IS-問題児なオリ主の生活   作:柳命

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※7/13 誤字脱字修正。




第32話 転入生 ー悪ノリにノリノリー

 

ーside和也ー

 

 束からいずれ来る転入生に警戒しろと言われながらも、駆け足気味に過ぎ去った連休。それも終わり、今日からまた授業が始まってしまう。

 

 そして俺は朝一から学園の長である轡木のじいさんに呼び出され学園長室に行ったが為に、既に朝から遅刻が確定している訳なんだが・・・・

 

「・・・・なんだ、お前等?」

 

「っ!? えっ、お、男!?」

 

「っ、何者だ!」

 

 なんか教室の前に、見馴れねぇ奴等が二人もいた・・・・

 

 いや、正確には見覚えがある。それもデータ上でだが、確かに最近見た奴等だ。

 

 金髪で長い髪を後ろで縛ってる、パッと見華奢にも見える男子の制服を着てるのが確か、書類上は『シャルル・デュノア』だったか?

 

 そんで隣のちっこい銀髪に眼帯を付けてるのが、『ラウラ・ボーデ・・・・ あれ? なんだっけ? 忘れた。

 

 兎も角、俺は見馴れはしなくとも見覚えがある奴等を視界に捉え、無意識の内に溜め息を溢す。

 

 ああ、そうか・・・・ 近々所か、今日に転入生が来んのかよ・・・・

 

「何故こんな所に一般人が居る? 此処は貴様の様な男が簡単に居られる様な場所ではないぞ・・・・!」

 

 うん? ああ、なんか物思いに耽ってたらラウラなんとかにスゲェ警戒されてた。ついでに、デュノアからも警戒の眼差しを頂戴してる。

 

 まっ、確かに俺の情報が出回ってないなら、この学園に居る男は織斑一夏だけの筈だからな。警戒されんのは当然か。

 

 仕方ねぇ。少しは説明してやっか・・・・ 悪戯込みで。

 

「なに勘違いしてんのか知らねぇが、俺は此処の生徒だぞ? 秋風 和也、其処の一年一組所属だ」

 

「なっ!? そんなバカな!」

 

「えっ? 僕達と、同じクラス・・・・?」

 

 本当に驚いてる。つー事は、俺の情報はマジで出回ってないんだな・・・・ それで良いのか、各国の情報網。

 

「で、お前等は? まさか俺に名乗らせるだけ名乗らせて、自分は名乗らねぇとかねぇよな? プリンセス&アドヴァンスド(遺伝子強化試験体)?」

 

「「っ!?」」

 

 おっ? 今度は動揺の色ありっと・・・・ しかも漏れ無く警戒レベルが引き上げられるオマケ付き。

 

 ・・・・こいつら、隠し事とか下手そうだな~。

 

「貴様、どこでその名を・・・・!」

 

『お前達、入って来い』

 

 内心でニヤニヤと二人が動揺してる様を見てたら、不意に教室からお呼びが掛かる。

 

 今のはちーちゃんか?

 

「・・・・ほれ、どうやらお呼びが掛かった様だぞ。行かねぇのか?」

 

「・・・・ちっ!」

 

「・・・・・・」

 

 入室を促してみればラウラなんとか・・・・もう面倒だからラウラで良いや。ラウラとデュノアは何か言いたそうにしながらも、渋々と教室の扉を開ける。

 

 今のやり取りだけで、二人には十分に警戒される事だろう・・・・ まぁそれでも構わねぇ。

 

 大事なのはその上で、奴等がどんな行動を取って来るかだけだからな・・・・

 

 と、俺も教室入るか。廊下に残ってても仕方ねぇし。

 

 

ーside和也 outー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ーside千冬ー

 

 (秋風)が居ない。

 

 それが連休明けに教室に入った私の、最初の反応だった。

 

 今日から私のクラスに二人も転入生が入る事になり、面倒な事になると頭を痛めていた中での(秋風)の欠席だ。それだけでも余計に頭が痛くなる。

 

 それに転入生の一人は過去に私がドイツで教官をしていた時の教え子。しかも私を崇拝してる節も見られる奴と言う事もあって、何か問題を起こさないかと気苦労が絶えることはない・・・・

 

 それに、フランスからもう一人の方も・・・・ いや、これに関してはまだ静観しておくべきか。学園長からも『少し泳がせておいて構いません。手は打ってありますから』と、事前に話は聞いているからな。

 

「お前達、入って来い」

 

 兎も角、今年の私の運勢は最低なんだろう。そんな事を思いながら、廊下で待機していた転入生二人を呼ぶ。

 

 呼べば転入生である二人は扉を開け教室へと入って来・・・・ って、はあ?

