普通に仕事と用事で更新滞っちゃったよ。
それと一応オリモブが登場しますが、そこまで重要なキャラとかそんな事はありませんので悪しからず。
ーside千冬ー
「無駄口を叩くな。兎も角、オルコットはちゃんとピットまで運ぶんだぞ、良いな・・・・はぁ~あ。」
そう言いつけ秋風へと繋げていた通信を切り、私の口からは自然と疲れた溜め息が漏れた。
それはイギリスの代表候補生であるオルコットに勝利した事か?
それは一個人が複数のISコアを所有している事か?
それとも・・・・
「・・・・全く。どうして私のクラスには問題児ばかり集まるんだ」
自分で言っておきながら、再び溜め息が零れる。
分かっている。いや、薄々気付いてはいた。適性検査後に身柄を抑えようとした者達を力で捩じ伏せ、そして入学試験を数分と掛からず終わらせた、その得体の知れなさ。
そんな者がこれから一夏と戦い、そして私のクラスの生徒だと言うのだ。
・・・・はっきり言って、前途多難だ。そんな者を任されたこっちの身にもなって欲しい。
「山田先生。織斑の最適化はまだ掛かりますか?」
「いえ、大丈夫です。後5分程で全ての処理が終わります」
「そうか。ならそのまま進めてくれ」
後5分。それで一夏の専用機も準備が終わる。そうなれば次は一夏と秋風の試合になる訳だが・・・・ 正直、これは見るまでもなく勝負は決しているだろう。
間違いなく、一夏では秋風に勝てない。代表候補生のオルコットとはまた別に、奴の戦いに関する実力は未だ底が計れん。
何より、一夏と違って秋風は
「・・・・はぁ~あ。この前の様にならなければ良いが・・・・」
そう誰にも聞かれぬようボヤき、思い出すのは一週間前の事・・・・ そう、あの入学試験の事を思い出していた。
ーside千冬 outー
ーーーーーーーーーーーーー
ーー 一週間前 入学式当日
「これは、どう言う事だ・・・・?」
私は今、目の前の光景に自分でも分かるくらい大きく目を見開いているだろう。
二人目の男性起動者。その彼の入学に際し彼には今、入学式ではなくISによる入学試験を受けてもらっている筈だった。
筈だったと言うのも、私の方に少々急用が出来てしまい試験に立ち会う事が出来なかったからだ。
その為、彼の試験には別の教員に試験官を頼む事になっていたのだが・・・・
「何故、試験官が山田先生ではない? それに、どうして二年担当の朝倉先生が・・・・?」
目の前に広がるのは、私が予想していた相手とは別の教員が、噂の彼を前に膝を着いている光景だった・・・・
試験に使われた打鉄も装甲がボロボロに傷付き、機体の各部からは煙が上がっている。
対して噂の彼・・・・『秋風 和也』は、
・・・・いや、向けてるよな? フルフェイスだから分かり難いが、向けてるよな?
何故か、フルフェイスからの視線が朝倉先生の胸元を見てる様な気がしなくもないが・・・・ まぁ今は良い。
「こちら管制室の織斑。朝倉先生、試験は終わりましたね?」
『お、織斑先生!?』
「朝倉先生。何故あなたが試験官をしているのかは疑問が残りますが、追及はしません。それで、その様子では試験は終わったんですね?」
私からの質問に朝倉先生は答えない。代わりに悔しさを噛み締める様に管制室側から顔を背けた。
恐らく、朝倉先生は答えたくないのだろう。彼女は所謂、女尊男卑の風潮に染まっている人間だ。そんな彼女にしてみれば、男に負けたなどと認めたくはない筈だ。
しかし、勝敗の結果はこの現状がはっきりと物語っている。
「・・・・聞こえるか秋風? 試験は終了、早く更衣室で制服に着替えてアリーナ前へ来い」
『・・・・なんだよ、随分と急かすじゃねぇかちーちゃん?』
「織斑先生だ。入学式も終わり、そろそろSHRも始まる。その後には授業も始まるからな、私が教室に案内してやる」
『いっそ、不合格にして帰るって選択肢は?』
「あるか馬鹿者。ふざけたこと言っとらんで、早く着替えて来い」
『へーへー』
そこまで言うと秋風はISを展開したままピットへと戻り、フィールドから姿を消した。
後に残ったのは傷付いた打鉄を纏ったままの朝倉先生のみ・・・・ なら今の内に聞いておくか。
「朝倉先生。どうしてあなたが秋風の試験官をしていたんです? 確か試験は山田先生に代役をお願いしていた筈ですが?」
『そ、それは・・・・』
ふむ。言い淀むと言う事はやはり、試験にかこつけて秋風をいたぶるつもりだったか・・・・
確かに今までISを使える男が居なかった以上、今回入学して来た者達はISに関して知識の薄い初心者であると考えるのが普通だ。実際、一夏も初心者である訳だしな。
だが、今回は相手が悪かったな・・・・ なんと言っても相手が男でありながら
「一応、試験自体は問題なく終わった様ですので、私の方からはこれ以上の追及も学園長への報告もしません」
『くっ・・・・!』
「・・・・では、私はこれで失礼します。お疲れさまでした」
学年が違うから、そう簡単に再会する事もないだろうが・・・・ 一応、朝倉先生の動きは此方でも監視しておくか。
間違って一夏へ標的を変えるかもしれないからな。警戒するに越した事はあるまい。
そう考え、私は朝倉先生を残し管制室を後にした・・・・・・
「ぬっ? 私の方が待たせたか?」
「いや、俺も来たばかりだ。タイミング的に丁度良かったんだろ」
管制室からアリーナの外へと出れば、着替えに行っていた筈の秋風が既に来て居た。
思わず待たせたかと思ったが、どうやらその心配はなかった様だな。
「では教室に案内する、付いて来い。ああそれと、教室に着いたら自己紹介くらいはする事になるだろう。今の内に少しは考えておけ」
そう言って歩き出すと、秋風は返事もせず小さく溜め息だけ吐き、私の後ろを歩き出した。
今の時間なら授業開始までには教室へ着けるだろう。そう思っていると不意に、ちょっとした疑問が浮かんだ。
「・・・・秋風、朝倉先生はどうだった?」
「あ? 朝倉?」
「うん? さっきまで試験をしていた朝倉先生だ。知らん訳でもあるまい?」
「・・・・ああ、あの胸だけは良かった巨乳美人か。話しすらしねぇ内に攻撃して来たから、誰の事か分かんなかったわ」
・・・・こいつ、本当に朝倉先生の胸を見ていたのか?
