「どうも…お久しぶりです。」
「ああ。」
加賀と別れ、叢雲を何とか宥め、眠りについた俺は次の日、執務室で来客を迎えていた。
「相変わらず軍服か、赤城…艦娘として活動出来る様になったんじゃなかったのか?」
「出来ますけど、やっぱり私はあの人の下にいる方が性に合ってまして。それに…結構便利なんですよ?階級の事もあり、視察に行った先ではあることないことベラベラ喋ってくれる人が多いんで。」
「…夕立に任せた方が良いんじゃねぇか?お前、誰にでも素で接するんだろ?」
「…ここまで砕けてるのは貴方だけですよ。後、彼女は向いてないですね、ああ見えて短気なんで。」
「見たまんまじゃねぇか。つか、お前よりは遥かにマシだろうが。」
「そうですか?」
「当然だろうが。この狂人が。」
「そこまで言います?これでも行った先の評判良いんですけどね~…」
「幹部もそうだが多くの提督が節穴なのが良く分かるぜ…」
「…で、何の用なんだ?あの頃よりマシだが見ての通り俺は忙しいんだよ。」
「…ここの艦娘を見に来たんですよ。後は…また一勝負しません?」
「断る…何か妙な気分だな…」
「あら?何がですか?」
「…昨夜、お前らと初めて会った時の事を夢に見てな。」
「それはそれは…楽しかったでしょう?」
「冗談じゃねぇ。アレは一生忘れておきたいトラウマの一つだ。」
散々泣いた上、奇行に走ったせいもあるがな…
「残念ですね…私としては一生を捧げられるパートナーに会った気分だったんですけど…」
「いきなり引き絞った弓矢向けられる気分…お前に分かるか?」
そう言うと赤城は首を傾げ、頬に指を当てて考え込む…少しして…
「…楽しそうですね。」
「そう言うと思ったぜ。」
やっぱりこいつはイカれてやがる…
「艦娘の練度が見てぇなら勝手に見て来な、ちょうどやってる筈だ。」
「あらあら…では何故貴方はここに?」
「そっち方面は今も素人なんだよ、基本的に叢雲に任せてる。」
「幹部会に乗り込んで意見具申した方の言葉とは思えませんね。」
「ありゃただの飲み会だったじゃねえか。それに俺が言ったのは無線の有用性だ…嘲笑されたがな。」
あの時爺さんが止めてくれなかったから俺は連中の頭を一升瓶で殴り付けてたろうな…
「私は正しいと思いましたけどね~…」
「お前が認めてくれても状況は変わんねぇよ…つか、お前だって暇じゃねぇんだろ?さっさと行けよ。」
「そうさせてもらいますね…夜、時間空けといて下さいよ?」
「……命を賭けなくて良いなら付き合ってやるよ。」