IS-問題児なオリ主の生活   作:柳命

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 話が進まないな~。


第30話 原因の一端 ー結局は自業自得ー

 

ーside和也ー

 

 漸く泣き止んだ簪から俺は、どうしてこうも見てられないくらいにストレスを溜め込んだのかの経緯を聞くことになった。

 

 事の発端は、クラス対抗戦の折りにゴーレム擬きが襲撃して来た事。

 

 あの時俺はゴーレム擬きの危険性を理解していた故に簪とのほほんを残して迎撃に行った。それはあの非常時なら専用機を有する者と言う観点から簪も一応の納得はしたらしい。

 

 だが、代表候補生でありながら未だ完成しない専用機。完成していないと言う理由で非常時に何の力にもなれなかったと言う事実が簪の中で棘の様に残った。

 

 なら同じ様な事態に陥った時、少しでも自分も代表候補生として何かの力になろうと専用機の完成に意気込んだは良いが・・・・

 

「意気込んだまでは良いが、そこで上手く行かない苛々が段々と空回りして、今に至ると・・・・」

 

「うん・・・・」

 

 ・・・・これ、アレじゃね?

 

 原因の一端、俺にあんじゃねぇ!?

 

 いや、確かにあん時はちーちゃんの指示やら何やら無視して勝手に突っ込んだ訳だけど、それが発端で専用機の開発に余計な意気込み負わせたって事に見えんだけど・・・・

 

「取り敢えず、分かった。いや、そもそもゴーレム擬きが襲撃して来なきゃ済んでた話なんだが・・・・ 取り敢えず分かった」

 

 ホント、ゴーレム擬きが襲撃かまして来なかったら簪だって余計な負担を背負わずに専用機を完成まで漕ぎ着けてた筈だったんだが・・・・ それが代表候補生って肩書きのせいで、無意識ながら余計に急かされた感じになった訳だ。

 

 で、無意識に急かされながら完成に至らないストレスが積み重なった結果、今回みたいに無理をしたと。

 

 ・・・・いやホント、俺のせいじゃない筈なのに微妙な罪悪感が酷い。

 

「取り敢えず、だ。簪、先ず今日は帰って寝ろ。んで頭切り替えてから、開発は改めて再開だ」

 

「で、でも! あの子だってまだ完成してないし、武装だって全然出来てないのに・・・・」

 

「だから休めってんだよ。んな一度にアレもコレもなんざ捌けんのは、天才って名の変態だけだ」

 

 そもそも簪は考え過ぎなんだよ。やるならきっちりと段取り着けて、その中から余力見つけねぇと仕事に殺されんぞ?

 

 まぁ、そんだけ心に余裕がなかったって事なんだろうが・・・・

 

「良いから寝ろ。明日からは俺も全面的に手を貸すし、先ずはテメェの頭と身体を休ませろ」

 

「だ、だけど・・・・」

 

 まだ言う事を聞きませんか、この小娘は?

 

 流石にこうも反抗するなら、実力を行使してでも寝かせんぞ?

 

「あ、明日から本格的にGWだし、出来れば学年別トーナメントまでには完成させたいから・・・・」

 

 ・・・・へっ? ゴールデン、ウィーク?

 

 ・・・・・・・・・・

 

「簪」

 

「な、なに?」

 

「・・・・ゴールデンウィークって、なんだ?」

 

「・・・・へっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか。4月下旬から5月頭にある連休を、世間一般ではGWなんて呼ぶのか・・・・ 気にした事もなかったわ」

 

 まさか、連休にそんな名称が在るとは・・・・ 今まで世間的な連休とかそう言うのに触れた覚えがなかったから、全く知らんかった。

 

 その事を話したら簪も眼鏡をズリ落としたし、よっぽど変な事を聞いたんだろうな俺は。

 

「ま、まさかGWを知らないって言われるとは思わなかった・・・・」

 

「悪いな。最近まで世間とは離れた生活してたから、そう言う行事? 的なもんはあんま知らねぇんだよ」

 

 基本、買い出しや荒事以外で島からは出なかったからな。四季と月日さえ判れば問題ないって思ってたし。

 

 ・・・・あれ? ならなんで今日は休みじゃねぇんだ? もう5月入んぞ?

 

「IS学園は4月いっぱいまで授業が続くから、本格的なGWは5月に入ってからになるから・・・・」

 

 あっ、そう言う事・・・・ つまり本来なら周りが休みの中で、俺は懲罰房から出所してた筈なのな。

 

「まぁ良いさ。明日から休みってぇなら朝から時間があるってこった。なら尚更、簪は明日からに向けて休めよ」

 

「で、でも和也は? せっかくの連休なんだし、実家に帰ったりしないの?」

 

 帰れるなら帰るが、その代わり余裕で1ヶ月は行方を眩ますぞ?

 

 まぁ流石にそろそろ連絡のひとつも入れないと後が恐いからな・・・・ 後で電話くらいするか。

 

「取り敢えず帰る予定はねぇから気にすんな。だから分かったら帰って寝ろ」

 

 ホント、何度目だよ『寝ろ』って言ったの? なんで寝かせるのにこんな疲れなきゃいけないんだか・・・・

 

「あっきー、かんちゃ~ん。飲物買って来たよ~」

 

 っと、漸くのほほんがお帰りか・・・・ つか、何処まで買い出しに行ってたんだよ?

 

「丁度良いわ。のほほん、お前直ぐに簪連れて帰れ。んで、ベットに沈めろ。手段は問わん」

 

「ちょ! 和也!?」

 

「おお~? あっきー過激~。我が身、尽くす~?」

 

 刺激、俺流! じゃねぇよ!

 

 取り敢えず俺は女子寮に入らねぇから、こう言う時はのほほんに投げる。

 

 ついでに明日からのほほんにも手伝わせるから、予定だけ簡単に言っとくか。

 

「のほほん。明日、朝9時に此処。簡単な昼飯は用意しといてやる。それまで簪は沈めとけ」

 

「おお~! バナナは~?」

 

「切り落とした後ワッフルに挟むから、オヤツです」

 

「いぇ~い♪」

 

 はっ! 気付けば明日のオヤツを確約してしまった・・・・ まぁ、ワッフルくらいなら直ぐに出来るから良いか?

 

「それじゃあかんちゃん、早速部屋に戻るよ~」

 

「ま、待って! まだ片付けもしてな・・・・」

 

「あぁ~あ、そんくらいなら俺がやっとくから。いい加減さっさと帰れ」

 

「そ~言うこと~。じゃあね、あっきー♪」

 

「ほ、本音~!?」

 

 はい、バイバイっと。

 

 のほほんに引きずられて行く簪の姿を見ながら、思わず合掌した俺は悪くない筈。

 

 だってのほほん、その雰囲気に似合わず力強ぇんだもん。アレは簡単には振りほどけねぇわ。

 

「・・・・さて、と。取り敢えず片付けてから、ウチの奴等に連絡入れっか?」

 

 なんだかんだで帰れる機会を捨てた訳だし、言い訳のひとつでも考えとかねぇとな?

 

 ホント、ウチの()()()の怒る姿が目に浮かぶわ~・・・・

 

 兎に角、せっかくの連休、有効利用させて貰おうかね?

 

 

ーside和也 outー

 

 

 





 ああ、先に言っておこう。

 GW部分は、速攻で飛ばす!

 もうさっさと転校生編に入りたいんや・・・・
 ( ノД`)…


 では、ターンエンド。


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