IS-問題児なオリ主の生活   作:柳命

23 / 59

 戦闘描写は三人称視点で書く方が楽なんです。


第22話 迎撃者 ー独り部隊の蹂躙ー

 

 突如クラス対抗戦に乱入し鈴と一夏を襲っていた所属不明機、通称ゴーレム。そのゴーレムを鈴達に追い着きながら、『如月』を展開した和也は鈴の前に姿を現した・・・・

 

「先ずは3機・・・・ たくっ、無駄に数だけ揃えやがって」

 

「か、和也・・・・?」

 

 そう鈴が呟くも、和也は振り向かない。その眼光が見据えるのは、未だ動かず上空に漂う9機のゴーレム達。

 

 そしてゴーレム達もまた、動きはしないが観察する様に和也へと視線を注いでいる様に見える・・・・

 

「鈴、その馬鹿連れてさっさと逃げろ。無人機共の相手は俺がする」

 

「む、無人機? そんな筈ないじゃない、無人のISなんてまだ何処の国だって作ってなんか・・・・」

 

「とっくに造られてるよ。まぁアレは盗んだデータで造られた紛い物だけどな。それでも改良くらいはされてんだろ・・・・ お喋りは良いから、早く行け」

 

 言い切ると、和也はゴーレム達に向かって身構える。今はもう話す事もない、早く逃げろ。そう暗に言って来る後ろ姿に鈴は奥歯を噛み締めながらも、一夏を抱えピットへと向かって行った。

 

「お、おい鈴!?」

 

「るっさい! 良いから今は、和也に任せて逃げるのよ!」

 

 逃げる事に文句を言おうとした一夏を一喝するも、鈴とて悔しくない訳ではない。

 

 一夏を抱えて逃げる、それしか出来ないのだ。代表候補生である自分が、ただそれしか。

 

 その事に確かな苛立ちと悔しさを抱きながら、鈴はピットの中へと姿を消した・・・・

 

「(さて、鈴は行ったか。なら次は、本格的にゴーレム擬きの処理をすっか・・・・)なっ!」

 

 その瞬間、『如月』のスラスターを全開で吹かし和也は空へと上がる。それに合わせた様にゴーレム達も一斉に散開し、和也を囲む様に広がる。

 

 正面から2体、左腕にブレードを展開している事から、和也に接近戦を仕掛けて来たのは明白。その周囲には拡張領域にでも忍ばせていたのか、左腕にマシンガンを構えたゴーレム達が6機・・・・ 残る1機は、上空から和也へと視線を向けている。

 

「(なんだ? 無人機ってぇなら一斉に掛かって来ると思ったが・・・・ まぁ良い、やることは変わんねぇ!)」

 

 そう意を決すると和也は両指を伸ばし、接近していたゴーレムの1機へと近付く。

 

 右上段から振るわれるブレード。それを左に身体を捩ると、和也は右腕を引き絞り、接近した勢いのままにゴーレムの胸へと右腕を突き刺した。

 

「(? なんだ? コアが、ねぇ・・・・?)」

 

 本当なら腕を突き刺すと同時にISコアの回収も行おうとしていたが、現実は違った。

 

 そもそもISはISコアを動力に使用するからこそISであり、それ以外の動力を用いてではIS程の出力が出せないと言われている。それは無人機であっても同じ筈だった。

 

 だからこそ和也は無人機を無力化するのにコアを抜き取ると言う手段を選び実行に移したが、結果は思っていた物と違った・・・・

 

ーーブンッ!

 

 1体目のゴーレムの心臓部を鷲掴みにしたまま迫る2体目のゴーレムが振るうブレード。そのゴーレムを前に和也は1体目を盾にしながらブレードを防ぎ、コア代わりに抜き出した動力部を握り潰しながら、今度は左腕をゴーレムの胸へと突き刺した。

 

 しかしそしてそこでもまた、ゴーレムの心臓部に突き刺した和也の手には予想していた物の反応はなかった・・・・

 

「(こいつもコアがない? まさか、通常のバッテリーが動力になってんのか? いや、そんなもんじゃあのビームを射つ出力が足りない筈だ・・・・)」

 

 引き抜き握り潰した心臓部を放り投げながらも、和也の中で浮かんだ疑問は尽きない。

 

 最初にアリーナに射ち込まれたビームは間違いなくISコアを動力に介して撃たれた物だ。だからこそシールドは破壊されたし、和也も緊急性を感じて飛び出した。

 

 だが、蓋を開けてみればどうだ? 最初の3機は全て片付けてから回収するつもりで確認していないが、今潰した2機はISコアを動力にしていなかった。

 

 ビームを射って来た1機は間違いなくISコアが使われてるとして、もし残りの機体にはISコアが使われていないのだとしたら・・・・?

