鈴の名前が間違ってた大罪。
ーside和也ー
ちーちゃんから今までの授業態度やら何やらを説教されてから訪れた放課後。何やら織斑一夏がクラス代表に就任した事でクラスメートがパーティーを開くと言う話を耳にした。
場所は寮の食堂、時間は19時。ふむ、場所も時間も実に良いチョイスだ。そして俺ものほほんや相川・・・・ああ、クラスメートの『
ただ、悲しきかな・・・・
「俺、寮で暮らしてないんだよね~」
俺、初日以降学生寮に入った事ないんだよね~。いやもう、誘って貰って悪いけど行けねぇんだよね。
で、今の時刻は19時ちょっと前。ちょっと放課後までちーちゃん、と言うか山田先生に課題を出されちまって、今しがた漸く解放されるに至ったって訳だ。誰にも聞かれてない説明終わり。ちょっと虚しい。
で、今は校舎から俺の寝床に帰ってる訳なんだが・・・・
「・・・・誰だぁテメェ?」
「ひっ! だ、誰よあんたぁ!?」
なんか、見たことない奴を見つけた。
ツインテールに小柄な伸長。それとぺったん・・・・いや、微妙に有るか? 取り敢えず、なんか小柄な女だ。
「俺は一年一組の秋風 和也ってんだが、誰だよテメェ? 見覚えねぇんだけど」
「お、男ぉ!? なんで、だって男でIS使えるのって一夏だけの筈でしょ!?」
ああ、そっか。俺は入学式の日に来たから、世間的には存在が知られてねぇのか。そりゃあ驚くの仕方ねぇわな。
・・・・つかなんか今、織斑一夏の名前が出て来なかったか?
「で、だから誰だよ? こんな場所でなにやってやがる。不審者ってぇなら・・・・ 」
「え、あ、ちちち違うわよ!? ワタシはただ、道に迷ってただけなんだからっ!」
なんだ、つまるとこ迷子か。それならそうと早く言えば良いのに。
「それなら最初から言やぁ良いのに・・・・ 面倒だが、発見者として保護してやるか」
「保護って何よ保護って! 人を迷子みたいに言わないでよ!」
いや、まごうことなく迷子だろ。それ以外に何がある?
「で、一体何処に行こうとしてたんだよ?」
「じ、事務所よ。ワタシ編入して来たから事務所で書類とか編入の手続きしなきゃいけないのよ」
・・・・えっ? マジで言ってんのかコイツ? ここ校門前で、事務所って此処から反対方向な上に、事務所の開いてる時間なんかとっくに過ぎてんぞ?
と言う旨を目の前の奴に説明してやれば、見事にショックを受けた様に両膝を地面に付いた。
「そ、そんな・・・・ じゃあワタシ、今夜はどうすれば良いのよ~・・・・」
いや、知らんがな。ただここで放置すると余計に面倒な事になりそうだしな~・・・・ しゃーない。最終兵器を呼び出すか。
携帯を取り出し、使う予定の無かった番号をコールしてっと・・・・ あ、割りと直ぐに繋がった。
「もしもしひもねす? ちーちゃん、暇?」
[暇じゃない。と言うかくだらん内容で電話して来たのかお前は]
「んな訳ねぇだろって。実は今、学園に編入予定だった奴を見つけたんだが、事務所の営業時間過ぎててさ。寝床もないらしいから、保護してやれって電話」
[編入生? そう言えば、来ると言う話を聞いていたな・・・・ 秋風、一応そいつの名前を確認したか?]
