労災隠しに、当事者不在の話し合い。んで慰謝料問題の握り潰し・・・・ 面倒な事してるなぁ、ウチの会社。
※尚、本編とは一切関係ありません。
ーsideシャルロットー
僕は今、一夏の言った言葉の意味が分からなかった。
和也のISの機体データを渡す? それが一夏の言ってたどうにかするって案なの?
分からない。その言葉を口にした一夏の真意が分からないよ。
その証拠に僕だけじゃなくて、和也までも黙り込んじゃって・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・っ!」
いや、違う。額にハッキリと浮かんだ青筋が・・・・・・ これ、絶対に怒ってる奴だぁ!?
「・・・・おい、織斑一夏。取り敢えず、そりゃあどう言う意味で言ってんだ?
怒ってる! 耐えてる様に見えるけど、間違いなく怒ってるよ!? だって理由を聞いてる様に見えて、僕にはハッキリ遺言って聞こえたもん!?
「デュノア社は第三世代機の開発が出来ていない。それでシャルルを学園に送り込んで第三世代機のデータを手に入れ様とした、それは和也も知ってるんだろ? なら先ずはそれを解決させれば良いんだ」
「・・・・・・・・」
「特記事項第二十一、本学園における生徒はその在学中においてあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする。これを利用すればシャルルの身柄は3年は守れる。だけどその間にデータが手に入らないデュノア社が業を煮やして卑怯な手を使わないとも言えないだろ? だからそこで和也の持つISのデータを使うんだ!」
「・・・・だから、なんでそこで俺のデータなんだよ・・・・・・!」
ま、増してる。一夏が喋る度に、和也の浮かべた青筋の存在感が増していってる・・・・・・!
なんか一夏が学園の特記事項を覚えてたのも驚きたい筈なんだけど、それ以上に気付いて一夏ぁ! 和也、絶賛お怒りモードだからぁ!?
「和也は幾つもISを持ってるだろ? なら一つくらいデュノア社にデータを渡しても問題ない筈だ」
ーーぷるぷるぷる・・・・!
「・・・・ならテメェのデータをくれてやれば済む話だろうが。なんで俺を巻き込む?」
「俺のデータは駄目だ。白式は日本政府から貰った機体だし、千冬姉にも迷惑が掛かる。それに和也はシャルルの秘密を知ってたんだろ? なら友達として、いや男として最後まで力を尽くすのが男の務めってもんだろ!」
ーーぷるぷるぷるぷる・・・・!
ふ、震えてる・・・・ さっきからずっと、和也の腕が震えてる・・・・!
取り敢えず一夏が言わんとしてる事は分かったけど、それ以上に今にでも和也が我慢の限界を向かえちゃいそうでそれ所じゃないよぉ!?
「・・・・・・最後に、ひとつだけ答えろ。そもそもお前は、これが
その和也の言葉を聞いて、今までの慌てていた頭が急激に冷静になるのを感じた。
学生の力だけで解決出来る問題・・・・ そう、確かにそうだ。そもそも僕はデュノア社と言う企業から、フランスと言う国からこのIS学園に送り込まれてる。それも本来の性別を偽った、虚偽の情報を正当化させると言う手段で。
そんな国や企業って言う大きな権力を前に、ただの学生である一夏や和也が出来る事なんて何もない筈なんだ。そもそもの相手が悪過ぎる。僕達だけの力じゃどうにか出来る様な問題じゃなかったんだ。
そんな事、冷静になれば直ぐに分かる事だったのに・・・・・・
「勿論だ! 皆で力を合わせれば、なんとかなる! シャルルの問題もどうにかして、シャルル本人も俺が守ってみせる!」
どうして一夏は、そこに気付いてくれないの・・・・?
