ネタ帳   作:三和

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親友の妹に転生しました96

『そうか…一夏がISを…』

 

三人での話し合いが済んだ後、私は兄に電話をかけていた…

 

 

 

本来この一件、どう考えても電話をするなら千冬が先だと思う…でも…

 

「それで?共同開発者としてはどう思うの?」

 

『……何度も言うが、私は精々、一言二言助言しただけなんだが…』

 

そう、私が中学に入る頃にはすっかり私と兄はろくに口も聞かなくなっていたが、ちょうどその頃…束はずっと私の兄と連絡を取っていたらしい…何をしていたのかと言えば…

 

「束曰く、『理論の四割くらいは■くんが口出ししてるよ~』って聞いてるけど…」

 

頭が良いのは知っていたけど…まさかあの束の超理論を理解して、助言出来る程に自分の兄が天才だとは思ってもみなかった…

 

『…彼女は多少理論に穴があっても無理矢理進めようとするからな…お前の友人という事もあるし、そのままにもしておけず少し口出ししただけなんだが…』

 

「じゃあ完成させるとも思って無かったとか?」

 

『…いや、それは無い。私が仮に何も言わなかったとしても彼女は何れ完成に漕ぎ着けていただろう。彼女はそれだけの頭脳と情熱があった…私はどうしても打ち込める物が無かったからな、少し羨ましくもあった。』

 

「……勉強は?」

 

『別に好きだった訳じゃない。他にやる事が無かったからな。』

 

やる事なんて…探せばいくらでもあったでしょうに…まあ、だから一流企業の推薦蹴って、普通の会社に入るとか、反動で捻くれた行動取ったんでしょうけど…

 

『で、私の昔話をしたい訳じゃないだろう?』

 

そうだった。

 

「私が聞きたいのは兄さんの意見。何で一夏君がISを動かせたのか?それだけ聞きたいの。」

 

電話口で唸る声が聞こえる…この人がこんなに悩むなんて…

 

『…そもそも、宇宙空間で活動する為だけに作られたスーツが女にしか動かせない、という時点で欠陥品だろう。バランスを取ろうとしたのかもしれんな。』

 

「……は?」

 

兄は昔から言葉足らずというか、抽象的な表現が多い…その訳分かんなさが一時期距離を置いた理由の一つだったりする…後は千冬の事に関して中学生の私に『襲え。若しくは誘惑しろ(要約)』とせっついて来るから……まあ、それでも高校卒業する頃には和解した…両親がフランスに行っちゃったから…そういう理由もあるかもしれないけど。

 

「それは…もしかしてISに意思があるって言いたいの?」

 

『私はそう考えている。まあ、何故女性ばかりを選ぶのかは知らんが。』

 

「兄さんも展開出来ないもんね。」

 

『まあな…動かせる様なら私も一夏の相談に乗ってやれるんだかな…』

 

「……」

 

全力で止めた方が良い気がする…正直何を言い出すか…両親が向こうに行って以来、千冬や束に言えない事は兄に相談して来たけど基本真面目で、的確なアドバイスをしてくれたりするけど、時々真顔で斜め上の事を言って来るから…特に千冬と私の関係については酷い…聞いてもいないのに勝手に言及して来て、多少内容が変わっても結局は先の二択しか言わない。

 

……そろそろ良い歳なんだから自分の事考えたら良いのに。

 

『ところで、お前たちはこの事を黙っておくつもりの様だが…』

 

「やっぱり不味い?」

 

『当然だ…少なくとも姉の千冬には伝えるべきだ…お前の事だ、今更ISの練習をしていた事がバレるのは仕方無いと割り切ってるんだろう?』

 

「……私たちが黙っていても貴方が伝えるよね…?」

 

『ああ…だが、私はお前の口から伝えるから意味がある…そう思っている…』

 

「……分かった、ありがとう…忙しいのにごめんね?」

 

『気にするな、妹からの相談事だ…増してや一夏も私の弟分だからな、迷惑だとは思わん…何かあったら夜中でも良い、何時でも電話して来い。』

 

「うん、じゃあね。」

 

携帯のボタンを押し、電話を切る…

 

「どうだった?」

 

「兄さん曰く、IS自体の意思じゃないかって。束はどう思う?」

 

「それは…ISに本当に意思があるかって事…?う~ん…作った時はそんな風には感じなかったんだけど…後でコアネットワークを調べてみるよ。何か痕跡があるかもしれないから。」

 

ISはコアが中枢で、コア同士は相互通信出来る様になっている…これによってIS同士が通信出来たり、他にも色々出来るらしいけど私にはそれ以上は良く知らない(説明されたんだけどあんまり理解出来なかった)束は設計者だから当然ここに外部からアクセス出来る。

 

「でもやっぱり■くんは頼りになるね♪」

 

「そうなの?私からしたらただの変人だけど…」

 

「そう言いつつ、■ちゃんも色々相談したりしてるでしょ?」

 

「まあ…確かに…」

 

まあ…たまに変な事言うけど、基本的には真面目な人だし…

 

「そう言えば…一応聞いてみてって、頼んだの束さんだけど…良かったの?」

 

「何が?」

 

「いや…だって■くん、絶対にお父さんとお母さんに言うよね…?」

 

「あっ!?」

 

ヤバい!

 

「……一旦家に帰る?」

 

「そうする…」

 

一夏君を千冬共々、兄と私に続いての自分たちの子供の様に思っているウチの両親は今回の一件を知ったら絶対にフランスから私の部屋に来る…一応兄に電話して止めようとしたけど話し中だった…多分もう連絡してるね…両親の来訪をもう止められないと判断した私は取り敢えず自分の部屋に戻る前に千冬に連絡する事にした…兄さん…せめてもう少し待ってくれたら…これじゃあ私に選択権無いじゃない…

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