健全な男子としては仕方ないのかも知れないが・・・・ と言うかこいつ、隠すつもりすらないのか?
「・・・・まぁ良い。それで、朝倉先生と戦ってみた感想はどうだ?」
機体の性能差か本人の力量かは分からないが、こいつは試験で朝倉先生に勝っている。
しかも朝倉先生は女尊男卑の思想を持っているとは言え、昔は日本の代表候補生の肩書きを持っていた身だ。
と言ってもその思想がある為に日本代表になる事は出来なかったし、実力としても他の代表候補生達よりは劣ってはいたが。
「感想も何もなぁ・・・・ あんな錆びだらけな奴にどんな感想持てっての」
「錆びだらけ?」
どう言う意味だ? もしや朝倉先生が代表候補生だった頃の事でも知っているのか?
「俺の動きに僅かながら反応だけはしてた。けど、明らかに身体は付いてこれてねぇ。オマケに、微妙に機体に振り回されてるっての? 機体を使いこなせてなかったし、その事に自分自身で苛々してる感はしたからな。
結論として、『昔はそれなりに凄かったかも知れないけど、今は錆びれた奴』の典型ってのが感想だな」
好きに喋らせてみたが、随分と朝倉先生の事を見ていた・・・・ いや、観察していたと言った方が良いか?
兎も角、こいつの感想としては朝倉先生の実力はお眼鏡に適わなかった様だな。
しかも『今は錆びれた奴』か・・・・ その言葉は朝倉先生だけでなく、他の教員達にとっても他人事とは言えない言葉だな。
「そうか・・・・ なら、在学中にお前のお眼鏡に適う相手でも探してみるんだな」
「いや、なんでよ? 俺は別にライバル的な相手を探しに来てる訳じゃねぇんだが?」
「なに、言ってみただけだ。あまり気にするな」
とっ、少しお喋りが過ぎたな。あまりのんびりしていては授業に遅れてしまう、少々急ぐとしよう。
「・・・・まっ、悪い意味でお眼鏡に適う奴が居たら容赦はしねぇがな・・・・・・」
ふと秋風が何か呟いた気がしたがよく聞こえなかった為、私は気にせず教室へと少し早足に歩き出していた。
ーside千冬 outー
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ーside千冬ー
あの入学試験から一週間。秋風の戦いを直に見るのは今回が初となった訳だが、今の戦いだけでも朝倉先生が負けたのも納得がいっている。
正直に言って、強い。恐らくオルコット相手にもまだ本気は出していないだろうが、間違いなく一年の中で奴に敵う者はいないと確信出来る程に。
そんな相手と今から一夏が戦う・・・・ 姉としては負け戦に飛び込ませる様で心苦しくはある。
「・・・・織斑、準備は出来たな? まもなく秋風も出る、先にアリーナへ向かえ」
「ああ、分かったぜ千冬姉!」
「織斑先生だ、馬鹿者」
しかし、妙に一夏の気合が入っている気がしなくもない。
なんだ? 秋風の戦いに触発でもされたか?
「織斑先生、準備完了です」
「良し。ならば織斑・・・・行けっ!」
「おう! 織斑一夏・・・・『白式』、出る!」
そう言うと一夏は自身の専用機となった『白式』を展開し、アリーナの中へと飛び立った。
さて、結果は見えているかも知れないが・・・・ どんな終り方をするのか、見せて貰おうか。
ーside千冬 outー
GW期間中は基本的に仕事が目白押しなんで、また更新が滞ります。
GWなんてGW(グロッキーウィーク)ですよ・・・・
では、ターンエンド!