「…その、ごめんなさい…まさかお兄様のお知り合いだったなんて…」
「知り合い…と言う程の者じゃないがね…まっ、付き合いは長いがな。」
サーゼクスから話を聞いたリアス・グレモリーが頭を下げるのを制す。…早く帰りたいんだが…
「…詳しい話を聞きたいなら後日でも良いかな?家族を家に待たせてるから今日はこれで帰りたいんだ。」
「えぇ…さっきの番号に連絡すれば良いんですね?」
「…そうだな…あー…取って付けたような敬語は要らんよ。堅苦しいのは苦手でね。」
「…そう?それなら普通にするわね。」
「…さて、獲物を横取りしたお詫び…と言う事でもないが、一つアドバイスと行こうか。」
「…何かしら?」
「…力の使い方を覚える事だ。お前の使うその力、強力だが、お前が未熟なせいで振り回されている…。」
「……」
「年寄りの要らぬお節介と思って聞き流してくれても構わないが、心の内には留めておくといい。取り敢えず、そうだな…せめて的には確実に当たるようにしておけ。」
先の小手調べの際、私は敢えて躱したが…あれでは躱す必要も無かったのが正直な感想だ。…何せ私の動きを捉えられず在らぬ方向に飛んで行っていたからな…。
「…分かったわ。…最後に一つ良いかしら?」
「…何かな?」
「年寄りって言ってたけど貴女、本当はいくつ位なの?」
難しい質問だな…私は一般的な転生者と違ってこの姿でこの世界に来たから正確な年齢が判断出来ん…クレイモアは基本不老不死で見た目が変わらんしな…まあ私が言ったんだが…
「…口に出した私が言うのも何だが…同性とは言え、女性の詮索をあまりするものじゃないぞ?」
「…そうね。ごめんなさい。」
「…強いて言うなら…サーゼクスたち現魔王連中とは割と長い付き合いだとだけ言っておこう。」
「…!…そう…それだけ聞ければ十分よ。」
「…ではここで失礼する。…ここが私の住むアパートなのでね。」
私は同居人と暮らすアパートを手で示す。…すっかり遅くなってしまったな…クレアの奴、へそ曲げて無いと良いが…。
「分かったわ…本当に今日はごめんなさい…。」
「だから気にする「テレサ~!」…と。」
走って来た小柄な影を受け止める…どれ、頭でも撫でてやるか。
「もう!遅いよテレサ!」
「ははは…すまんな、ちょっとアクシデントがあって…あー…紹介しよう、私の妹のクレアだ。」
「…リアス・グレモリーよ、宜しくね。」
「クレアです!宜しくね、リアスお姉ちゃん!」
…先程の険しい顔から一転して口角の上がるリアス…こうやって愛想を良くして人の懐に入り込むなんてのは私には出来ない芸当だ。…クレアはこれを素でやってるんだから本当にとんでもないな…。
「…クレア、リアスはサーゼクスの妹なんだ。」
「そうなんだ。サーゼクスおじさんには良くお世話になってます!」
「…そうなの。」
そう言って軽く談笑を始める二人…丁度良い…原作に関わるつもりは無かったがどうせこうなっては仕方無いしな…
「…リアス、この後特に用は無いのか?」
「え?別に無いけど…」
「家に寄って行かないか?」
「…!いやさすがにそんな訳には…」
「私、もっとお姉ちゃんとお話したいなぁ…」
「…分かったわ、それじゃあ少しだけ…。」
私はリアスを家に上げることにした…。