ネタ帳   作:三和

91 / 837
傍受マニアの艦これ23

修復された要人用の部屋では無く、普段俺の寝ている寝室に堂々と向かう赤城に溜め息を吐きつつ、酔い醒ましに夜風でも浴びようと執務室を出る…

 

 

 

外を出れば廊下の電気は最小限にしてあるものの、艦娘用の部屋からはまだ声が聞こえる…

 

あの頃仮に…と言う事で建てられた艦娘寮は人員が増えた事で既に手狭になり、無駄に部屋数だけはあったこの建物も修繕が進んだ事で、ここでそのまま生活する者が大半になった…その癖、俺は別に消灯時間などのルールを一々設けて無い為、こうして夜中でもそれなりに声が響く…

 

 

……しかし…今日のコレはさすがに五月蝿過ぎだな…

 

俺は一際声の響く、部屋の前に立つ…この時間もう寝てる奴もいる筈だ…柄では無いが、注意ぐらいはしておくか…俺はドアをノックした…

 

「はいなのです。」

 

「俺だ…」

 

「司令官さんなのですか?今開け「開けなくて良い…俺は注意しに来ただけだ…」え?」

 

「何を盛り上がってるのか知らねぇが、今は夜中だ…喋るなとは言わねぇが、もう少し声のボリュームを抑えろ。」

 

「はい…ごめんなさい…」

 

「じゃあな…」

 

俺は部屋のドアから離れ、また廊下を歩き出した…

 

 

 

タバコに火をつける…

 

「ふぅ…」

 

「あら?」

 

「あ?」

 

声が聞こえ、そちらを見てみれば…

 

「龍田じゃねぇか。」

 

「提督…」

 

「何してんだ?」

 

「ちょっと…眠れなくて…」

 

「お前がか?」

 

「そんなに不思議かしら?」

 

「天龍からお前は横になったらすぐ寝る、と聞いてるからな。」

 

「そう…私だってそう言う気分の時はあるわ。」

 

「……そうか、邪魔したな。」

 

あれから随分経つが、俺は未だにコイツが苦手だ…殺されかけたからではなく…コイツの場合…

 

「そう露骨に避けなくて良いでしょう?あの頃の話ならちゃんと謝ったじゃない?」

 

「……それが既に有り得ないんだがな…」

 

コイツは多くの艦娘が俺に不穏な疑いを持つ中、真っ先に俺に謝罪して来た…つまり…

 

「はっきり言ってやる…俺はお前を信用出来無い。」

 

「……」

 

爺さんと赤城が俺の正体を明かす前に…コイツは俺の正体に辿り着いていた…

 

「天龍の為なら手段を選ばない上、元々俺から見てお前は得体の知れない奴だ…信じる方がどうかしてる。」

 

「味方が多い方が良いとは思わない?」

 

「今更一人増えたって変わんねぇよ。」

 

「私たち、上手くやれると思うんだけどな?」

 

「お前に手を貸すくらいなら、赤城と組んだ方がよっぽどマシだ…」

 

「海軍トップの座はそんなに魅力的だったり?」

 

「チッ…聞いてやがったのか…」

 

「バッチリとね♪」

 

「……聞いてたなら分かんだろ?俺は受ける気はねぇよ…ただ、お前と組むよりは良いと思うがな…」

 

「あ~あ…嫌われちゃった…」

 

「ふん…」

 

俺は口から吐き捨てたタバコを踏み消し、中に戻る事にした…

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。