(  ̄▽ ̄)
ーside和也ー
金髪をピットのベンチに放り投げてから文月のSEを回復してから早10分。
俺は今、アリーナの中心で次の相手である織斑一夏が出て来るのを待っていた・・・・ 無論、ISは展開せずに。
「・・・・漸くご登場か」
そうしている内に、漸くお相手が反対側のカタパルトからご登場ときたもんだ。
初見の第一印象は白・・・・ どこか騎士を思わせる様な造形に、真っ白な装甲。それが最初に浮かんだ感想だ。
ただそれより気になるのが、奴さんから随分と気合が篭った雰囲気を感じるってとこか・・・・?
「随分と気合が入ってるみたいだが、どうし・・・・」
「和也ぁ! なんなんだよお前、あんな戦い方してぇ!」
「あん? 一体なん・・・・」
「俺はお前を許さない!」
「いや、だからなんのは・・・・」
「男として、俺はお前みたいな奴には負けないっ!」
・・・・えぇ~え。さっきからひたすら言葉を遮られたんだけど~・・・・?
「あのなぁ織斑一夏。せめて、ちゃんと質問くらい聞・・・・」
「女に暴力を振るうなんて間違ってる! だから俺がお前の間違いを正し・・・・」
「いい加減に聞けやテメェ!?」
俺まだ二言しか言い切れてねぇんだぞ!? 会話のキャッチボールする気ねぇのかよっ!
「でっ! 一体何をそんな怒ってんだよテメェはっ! こっちにしてみりゃ、いきなりいちゃもん付けられてんだぞ?」
やっと聞きたい事を喋れた・・・・ つか、出てくるなりなんでいちゃもん付けられなきゃいかんのか。
「それはお前が、オルコット相手に卑怯な真似をしたからだっ!」
・・・・はぁ? えっ、なに? どう言う事?
「・・・・よぉーし分かった。先ずは落ち着け、そして順を追って話せ。俺からの質問はそれからだ」
正直、既に訳が分からん。わざわざ時間稼ぎまでやらされて、なんで俺が卑怯な真似したとか言われなきゃならんのか・・・・ 取り敢えず、奴の話しはこうだ。
曰く、俺が金髪に殆ど攻撃しなかったのが男らしくない。
曰く、攻撃し始めたら始めたで一方的過ぎる。
曰く、トドメに爪による攻撃は女相手にするもんじゃない。
曰く、俺は卑怯な戦い方をした上に、女に接近戦かました男として最低な真似をしていた。
・・・・・・おう。
「お前・・・・本格的に脳ミソ沸いてんじゃねぇか?」
「っ!? なんだとっ!」
いや、そう言いたくもなるだろ普通?
攻撃を避けるのは普通だし、隙を攻め立てるのは普通。格闘戦が出来んだから爪を攻撃に使うのも普通だし、戦い始めたら男も女もねぇだろうが・・・・?
因みに今までの会話、オープン回線でだだ流しだったからアリーナにいる観客全員に聞かれてる訳で・・・・ 殆どの奴等が呆れた様な反応をしてる。
「なぁ織斑一夏。正直言って、お前のバカ丸出しな戯れ言に付き合って頭痛いんだけど」
「だ、誰がバカだよ!」
お前だよ! お前以外の何者でもねぇよ!
あぁ、もう・・・・ 早く帰って風呂入って寝たくなって来るわ。
それくらい、こいつの相手はタルい!
「最初は初心者だから、少しくらい指導込みで相手してやろうとか考えてたが・・・・ もうメンドくせぇ。『皐月』、潰すぞ」
そう呟けば右耳に付けたカフスのひとつが反応し、俺の全身にISが展開される。
金髪相手に使った『文月』とは違うが、例に漏れず
丸太の様な両腕と両足。両手の甲には厚手のメリケンの様なナックルガード。剣道の胴の様な胸部装甲に、垂れの様な腰部装甲。バックバックにある9つのブースター。
そして拳闘士を彷彿させるであろうフルフェイスなのに、何故か淡い水色のカラーリング。
「来い、クソガキ。テメェ相手に武器なんざ使わねぇでやるよ」
「っ! ふざけるなぁーあっ!」
『あっ、ちょっ!? し、試合開始ぃ!』
あっ、そう言えば審判とか居たっけか? 忘れてたわ。
そんな事を考えてる内に織斑一夏は怒り心頭のまま、手にしたブレードを振りかぶって一直線に俺へと向かって来る。
はっ? 馬鹿なのか?
