IS-問題児なオリ主の生活   作:柳命

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第17話 昼休みー整備室での出会いー

 

ーside和也ー

 

 朝から学園の整備室やらアリーナやらを使う為の書類を提出しに行き、後五分程でHRの時間となる今日この頃・・・・ 教室の入口で昨夜会った鈴を見つけた。

 

「何してんだ鈴? もう直ぐHRだぞ」

 

「誰よ! って、和也?」

 

「おう、おはようさん」

 

 ふむ。此処に居るって事は、無事に編入手続きは出来たみたいだな。まぁその対価はちーちゃんの保護下で一泊だけど。

 

「しっかし、此処に居るって事は同じクラスか? まっ、お前なら歓迎だけどな」

 

「ち、違うわよ! ワタシは二組、それも二組のクラス代表よ!」

 

「マジかよ!?」

 

 クッ! 付き合い易そうな奴なのに別クラスとは・・・・ 後で遊びに行ってやる!

 

 と、何やら後ろから殺気が近付いてる様な・・・・ああ。この殺気はちーちゃんか。

 

「取り敢えず鈴、さっさと逃げろ。ちーちゃんが来そうだぞ?」

 

「げっ!? わ、分かったわ。それと一夏! また後で会いに来るからねっ!」

 

 そう言い残して鈴が退散・・・・って、よく見れば織斑一夏と篠ノ之・・・なんとかが側に居たのかよ。興味無かったから気付かなかったわ。

 

 まっ、けど今はそんな事よりも自分の席に着いとくか。朝からちーちゃんの説教も面倒だからな~。

 

「お、おい和也! なんでお前が鈴と仲良くして・・・・」

 

「黙れ、話し掛けんな」

 

 なんか織斑一夏が話し掛けて来たが無視する。こいつと話してると生理的も苛々するんだよ・・・・!

 

 それに金髪が何か言いたげにこっちを見てた気もするが、それも無視だ無視。

 

 全く、ウチのクラスは専用機持ちに碌な奴が居やしねぇ・・・・ 俺も含めて。

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで織斑一夏からの接触を避けれたりして迎えた昼休み・・・・ 俺は学園の中にあるISの整備室に来ていた。

 

「流石は国営、良い器材が揃ってんね~」

 

 朝の内に提出しといた整備室の利用申請書。山田先生からは朝に受理されてれば昼からは使えるって事で、早速使わせて貰いに来た訳だ。

 

 目的は勿論、少々()()()()()()()()()の整備だ。

 

「先ずは『文月』の調整して、それから『皐月』と『睦月』の調整・・・・あぁ、ちゃんと『如月』の調整もすっから」

 

 こう言う時、複数所有してるのは大変だ。1機でも手が掛かるのに複数まとめて整備しなきゃいけないんだからな。

 

 それでも整備を怠るとヘソを曲げられるし、俺も別に整備の手を抜く様な真似はしたくはない。

 

 取り敢えず今は『文月』の整備だ。整備室の奥で『文月』をハンガーに展開。先ずは各部のシステムチェックしてっと・・・・

 

「あぁ~あ・・・・ ひとつずつ調整すっと時間掛かるんだよな~。まとめて展開して整備出来りゃあ楽なのによ」

 

 島に居た時は整備室も広く全機まとめて整備が出来たんだが、今回借りれたハンガーはひとつだけ。本当は最低で二つは借りたかったんだが、運悪く使用届けがいっぱいだったんだと。

 

 そんな中でひとつでも借りれたのは運が良い方だった訳で、愚痴りながらも担当者が女尊男卑思想じゃなかった事に感謝しとこう・・・・っと、『文月』のチェックが終わったな?

 

「システムチェックは異常なしっと・・・・ 他に目立ったもんも見当たらないな~?」

 

 話しは変わるけど整備中って、独り言が多くなると思わないか? 俺はそう思う。

 

 声出し確認じゃないんだけど、ついつい口に出るんだよな~。ほら、自分にも言い聞かせてる的な意味で。

 

 そんな訳で独り言を正当化しつつチェックを続けていると・・・・

 

「・・・・誰?」

 

「あん?」

 

 見知らぬ少女に独り言してる姿を発見された。

 

 

ーside和也 outー

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ーside???ー

 

 お昼を簡単に済ませ整備室に戻って来たら、知らない人が整備室に先に来ていた。

 

 いや、正確には知らない人じゃない。彼の噂は嫌でも耳に入って来ているから知っている。

 