 

「(・・・・なんだよ? 加減は必要ないってか・・・・?)」

 

 無理に、コアへのダメージを気にする必要はないと言う意味に他ならない・・・・

 

 その事に和也がフルフェイスの下で口角を吊り上げていると、外部から通信が入る。通信元は・・・・管制室だ。

 

「なんだよ? こちとら戦闘中だ、用件は手短にな?」

 

[このっ・・・・! 馬鹿者がぁ! 何故ひとりで戦闘なんぞしてる! 生徒は至急アリーナから避難せんかぁ!]

 

 通信先の千冬の声が和也の耳に響くと同時に、6機のゴーレムから一斉に和也に向けてマシンガンの集中砲火が始まる。

 

 その銃弾の雨を降下しながら躱しつつ、和也は通信をして来た千冬に溜め息を漏らした。

 

「はぁーあ・・・・ あのなぁ、ちーちゃん? 至急避難とか言うがよ、じゃあ誰がアレの相手すんだよ?」

 

[それは、教員部隊が急ぎ襲撃者の撃退に動く事になってる]

 

「現状で姿を見せてすらいねぇ奴等が? 未だ、生徒の避難すら出来てねぇのにか?」

 

 そう言うと和也はハイパーセンサーによって周囲を確認する。そこに写るのは未だ観客席から避難も出来ず、アリーナに閉じ込められた様になっている生徒達の姿だ。

 

 その言葉には千冬も言い返す事が出来ないのか言葉を詰まらせ、その反応だけで和也は改めて溜め息を吐いた。

 

「生徒の安全を考えるのは勝手だが、何も出来てねぇじゃねぇか。生徒の避難は? ゴーレム達の相手をする奴等の出撃状況は? ・・・・結果、後手後手で何も出来てねぇ癖に、ふざけたこと抜かすなよ・・・・!」

 

[だが、だからと言って生徒が危険な真似をするのを見逃す事など・・・・]

 

「悪ぃ『如月』、お疲れ。『弥生』、パーティータイムだ」

 

[っ!? 秋風ぇ!]

 

 千冬の言いたい事は分かる。教師として、生徒を危険な目に合わせたくないのは当然の事だろう。だが、その考えと現状を比べても、今の千冬達には何も守れはしない。

 

 そう思うと和也はアリーナの地面に足を着けると同時に『如月』の展開を解除し、新たなISをその身に展開した。

 

 両腕に二基のガトリング、両肩に浮いた非固定浮遊型のシールド、両足に着いた三つの発射口を持つミサイル。胸部も装甲にしては厚く、例に漏れず全身装甲(フルスキン)の深緑色のIS、その名を『弥生』。

 

「良いかちーちゃん。生徒達を守りたいんだろうが、現状であんたらは役に立たない。そして俺はあのゴーレム擬き共を破壊し尽くしたい。利害は互いにある程度一致してんだ、だったら余計な口は挟むな。そもそも戦闘中に邪魔なんだよ」

 

[だが! だからと言って12機もの不明機の相手を生徒にやらせるなど・・・・]

 

「アレの名称はゴーレム、無人機、元々の制作者はちーちゃんの親友。で、アレは盗作されたパチもん。オーケー?」

 

[なっ! なんでお前がそんな事を知って・・・・]

 

 これ以上は話すつもりが無いと、千冬の言葉を聴き終える前に和也は手にしたガトリングの銃口をゴーレム達へと向ける。

 

 その間にも上空からはゴーレムの放つマシンガンの銃弾が降り注ぐが、それは両肩の浮遊シールドが防いでいく。そしてその間に両肩にレールガンを拡張領域から展開し、それも含めゴーレム達へと標準を定めた。

 

「・・・・そうか、コアが使われてるのは1機だけなんだな? なら尚更、遠慮はいらねぇ・・・・」

 

 両腕に構えた二基のガトリングの砲身が、徐々に回転を始める。両肩のレールガンが電気を帯び、エネルギーを溜める。両足のミサイルポットの発射口が開く。そして胸部の装甲が開き、中から更なるガトリングの砲身が姿を見せる。

 

 その間にもゴーレム達はマシンガンの銃弾を撒き散らしながら、ゆっくり和也との距離を縮める様に近付いて来る・・・・

 

「所詮は紛い物。AI制御にしても戦い方はお粗末。そんなもんを・・・・ 俺に向けようなんざ、百年早ぇんだよぉ! 沈めやガラクタがぁぁぁぁぁぁぁあっ!」

 

 挙がる和也の咆哮。それと同時に、『弥生』が展開していた銃口の全てが火を噴いた。

 

ーーガルルルルルルルルッ!