短い付き合いだけど僕の話を信じて、守ろうとしてくれる気持ちは嬉しいよ? こんな状況じゃなかったら白馬の王子様みたいに感じてたかも知れない。
だけど、駄目なんだよ一夏・・・・ この問題は、ただの子供でしかない僕達の力だけじゃ何も解決出来ないんだよ・・・・・・
「・・・・もう良い。一周回ってキレるのも馬鹿らし過ぎる」
「なら、協力してくれるんだな和也っ!」
「んな訳ねぇだろ馬鹿が、脳ミソ沸いてんのかテメェは?」
「なっ!? なんでだよっ!」
いや、和也でなくても当然の反応だよ。僕も、一夏も、考えが甘かった。甘過ぎたんだよ。
それに、冷静になったから一夏の言ってた特記事項の穴にも気付いちゃったし・・・・・・
「先ずひとつ。覚えてた事は誉めてやるがお前が自慢気に話して特記事項、それはデュノアに対しちゃ意味がない。こいつは代表候補生だぞ? 国から支援され、国に属してるこいつが国からの要請を無視して学園に引き籠るなんか出来やしねぇ。国から帰って来いって命令されりゃあその時点で終わりだ。特記事項なんか何の効果もありゃしねぇよ」
「そ、そんな訳ないだろ! 学園の事で忙しいってことにすれば上手く誤魔化すことだって出来る筈だ!」
「そもそもデュノアが持ってる専用機は何処のもんだ? フランスの機体、延いてはフランスに割り振られてるISコアだぞ? それを持って引き籠った時点でフランスはコアの盗難って事でIS委員会や学園の上層部を突っついて強行策に出るのが目に見えてる。最悪、そうなった場合のシナリオくらい幾つも用意されてんだろ」
「そ、そんな訳・・・・・・!」
そうだね。こうなってる以上、僕を切り捨てる手段やシナリオくらい幾つも用意してるのが普通だよね。
ははっ、笑っちゃうね。現実を突き付けられて冷静になれば、僕には最初から逃げ道なんてなかったって事が嫌ってくらいに理解させられるよ・・・・・・
「な、なら尚更和也のISのデータだ! データをデュノア社に送ればシャルルの安全は確保されるだろ!」
「で、その実績を盾に更に脅されて他の専用機や果ては学園の機密情報まで盗む様に指示される。断ればスパイの事実を世間に公表するって脅され、受けても切り捨てプランのひとつで何時かは処分される。後に残るのはフランスの代表候補生を騙る犯罪者が、各国の専用機のデータを何処かに送っていたって事実だけだ。・・・・ああ、それとブリュンヒルデの弟たる最初の男性操縦者がスパイ幇助の共犯者だったってオマケも付くか」
「俺はスパイの補助なんかしない!」
「補助じゃなくて幇助だ。まぁ意味はあんま変わんねぇが・・・・ 現状でしてんだろ。俺のデータを、デュノアに渡そうとして」
うん、そうだね。和也からISのデータを貰うって事は、僕はスパイとしての目的を達成したって事になる。
つまり本当に、他国のISデータを盗んだって十字架を背負う事になるんだ・・・・・・
「それでも! それでシャルルを救う方法が見つける時間は稼げるかも知れないんだ! ならやらない手はないだろ!」
「もういい加減に理解しろよ馬鹿が。元々一般人とは言え、社会の裏を考えて無さ過ぎだ」
そう、一般人。世界で最初の男性操縦者とか言われてるけど、確かに一夏は元々一般人なんだ。だから世界の裏側で蠢く悪意とかを分かっていない。いや、分かってなくても当然だったんだ。
それなのに、僕は一夏をそんな裏側の事情に巻き込もうとしてた・・・・ ホントに、嫌になっちゃうね。
「・・・・もう良い、もう良いんだよ一夏。和也の言ってる事は間違ってない。これは、ただの学生が解決出来る様な問題じゃないんだよ・・・・・・」
「そんな・・・・シャルルっ!」
ごめんね、一夏。こんな事に巻き込んじゃったりして。せめて君に話す前に、学園にでも自首してた方が良かったのかもね・・・・・・
「・・・・話はもう終わりだな? ならとっとと部屋に戻れ。今日は疲れててもう眠いんだよ」
「っ! 和也ぁ! こんなになってるシャルルを、お前は助けようとは思わないのかよっ!」
「当たり前だろうが。助ける義理も無ければ義務もない。そもそも
「なっ!? お、お前ぇぇぇぇえっ!」
「っ!? 駄目だよ一夏っ!」
駄目だ! 逆上して暴力に走っちゃ!
ーーパシッ!
「なっ!?」
「・・・・余計な大振りに、単純な顔面狙い。俺が座ったままとは言え、まだ防ぐのは簡単だったぞ」
い、今の座った状態から一夏の拳を簡単に受け止めた? でもこれで和也が余計な怪我をしなくて良かった・・・・
「ぐっ! ううぅ・・・・・・!」
「・・・・取り敢えず、とっととこの手を引けよ馬鹿垂れ。なんでまだ力込めてきてんだ」
「う、うるせぇ! お前みたいにシャルルの気持ちも考えない薄情な奴は、一回くらいぶん殴らなきゃ気がすまないんだよ!」
「・・・・それ、完っ全に八つ当たりじゃねぇか?」
た、確かにそれは八つ当たりだと僕も思うかな・・・・? と、それよりも早く一夏を止めなきゃ!