 二人目の男性操縦者。イギリスの代表候補生を相手に圧倒し、個人で複数のISを所持している男・・・・ 秋風和也。

 

 他にも上級生の代表候補生達と仲が良かったり、あの織斑先生を『ちーちゃん』などと愛称で呼んだりしてる命知らずとか聞いてるけど・・・・ まぁ兎も角、そんな色んな意味で有名人な彼が今、私の目の前に居た。

 

「ああ、悪い悪い。独り言が気になったか?」

 

「別に・・・・ 今来た所だから」

 

「そっか」

 

 そう軽く謝る素振りを見せると、彼はハンガーに展開していたISを待機状態に戻し、今度は別のISをハンガーに展開した。

 

 ・・・・本当に個人で複数のISを所持してるんだ。

 

 しかも次のはつい最近、あの織斑一夏との試合で使っていたISだ。全身装甲って言う珍しいタイプなのもそうだが、あの重装感。私が好きなアニメのロボットみたいで少し心が躍る。

 

 ・・・・って、いけない。私も自分の事をやらなきゃ。

 

 彼の後ろを通り過ぎ、その隣に鎮座する私の専用機・・・・ 『打鉄弐式』の開発を再開する。

 

 本当ならこんな事をしなくても完成してる筈なのに、私はちょっと事情が違う。

 

 私は日本の代表候補生とし「おっ? 打鉄のバリエーション機か? へ~、そんなんあったんだな~」・・・・ う、うんっ! 日本の代表候補生として専用機が用意され「しかも通常の打鉄と違うタイプか? 防御寄りと違うタイプにするなら攻撃特化・・・・いや、寧ろ機動力に力を入れてるのか? へ~、面白ぇじゃん」・・・・・・

 

「・・・・さっきから何?」

 

 私の回想を邪魔して・・・・そんなに珍しい? 自分で複数のISを持ってるんだから、そんなに珍しくなんてないでしょ?

 

「あぁ、悪いな。打鉄のバリエーション機みたいで珍しくてちょっと興味を引かれたんだよ。これ、機動性重視の機体か?」

 

 ・・・・さっきも言ってたけど、どうして見ただけで打鉄と打鉄弐式の違いが分かったんだろう? 普通はそこまで気付かないと思うのに。

 

 本当なら無視しても良いんだけど、自分以外の専用機持ちが打鉄弐式をどこかキラキラした眼で見られるのは悪い気はしない・・・・ こんな、未だ完成すらしていない機体なのに。

 

「・・・・そう、名前は『打鉄弐式』。打鉄の後継機として造られ、打鉄と違って高い機動性を持ってる」

 

「おっ、やっぱりか? 道理で打鉄よりブースターの配置や口径が微妙に違うと思ったんだよ。へ~・・・・ けど、そうなったら武装はどうすんだ? 機動性を上げたって事は近接寄りか? それだと今までの打鉄と変わらない気もすんが・・・・」

 

「違う。武装には連射型荷電粒子砲と最大48発同時発射可能なミサイルポットも装備されるから、どちらかと言えば遠距離戦がメイン」

 

「なら機動性が高い利点の使い道は?」

 

「近接武器に対複合装甲用の超振動薙刀が装備されてるから、そこで機動力が物を言う予定。他にも遠距離武器を展開してない時は機動力で相手を翻弄も出来る」

 

「つまり、遠近戦のスイッチ型?」

 

「そうなる予定」

 

「良いね!」

 

 思わず気分が良くなって説明してしまったが、彼の食い付き具合は私の予想よりも良かった。何よりお世辞ではない、本音で感心してくれている様子が、どこか私の自尊心を満たしてくれる様で心地好く感じてしまう。

 

 だけど・・・・

 

「・・・・あん? 予定? なら、まだ出来てないのか?」

 

「・・・・・・うん」

 

 そう。これはあくまで()()()()()()()の話し。実際にこの機体は、まだ()()()()()()()()()

 

 その理由もあるけど、そこまで彼に話す必要性はない・・・・ これは、私が自分ひとりで解決しなきゃいけない事なんだから

 

「・・・・まぁ、初めて会った俺がいきなり踏み込んで聞くのも筋違いだからな。深くは聞かねぇよ」

 

「そう・・・・」

 

 どうやら彼はこちらの事情を理解してくれたみたいだ。その気遣いは勝手に落ち込んだ私にとって、とてもありがたいと感じられた。

 

「あ、そう言やいきなり話し掛けといて名乗ってもなかったな? 一年一組の秋風和也。名乗るより前に馴れ馴れしく色々と聞いちまったのは、まぁ、悪かった。すまん」

 