 

「うーッス」

 

 ・・・・居ないと思えば、そこに居たのかぁぁぁぁあっ!

 

 まさかお前、転入生二人にちょっかい出してないよな? いきなり余計な問題起こしてないよな!?

 

 しかもなんでお前、しれっと転入生達と一緒に並んでる!?

 

「えっと・・・・ シャルル・デュノアです、フランスから来ました。こちらに僕と同じ境遇の方が居ると聞いたんですが・・・・ み、みなさんよろしくお願いします」

 

 ほら見ろ! なんか既に言い淀んでるじゃないか! お前、絶対に何かしたろ!?

 

 その事に私がプルプルと怒りを抑えていれば、今度はクラスの女子達がプルプルと震え出し・・・・ むっ? イカンな。

 

「「「「きぃやぁぁぁぁぁぁぁあっ!」」」」

 

「男っ! 男子っ! 3人目の男子よっ!」

 

「それも美形! 守って欲しい系の織斑君や、守ってくれてた系の秋風君とは違う、守ってあげたくなる系の!」

 

「生きてて良かったぁぁぁぁぁあっ!」

 

 あぁー、五月蝿い! 予想はしてたが、なんて五月蝿さだ!

 

 あまりの五月蝿さに真耶も耳を塞いでるし、デュノアの奴も見るからに戸惑ってる。

 

 これ以上好きに騒がせてては話も進まんし、周りのクラスにも迷惑になる。となれば、早々に次の奴の紹介にいかなければ・・・・

 

「まだ自己紹介は終わってないぞ! 静かにせんか! ・・・・ラウラ、挨拶をしろ」

 

「ハッ! 教官」

 

「・・・・はぁ~。何度も言わせるな、此処では織斑先生と呼べ」

 

 薄々気付いてはいたが、やはりこいつは昔と変わらんか。私はもはや教官では無いと言うのに、学園でも教官呼びか・・・・

 

 だが言う事は素直に聞いて、皆の前に一歩足を踏み出し姿勢を正した。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 ・・・・そして、この一言だけか。

 

「あ、あの~・・・・終わりですか?」

   

「・・・・・・」

 

 一夏と言いラウラと言い、何故私が面倒を見た奴等はまともに自己紹介が出来んのか・・・・?

 

 真耶を見ろ。一夏の再来となる自己紹介に苦笑いを通り越して涙目になってるではないか。

 

「・・・・っ! 貴様は・・・・!」

 

「えっ? 俺?」

 

 と、あまりに酷い自己紹介に頭を抱えていると、不意にラウラが一夏の席へと近付いて行く。

 

 あの気配は・・・・ まさか!?

 

ーーバチーンッ!

 

「てぇ!?」

 

「貴様の様な奴が教官の弟などと、私は認めない!」

 

 あいつ、やってくれたな・・・・!

 

 確かにドイツに居た時に一夏の話を何回かした事もあったし、その度に不穏な感情を抱いていたのは気付いていたが・・・・ まさか会って早々にビンタをかましてくれるとはな。

 

 あまりに突然の事に一夏や生徒達も唖然としてる。いや、自己紹介の直後にそんな事をされれば当然か。

 

 仕方あるまい。流石に注意しておかねばな。

 

「ボーデヴィッヒ、貴様何を・・・・」

 

「おい小娘。テメェ、何やってんだ・・・・?」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

 なっ!? 一夏が叩かれて、秋風が動いただと・・・・? 馬鹿な!?

 

 いやだが、奴から感じる気配は明らかに怒り・・・・ 何故だ。

 

 不穏な気配しかしないっ!

 

「もう一度言うぞ。テメェ、何やってんだよ?」

 

「なんだ貴様。貴様にとやかく言われる謂われはないぞ」

 

「大有りだ馬鹿たれが。テメェ、なんで・・・・」

 

 秋風が一夏とラウラの側に近付いて行く。その身から漏れる気配は明らかな憤怒・・・・

 

 まさか、今まで散々否定して来た一夏に思う所があるとでも?