ああ、そう言えばまだ聞いてねぇわ。
「なぁ、お前の名前ってなんだ? 取り敢えずちーちゃんが名前確認しろってさ」
「あ、そう言えばまだ名乗ってなかったわね・・・・ ワタシは中国の代表候補生、『
えっ? どう書くの? ・・・・ああ、こう書いて『
「だってよ、ちーちゃん。聞こえてた?」
[ああ、やはり鈴音か・・・・ 確認した。ついでだ、そいつを寮まで連れて来い。仕方ないから今夜は私の方で保護してやる]
えぇ~え、俺が連れてくの~? いや、まぁそんな気はしてたけどな。
「はいはい。んじゃ、せめて寮の前くらいには迎えに来てくれよ?」
[本来ならお前も寮で暮らしてる筈だろうに・・・・まぁ良い。着いたらまた電話しろ、私は今から少々用事がある]
いや、迎えには来ないのかよ。
とか思ってたらもう電話も切れてるし。
「はぁ~。取り敢えず、今夜はちーちゃんが寮で保護してくれるってよ。良かったな、野宿は避けれたぞ」
「そ、そう・・・・て言うか、ちーちゃんって誰よ?」
「あん? 『織斑千冬』、通称『ブリュンヒルデ』。略して『ちーちゃん』」
「って、千冬さん!? あんた千冬さんのことちーちゃんとか呼んでるの!? バカなの!?」
誰が馬鹿だよ。ちーちゃんはちーちゃんだろうが。
「んな小さな事は気にすんなよ。それより、さっさと寮に行くぞ鳳。俺も帰ってやる事とかあんだしよ」
「え、ええ。それとワタシの事は鈴で良いわよ」
「そうか? なら俺も好きに呼んで良いぞ」
「なら和也って呼ばせて貰うわ」
そう言うと鈴は先を歩く俺の後ろを着いて来る様にボストンバッグ片手に歩き出す。
しかしまた、随分と人当たりの良さそうな奴だな? 中国の代表候補生らしいが、どっかのイギリス貴族とは大違いだ。裏表を感じないし、実に好感が持てる。
それから15分程歩いた所で寮に着いてちーちゃんを呼び出した所、改めて寮で暮らせと文句を言われた。なんでも、前の同居人( 笑)の問題は解決しといたなんとか・・・・
まぁ、拒否したけど。それでまたちーちゃんが文句を言って来たが、あんましつこいと援軍呼んで学園から抜け出すって脅したら渋々と引き下がった。
そん時に俺が寮で暮らしてない事を説明したら鈴は驚いた様な顔してたな。まぁその後に今夜はちーちゃんの部屋で一泊って聞いたら絶望した顔に変わってたが。
で、鈴をちーちゃんに引き渡してから俺はどうなったかと言うと・・・・
「おぉーとっ! 居ないと思ってた二人目の男性起動者発見っ! 早速インタビューよぉ~!」
変な女に絡まれてた。ついでに言うと、のほほんと相川に見付かって噂の代表就任パーティーとやらに参加させられてる。
「俺、参加する気が全くねぇんだけど・・・・」
「ま~ま~、あっきーも一緒に楽しもうよ~」
「それじゃあ秋風君! 早速コメントよろしくっ! あっ、私は新聞部の『
知らんがな。と言うかこの学園、妙に押しの強い奴が多くないか?
「インタビューとか知らねぇよ。そんなのは織斑一夏にでもやってろ」
「織斑君にはもうやったわよ。でもイマイチなコメントだったのよね~。だから秋風君には期待してるから!」
そんな期待はノーサンキューだ。しかし、無駄にのほほんが腕をがっちりと掴んでるもんだから逃げ難い。
・・・・はぁ~。相手せざるを得ないのか。
「それじゃあ早速だけど、秋風君は幾つもIS持ってるって話しだけど、どうやって手に入れたの? 何処かの企業と複数契約してるとか?」
「違ぇよ。つか、ノーコメント。教える義理はねぇ」
「えぇ~え、ケチ~。じゃあ、三年生でアメリカの代表候補生のダリル・ケイシー先輩と仲が良いって噂は?」
「話が合うから仲良くさせて貰ってる。つか、それくらいならダリるんから直接聞けよ」
「なんだ、色恋沙汰かと思ったのに」
「出会って一週間じゃんな事にならんだろうが?」
「じゃあ、同じ男子として織斑君の事はどう思って・・・・」
「論外。関わり合いになりたくない奴」
「辛辣だね!? じゃあ同じく対戦したオルコットさんは・・・・」
「興味無し」
「う~わっ、徹底してるね~・・・・?」
とまぁ、そんな感じの質問を幾つか答えてやったら思ったよりすんなりとインタビューを終えてくれた。
最後に専用機持ち同士で写真をとか言われたが、あいつらと写真とかご免だから拒否。俺だけ単体で写真を撮られる事に。
その時にのほほんが一緒に写る事になったが、まぁそれは良いか。
兎も角、写真を撮った後にのほほんの目を掻い潜って寮を後にした訳だが・・・・ 鈴の奴、ちーちゃんの部屋で一泊とか大丈夫なんだか?
ーside和也 outー
平成最後の更新とか思ってたら日付変わってた。これも全部、寝落ちが悪いんや・・・・
取り敢えず、鈴が登場。クラス代表戦まですんなり行けるかな~?
では、ターンエンド!