お久し振りです。2回も編集が飛んだ上にリカバリー出来たなかったから不貞腐れてた柳命です。
・・・・・・忘れられてるかな~?
ーNo sideー
それは、一瞬の事だった。
ーー・・・・
ーーゴゥンッ!
アリーナに鳴り響いていたカウントが終わりを告げた直後、観戦席から勝負を見守っていた鈴達の視界から和也の皐月がその姿を消す。それに少し遅れて響く轟音。
ーーグワッシャーンッ!
そして次の瞬間には、鉄と何かが砕ける音がアリーナ中へと響き渡った・・・・・・
「・・な、一体、何が・・・・?」
最初は何がなにやら分からなかった。先ずは轟音を響かせ和也の姿が消え、次の瞬間には新たな轟音が鳴り響いた。
その轟音の正体を確認する様に視線を動かせば、サラの視界には機体を大破されたセシリアがアリーナの壁へと埋まっている姿が眼に映った。
「セ、セシリアッ!?」
この戦いを繋いでしまったサラの眼に映る、後輩であるセシリアの無惨にも似た姿。和也は全身から蒸気の様な煙を出しアリーナの上空に佇んでいる。
次なる言葉をその口から発する前に、サラは弾き出される様に観客席から立ち上がり、アリーナに続くピットへと走り出していた。
ーービー! 模擬戦終了。ブルー・ティアーズ、SEエンプティ。勝者、秋風和也。
サラが走り去ってから数瞬、漸く認識したかの様に模擬戦の終了を告げる機械的なアナウンスが無機質にアリーナ中へと鳴り響く。
しかし、そのアナウンスが鳴った所で拍手や喝采が起こる訳でもなく、観客席では座ったまま動かない鈴達3人と、未だ上空で微動だにしない和也が3人へと背中を向けていた・・・・・・
「・・・・・・見えたか? 今の」
「・・・・ええ、咄嗟にISのハイパーセンサーだけでも部分展開出来たおかげでなんとかね」
「と言っても、そんな難しい事は何もなかったッスけどね」
そんな中、サラが居なくなった観戦席ではその場に残った鈴とダリル、フォルテの3人が上空に残る和也へと視線を向け続けていた。
先の決着に際し、3人は和也の話を聞いた直後に自身の専用機のハイパーセンサーを部分展開を用いて起動させていた。その結果、専用機を持たないサラと違って僅かであったがその決定的瞬間を捉える事が出来ていた。
・・・・とは言っても、
それでも彼女達がハイパーセンサーを介して確認する事が出来たのは・・・・・・
「まさか、あんな物騒な説明までしてた最後の決め手が・・・・」
「・・・・・・マジでただの突進だったとは思わなかったッスね~」
至極シンプルに、圧倒的な加速力を用いたただのタックルをする和也の姿だった・・・・
そう、和也の言葉に嘘はなかった。ただ皐月の有するブースター全てから
それでもIS一機分の重量を何重にも加速を掛けて突っ込めば、それだけでも間違いなく殺人的な攻撃へと変わるだろう。今回のブルー・ティアーズを大破へと導いた結果がその証明だ。
だが、そんな一撃を受けたブルー・ティアーズの搭乗者であるセシリアが無事であるのか? 本来ならその答えは否だ。
しかし、ひとつだけ思い出して欲しい。彼女達は知らない事だが、和也はIS学園への入学に際して幾つかの誓約を轡木と結んでいる。
それは轡木にとって和也を制御する為の首輪であると同時に、和也にとっても自身が過ごし易く自由に動く為の物。
その中には、確かに存在していた。
「・・・・和也の奴、ギリギリでまた
「・・・・・・ぷっ、はぁぁぁぁぁ~あっ。ギリッ、ギリでブレーキ効いたぁ~」
ーープッシュ~・・・・
そう和也が深く息を吐いたと同時に、つられた様に皐月の全身の節々から勢い良く白い煙が吹き出す。
そう、肉眼で観ていたサラには気付く事が出来なかったがセシリアに皐月の両拳が当たる直前、和也は攻撃時の真逆となる
だが、複数の
その結果がブルー・ティアーズの大破であり、セシリアの意識を奪いアリーナの壁へと叩き付ける結果となったのだった・・・・・・
『ちょっと和也、あんた最後になにやってんのよ』
「あん? 鈴? ・・・・ああ、
ゆっくりと地上へと降り始めた最中、不意に鈴から届いた声に和也が反応する。話し掛けるなら別に通常の通信でも良かったのだが、何故にプライペート・チャンネルなのか?
その理由が和也には分からなかったが、プライペート・チャンネル越しにもどこか鈴が怒っていると言う雰囲気だけは伝わって来ていた・・・・・・
『そんな事よりあんた、なんで最後の最後にあんな物騒な真似したのよ? 直前に止めたみたいだから良かったものの、あんなん直撃してたらマジで洒落にならなかったんだからね!』
「えぇ~え・・・・ だってあいつが全然諦めてくんねかったしよぉ・・・・ そもそもこの模擬戦すら俺は本意じゃねぇんだぞ?」
『それでもっ! やっちゃっ駄目なもんがあるでしょうがっ! 良いからあんたはその娘連れてピットで待ってなさい! ワタシ達も今からそっち行くから!』
「飯の時間か」
『説教の時間よ馬鹿っ!』
そう怒鳴りながら言うと勢い良く通信が切れ、和也の耳にキーンっと耳鳴りが残る。チラリと観戦席の方をハイパーセンサーを使って見てみれば、鈴がダリル達を伴ってプリプリと怒りながら移動を始めている。
こりゃマジで怒ってんなぁ~・・・・ と、肩を竦めながら溜め息を吐く様な動きをすると、和也はアリーナの壁に埋まるセシリアへと視線を向けた。
「・・・・まっ、アレを前に一歩も退かなかったしな・・・・ めんどくせぇが、運んでやるか」
そう諦め気味に呟くと和也は気絶したままのセシリアの元へと近付いて行く。
最後の瞬間、確かに和也は見ていた。命の危険すらあった自分の攻撃を前に一歩も退こうとしなかったセシリアの姿を。
そして最後の瞬間まで一矢報いてみせると諦めようとしなかった覚悟の籠った眼を・・・・・・
その姿は和也の『女尊男卑の思想に染まった女』と抱いていた認識を、僅かながら改めさせている事をセシリアはまだ知らない。
彼女がそれを知る事になるのはほんの少し後になるのだが、結果としてセシリアはその目的を成就する事に成功した。
僅かであっても、和也に自身の事を認めて貰うと言う事を・・・・・・
ーNo side outー
戦闘描写絡むなら三人称形式にしてるけど、逆に速度がだだ落ちする。
取り敢えず次話からは誰かsideを介すから楽になるけど、あんま真面目テイストは行きたくないな~・・・・・・
(* ̄◇)=3
では、ターンエンド。