 

 ・・・・いや、ないな。間違いなくない筈だ。

 

 断言しても言い。秋風が動いて、碌な事になった試しは無い。なんだったら、禁酒を賭けても良い。

 

 どうせ、お前はまた問題を起こすんだろ? そうなんだろ?

 

「なんで・・・・ そんな半端な攻撃で済ませてやがるっ!」

 

「・・・・はっ?」

 

 ほれ見た事かぁー!

 

 なんなんだお前は! 一夏を叩いたラウラも問題だが、なんでお前はラウラに駄目出ししに行ってるんだ!

 

 見ろ! 言われたラウラどころかクラス全体が唖然としてるではないか!

 

「良いかポークビッツ! テメェが織斑一夏にどんな感情を持ってるか知らんが、今の一撃はなんだ! んなもん、ただの半端なだけだっ!」

 

「は、半端だと?」

 

 何を言ってるんだお前は?

 

 と言うか、ポークビッツってなんだ。ボーデヴィッヒだ!

 

「そうだ! 出会い頭で一撃かますにしても、なんで相手に反撃の余力を残してる? 一撃で命を刈り取れてねぇだけで、テメェの一撃が半端な証拠だろうがぁ!」

 

「は、半端・・・・? 私の攻撃が、半端だと・・・・?」

 

 おいラウラ。なんでお前は秋風の言葉なんぞ真に受けてる?

 

 明らかにおかしい事しか言っとらんだろ!

 

「奴を見ろポークビッツ。獲物はまだ生きてる。それはつまり、わざわざ相手に反撃の機会を与えてるって事だぞ? そんな半端な攻撃がテメェの全力か?」

 

「っ! ふざけるな! 私の力がその程度な訳がない! この程度の男、一撃で沈めるなど造作もないわっ!」

 

「ならきっちり仕止めろ! 後先考えず、この一撃で全てを出し切る覚悟で・・・・ 今度こそ、引導を渡してみせやがれぇ!」

 

「良いだろう! 半端などではない、私の全力を貴様に見せてやるっ!」

 

 そうこうする内に無駄にテンションの上がった馬鹿二人が一夏の前に立ち塞がる。

 

 当の本人は今のやり取りに理解が追い付かず呆然としているし、全く状況が分かっていない。

 

「良いかポークビッツ。一撃だ。一撃で、きっちり息の根を止めてやれ」

 

「ふん! 貴様になんぞ言われなくとも、私が仕止め損なう訳がなかろう」

 

「そうかい。なら・・・・」

 

「えっ? ちょ、ま、待った・・・・」

 

「「・・・・きっちり、息の根を止めてやる・・・・!」」

 

「って、いい加減にせんか馬鹿者共がぁ!」

 

ーーバチーンッ!

 

「「ふぎゃあぁ!?」」

 

 はぁ、はぁ、はぁ・・・・ あ、危なかった。思わず静観してしまって、秋風の馬鹿に巻き込まれる所だった・・・・

 

 取り敢えず馬鹿共は出席簿で叩いて沈静化出来たが、なんでラウラまで馬鹿に巻き込まれて冷静さを失ってるんだ・・・・!

 

「一限目は実技演習だ、いい加減準備しろっ! 織斑、お前はデュノアを案内してやれ!

それと秋風、お前はちゃんとISスーツを着て来い! 今の罰も含めて、授業でこき使ってやるっ!」

 

「つぅ~う・・・・ これが世に聞く、体罰か・・・・」

 

「喧しいぃ! 貴様のは自業自得だ! 体罰な訳あるかっ!」

 

 なんだったらその顔にきっちり拳を叩き込んでやりたいくらいだっ!

 

 しかも貴様、痛そうにしといてそんなダメージないだろ? 全然反省してないな!?

 

 あぁもう! ホントになんで・・・・ 私のクラスには問題児しか居らんのだ!?

 

 

ーside千冬 outー

 

 




 なんか2話に別けたくないから無理矢理1話に。お陰で文字数だけはある。

 しかも普通に書いててラウラの名字を忘れる。忘れ易いのよ、『ボーデヴィッヒ』っの『ヴィッヒ』の部分て。

 では、ターンエンド。


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