「やっぱり断りますか「勘違いすんな」…どういう事でしょう?」
「個人的に嫌なのは認めるが、何もそれだけで言ってんじゃねぇよ。」
「では、何でしょう?」
「その前に一つ聞かせろ。…お前…さっきの話で意図的に省いた部分…有るよな?」
「…何の事でしょう「惚けんな、だから俺はお前が嫌いなんだ…連中は今派閥に入ってる…違うか?」…さすがですね。」
先の話に出た提督たちと俺は現在連絡を取っていない…いや、取れない。その理由は単純だ…向こうがこっちとの接触を避けてるからだ…
「今上にいる連中は軍人って言うよりは思想は政治家寄りだ…そこに生じ軍人としての思慮があるから厄介だ…」
「……」
「先の繰り返しになるが…上の粛清は終わってねぇ…この国を憂うあまりに危険思想に傾倒してる奴がそれなりにいるからだ…こいつらを俺を含めた若手の誰かに相手させるつもりか?」
「少なくとも貴方は問題無いかと。」
「けっ…この盗聴器の量見りゃ分かんだろ、俺を冷遇する奴は確かにいないかも知れない…だが、疎んでる奴は確実にいるんだよ。俺が上に立ったらどれだけ荒れると思う?」
「そうですが…それなら私から一つ良いですか?」
「何だ?」
「楽しみましょう…それを含めて…私は貴方とならまだまだ楽しめる…そう思っているから貴方を推しているんです。」
「……そうだったな…俺の周りで一番の危険人物はお前だったな…日本の艦船の生まれ変わりでありながら…」
「自覚はありますよ。私はこの国の行く末なんて興味ありません。ただ、楽しければ良いんです…平穏より、動乱を…秩序より、混沌を…それが私の目的とする所です。」
「だから、一番場を引っ掻き回せる俺の下に着きたいわけか?」
「貴方が仮に何もしなくても勝手に問題の方から寄って来ますよ…上に着けば。」
「断る…と言っても任命されたら断れねぇよな…」
「ええ。決めるのはあの方ですから。」
「じゃあこれは皮算用の域を出ねぇな「でもあの人も貴方を選ぶと思いますよ?」…お前が暴走するのを分かっていてか?」
「それも今の停滞しきった状況には必要と思っての事です…何も無いなら有った方が良い…そういう事です。」
「爺さんもいよいよ耄碌したか「あ、それと」あ?」
「これは暴走じゃありません。平常運転です。」
「上の言う事を聞かない部下のスタンスが平常運転か…最悪だな。」
「貴方よりはっきり言う私の方がマシでは?」
「お前は単に嘘をつかないだけで、都合の悪い事は言わねぇじゃねえか。」
「聞かれたら答えますよ?…もちろん上っ面の範囲で。」
「……本当に国を憂うなら真っ先にお前を切るべきだったな…ま、俺も軍人としては半端だし、面倒だからやらないが…もっと言えばこの国がどうなろうが今更知った事じゃねぇし。」