言えないが私には秘策がある。」
「どうしても言えないの…?」
「すまんな…その代わり当日は楽しみにしててくれ。見て損をするような試合をするつもりは無いからな。」
電話越しでも分かる…千冬は私に楽しみにしていろと言いながら自分が一番昂揚してる…本気であの方法で勝つつもりなんだね…負けるとは微塵も思ってない…他の人なら不安になるけど…千冬は本当に勝てると思った時しかここまで断言しない…それなら私がする事は…
「分かった…信じるよ、当日になれば分かるんだよね?」
「そうだ。だからお前は何にも気にせず一夏と一緒に私の応援をしてくれたら良い。」
そう、それが私のする事…でも、ね…
「千冬の中で勝利が確定してるなら私の応援なんて必要なのかなぁ…」
当日何があろうと千冬の応援をするのに否やは無い。でも、ちょっとくらい、さ…
「何を言ってる?ああは言ったが結構大変なんだぞ?人より速く動くと言うのは…お前や一夏が応援してくれるから私は頑張れるんだ。」
「……うん、そう言ってくれると嬉しいかな。」
実際は嬉しいなんて物じゃない…動悸が治まらないし、何か顔が熱いよ…多分フォローはしてくれるだろうと思って言ってみたけど…まさかここまで千冬が言ってくれるなんて…!
「さて、そろそろ「あっ、ちょっと待って」ん?」
「私ばっかり話しちゃったからね、一夏君に代わるからさ、あまり時間無いだろうけどゆっくり話して。」
「そうか、すまないな…なら…代わってくれ。」
「うん。少し待っててね…」
私は一夏君を呼びに、部屋に向かった。
「■■さん?お~い…」
「えっ…?何…?一夏君…?」
「いや、風呂沸いたってさっきから言ってるんだけど…」
「あー…ごめんね?」
「千冬姉、何か言ったのか?」
「うん、ちょっとね…」
「あー…それは良いけど早く入ってくれな。」
千冬が向こうに行ってる間、一夏君は私の家で暮らしている…別に良いよって言ってるんだけど、こうやって率先して家事をやってる…さすがに週の内、半分は私がやってるけど。
「前にも言ったけどそんなに気を遣わなくて良いんだよ?お風呂ぐらい先に入っても良いんだからね?……それとも何なら一緒に入る?」
「え!?いっ、いや…良いって…!」
……比重は千冬の方が上ではあるけど一夏君の事も嫌いじゃない。というかこういう反応が可愛く見えてついからかいたくなるんだよねぇ。