「馬鹿がっ!」
「ぐがああっ!?」
なんの捻りもなく突っ込んで来たから僅かに身体をズラしてボディに拳を叩き込んでやれば、織斑一夏は衝撃のまま声をあげシールドバリアの側まで吹っ飛んで行く。
ふむ? 敢えて生身部分を殴り付けてやったが、今の感じだと4割くらいしかSEも削れてなさそうだな。
搭乗者保護システムと絶対防御の同時発動で6割くらいは削れると思ったんだが・・・・
「ゲホッ!ゲホ、ゲホッ!」
「ほれ、余所見は禁物だ・・・・ぞぉっ!」
立て直す暇など与えない。瞬時加速で距離を詰めながら右腕を引き絞り、もう一度そのボディに一撃!
ドンッ!
「がぁあっ!?」
「寝るのは早ぇぞっ!」
肺の中の息を吐き出した所へ、次は左腕からの一撃をボディに喰らわせる。
そしてさらなる追撃に次は腕部のブースターを吹かし、拳を振るうと同時に腕部のブースターだけで小規模な瞬時加速を発動!
「っ!?」
続けざまに腹部へ強い衝撃を受け、織斑一夏の口からは最早声すらあがらない。
そもそも絶対防御が発動するレベルの一撃を都合四発も叩き込んでんだ。無防備に受けて耐えられる筈もない。
それに普通なら嘔吐してるだろう猛攻も、絶対防御と搭乗者保護システムのお陰で嘔吐にまでは至らない。ビバ、保護システム。
「が、あっ・・・・!?」
そう言い残すと織斑一夏は地面へと倒れ込みながら展開していたISを解除していく・・・・
SE切れと気絶の両方ってとこか? なんにせよ、まともな反撃も何も出来ず四発で撃沈とはな・・・・
「・・・・お~い、管制室。試合はどうなんだよ~?」
《・・・・えっ? あっ、ひ、白式SEエンプティー!
勝者:秋風 和也》
「まっ、そうなるわな」
管制室のアナウンスまで一瞬呆けてたみたいだが、それ以上に観客がヤバい。
殆どの奴が声を出すことすら忘れて唖然としてるし、それ以外の奴等はなんか敵意が篭った視線を俺に向けて来てるし。
・・・・まぁ、敵意の視線を向けてる奴等は女尊男卑主義者だってのが直ぐに気付けるがな。
とっ。それよりもう試合も終わったし帰って良いよな? ちょっくらちーちゃんに聞いてみよ。
「・・・・お~い。聞こえるかちーちゃん? 試合も終わったし、俺はもう帰んぞ」
[・・・・その前に、気絶した織斑をピットまで運べ。貴様にも確認したい事がある。それに、織斑先生だ]
「嫌だよメンドクセェ。そもそも、こいつのせいでこんな面倒な状況に巻き込まれてんだ。誰が世話なんかみっかよ」
それと、俺のちーちゃん呼びは諦めてくれ。呼び易くて楽だから。
[何? おい、秋風・・・・]
「つー訳で、今日はお疲れ~。そのまんま帰るわ」
取り敢えず声は掛けたから、無断で帰った訳にはなるめぇよ。
そう言う訳でピットとの通信を一方的に切り、俺は揚々とアリーナから帰路へと向かう・・・・
勿論ちーちゃんに捕まらない様に、金髪がいるピットからシャワー室すら使わず最短でアリーナは脱出した。
・・・・あっ。そう言やこれ、クラス代表を決める為の試合とか言ってたっけ?
面倒だから、負けた奴等に勝手にやらせとこう。
ーside和也 outー
これで和也のISで3機目が登場。
イメージ的にはなんて言えば良いかな? 脳内だと『サクラ大戦』の『神武・カンナ機』的な感じなんだけど。
(  ̄▽ ̄)
では、ターンエンド!