 本当に悪いと思ったのか、彼は頭を掻きながら謝罪の言葉を口にした。

 

 確かに最初は独り言にしては鬱陶しいとも感じたが、私の説明に興奮した様に耳を傾け、純粋に感心してくれた。そして私が自分から答えてしまったとは言え、初対面で色々と聞いて来た事も謝罪してくれた。

 

 ・・・・うん。なんだろう・・・彼は男だけど、そんなに悪い人じゃなさそうだ。

 

「うううん。気にしない」

 

「そっか、悪いな。・・・・迷惑ついでに、名前聞いても良いか?」

 

 そう言えば、彼に言われて私はまだ名乗っていない事に気付く。私は彼を知っていたが、彼は私を知らないだろう。

 

「私は一年四組所属の更識 簪(さらしき かんざし)。一応、日本の代表候補生、です・・・・」

 

「おう、よろしくな更識」

 

「簪で良い。苗字で呼ばれるのは、ちょっと、嫌・・・・」

 

「? 分かった、なら簪って呼ばせて貰うわ。俺の方は好きに呼んでくれて良いぞ」

 

 そう言うと彼、秋風君は此方に右手を差し出して来た。所謂握手を求めているのだろう。

 

 本当なら誰かと、男の人と握手をするのには抵抗があるけど・・・・ なんだろう? 秋風君からの握手は、そこまで悪い気はしない。

 

「・・・・よろしく」

 

「おう、此方こそ」

 

 視線を合わせる事こそ出来なかったが握手に応えると、秋風君はどこか嬉しそうに答えてくれた。

 

 そうしてる内に機体のチェックが終ったのか、彼の端末からチェック音が聞こえて来て、私は自然と彼から手を離していた。

 

 それと同時に秋風君は端末のチェックを済ますとハンガーに掛けていたISを待機状態に戻し、コードやらの片付けを始めた。

 

「・・・・もう終ったの?」

 

「いや、まだ他にもやる事はあるんだが、午後は山田先生の授業ばかりでなぁ・・・・ ホントはサボってでも整備したいんだが、あんまサボると泣くんだよ山田先生・・・・ 既に二回は泣かれてるし」

 

 まだ入学して一週間くらいした経ってないよね? それで二回も泣かれてるって・・・・ 秋風君が悪いと言うか、山田先生が涙脆過ぎると言うか・・・・

 

「そんな訳で、俺は退散だ。簪は?」

 

「私は一応、許可を貰ってるから続ける・・・・」

 

 そう言えば彼は、私が許可も貰って授業中も整備している事に羨ましそうな顔を浮かべている。・・・・割りと喜怒哀楽が分かり易い人なんだろうか?

 

「羨ましい。まぁ、羨んでも仕方ないか。んじゃ、お先に」

 

 そう言い残すと秋風君は整備室を出て行った。後には私だけが残り、ひとりだけの整備室は途端に静かになったとも思えた・・・・

 

 ・・・・寂しいなんて思わない。私は、私にはひとりでやらなきゃいけない事があるんだ。だから決して、寂しいなんて思わない。思っちゃいけない。

 

「・・・・早く、この子を完成させなきゃ・・・・」

 

 そう呟いて私は目の前のコンソールに目を向ける。

 

 このISを完成させるのは私が、私だけがやらなきゃいけない事なんだ。だから、一日でも早く完成させれる様に休んでる暇なんてない。

 

 だけど・・・・ 少しだけ、本当に少しだけ、誰かとお喋りするのも悪くない・・・・ そう思った私は、どこか疲れでも溜まっているんだろう。

 

 ・・・・そう言えば秋風君。午後の授業はサボらない様な事を言っていたけど・・・・ もうとっくに授業は始まっていたけど、それは良かったんだろうか?

 

 

ーside???→簪 outー

 

 





 編入から鈴との絡みが少ないだって? 一夏と絡まないから、編入初日の鈴との絡みが少なくなるんだもの。仕方ないじゃない。
 ( ノД`)

 ついでに此処で簪も引っ張り出し。だけど簪の回想は悉く邪魔してみると。
 逆に此処まで和也が整備室を使っていなかったのか?と聞かれれば、その通りと答えましょう。何故なら整備室の使用に申請書が必要と言う事に気付いていなかったから。

 そして明日から本格的にGW期間の仕事が本格化。何話更新出来るのやら・・・・

 では、ターンエンド!


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