 

 両腕から轟音を上げ射ち出されるガトリングの銃弾。それは身近にいたゴーレムに直撃すると、逃げる暇すら与えんように次々に射ち込まれ、ゴーレムを鉄屑にするのはあっという間だった。

 

 1体が鉄屑になれば次はその後ろのゴーレムが標的になり、前方のゴーレムを盾に逃げ様とすればレールガンが逃げ道を塞ぐ様に迫る。更に胸部から射ち出されるガトリングも広く撒き散らされる事で、ゴーレム達の動きを抑制していた。

 

「弾幕は、パワーだごらぁぁぁぁぁあっ!」

 

 そう声を荒げて銃弾を射ち続ける和也の鬼気迫る様な姿に、依然として避難の出来ない生徒達の視線が集まり出すのは必然だった。

 

 射ち始めから未だに射ち続けられる二基ずつ計四基のガトリング。それによって破壊され鉄屑に変わっていくゴーレム。

 

 何より、一向に弾切れの気配が訪れないことで、ガトリングの発する音がアリーナ中に響いて五月蝿いのだ。これで視線を集めない訳がない。

 

 しかも和也は管制室との通信を開いたままな為、現状で管制室の中にまでも通信越しにガトリングのあげる轟音が響いている始末だ・・・・

 

 だが、そんな騒音問題を起こす程の銃撃も迷惑ながら成果を挙げつつある。和也に近付こうとしていた6機のゴーレムが、全て鉄屑へと変わり果てているのだ・・・・

 

 それに合わせ漸くガトリングの砲身は砲撃を止め、アリーナの中は一気に静寂に包まれる様に静かになった。

 

「これで、残ってんのはあの1機か・・・・」

 

 最初に3機。『如月』で2機に、今の『弥生』で6機。これで11機のゴーレムが鉄屑へと変わった。残ったのは依然として上空に佇む1機だけになった・・・・

 

 その1機は1機で状況的に不利と判断でもしたのか、または一矢報いる気持ちでも持ったのか、頭部のモノアイを数回点灯させた後、砲身となっている右腕を和也のいるアリーナの地面へと構えた。

 

「(なんだ、最後の意地ってか? とは言え、またあのビームを撃たせんのは良くねぇか・・・・) パーティーは終わりだ『弥生』。フィナーレだ、『長月』」

 

 そう呟くと『弥生』の展開が解除され、三度、和也の展開するISが入れ替わる。

 

 展開し地面に降りただけでズシンっと音を立てる重厚な装甲。右腕には肩に担ぐ様に持った大型の砲身。

 

 そして和也は此方に砲身を向けたゴーレムに対し、自らも肩に担いだ大型の砲身を構えた。

 

 互いに銃口へ溜まるエネルギー。何よりそれがアリーナのシールドを突破した代物であると理解している千冬は、この光景に僅かな冷や汗を流しアリーナ中へと通信を繋げた。

 

[全員、今すぐその場にしゃがめぇぇぇ!]

 

 千冬が対ショック行動を指示するのと、和也が引き金を引いたのは同じタイミングだった。そしてゴーレムがビームを射ち出すのも。

 

 両者から射ち出される高出力なビームの奔流。それは互いにぶつかりせめぎ合い、眩い閃光がアリーナ中に広がっていく。

 

 そして、最後には・・・・・・

 

「・・・・チャ~オ~ってなぁっ!」

 

 和也の射ち出していた大型キャノンのビームが、ゴーレムのビームを本体ごと飲み込んでいったのだった・・・・・・

 

 

 





 早く日常パートが描きたい! って思ったら、4511字とかになってた。反省はしてない。

 と言う訳で、まとめて『如月』『弥生』『長月』の三機もまとめて登場。機体の紹介がものっそ下手過ぎて泣ける。
 ( ノД`)…

 次回は日常パートへ戻る為の報告会と、漸く学園長が登場。ついでに和也が結んでいた契約云々の話が書けるよ。ただ、最悪2話使う。

 それと、オリキャラ紹介のページ作ろうかしら? いい加減、オリISも簡単にまとめといた方が分かり易いだろうし・・・・?

 では、ターンエンド!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。