「もう止めてよ一夏! 和也は何も悪くないし、こんな事しても意味ないよ!」
「そんな事はない! コイツはシャルルが苦しんでるのに見捨て様としてる、そんな最低な奴なんだ!」
「う~わっ・・・・ 人のデータをフランスに勝手な理由で売ろうとしてる奴がなんか言ってるよ」
「なんだよっ!」
「いい加減にしてよ一夏!」
それと、和也はちょっと黙ってて! 余計に一夏が興奮するから!
取り敢えず一夏は和也から引き離したけど、険悪な雰囲気はそのまま・・・・ いや、さっきまで以上に一夏が和也の事を睨み付けてる。
それに対して和也は心底面倒そうな顔をしてるけど・・・・ 現状、余計に場が荒れたのは和也が最後に漏らした一言のせいだからね!?
「はぁ~、次から次へとめんどくせぇな・・・・ 勝手に騒いで一人でキレて、お前の一人相撲に人を巻き込むんじゃねぇよ」
「っ!? なんだとっ!」
「一夏っ! それに和也も不必要に喧嘩売らないでよ!」
「喧嘩売ってねぇよ。心からの愚痴だ」
「和也、シャラップ!」
「そこはフランス語じゃねぇの?」
ああぁっ! 場が荒れるぅ! お願いだからちょっと静かにしててっ! 一夏を宥めるの大変なんだからね!
「・・・・やっぱり駄目だ。お前みたいに最低で薄情な奴がシャルルと一緒にいるなんて間違ってる・・・・!」
「ああ?」
なんだろう、和也の言動に頭を抱えてたら一夏が妙にブツブツ呟き始めたような・・・・?
と思ったら、余計に和也を睨み付け出した。
「和也! お前なんかにもう頼らない、シャルルは俺が守る! だからお前は、さっさとこの部屋から出てけっ! 金輪際、シャルルに近付くなぁ!」
「っ!? 一夏っ!?」
いきなり何を言ってるの? 僕が和也から言われるなら兎も角、なんで和也が僕に近付くなって話になるのさ?
分からない・・・・ さっきから本当に分からないよ、一夏!
「ふ~ん・・・・ あっそ。別に良いぜ、
「千冬姉は関係ないだろっ!」
「個人的な理由で部屋から、延いては寮から追い出すんだ。当然、そいつはちーちゃん並みの権力やらでやろうとしてんだろ? なら無関係じゃねぇだろうが」
そう言うと未だ怒り心頭にしてる一夏を横目に和也は机のノートパソコンを鞄に仕舞うと、まるで当然とばかりに部屋の扉へと歩き出した。
まさか、本当に出ていくの? そんな・・・・ 待ってよ! 一夏も言い過ぎたけど、だからって和也が出て行く必要なんてないじゃないか!?
「ま、待って和・・・・」
「んじゃ、後は一人相撲でも何でも好きに続けてろ」
ーーバタン
それだけ言い残すと、和也はあっさりと部屋を出ていった。後に残ったのは満足そうな顔をしてる一夏と、何も出来ずに立ち尽くした僕の二人だけ・・・・・・
「大丈夫だシャルル。まだ3年は時間があるんだ、どうにかする方法は見つかるさ。大丈夫、俺がシャルルを守ってみせるから! 俺に任せとけって!」
そんな一夏の言葉が、嫌に軽く・・・・ 余計に薄っぺらく聴こえる。
最初に僕を助けようとしてくれたのは本心かも知れない。そこは信じられた。
だけど、一夏。今の君からは信頼も安心感も何も感じないよ・・・・・・
だって君は、個人的な感情で和也を排除してしまったじゃないか。少なくとも、考えの甘かった僕達に現実を分からせてくれた相手を・・・・・・
僕は本当に、これからどうすれば良いんだろ・・・・・・
誰か、助けてよ・・・・・・・・
ーsideシャルロット outー
一夏ってアンチ物でもそうじゃなくても、取り敢えずシャルを助けたいって思った部分は本心だと思う。でもそこでどうやって助けるのか、自分がどうすれば良いのかを考えてるか否かで、アンチ系か非アンチ系かどうかが別れるんだろうね。
だけど仕方ない、彼は元々一般人。そう言う社会の闇みたいなのとは縁の遠い暮らしをしていたんだから、現実を突き付けても素直に納得は出来ないだろう。
それこそ、自分が過去に国によって都合の悪い事を握り潰された事があったとしても・・・・・・
と言う訳ではい、和也と一夏の仲に更なる亀裂です。そもそもシャルの問題も、基本的に一夏が勝手に一人で背負い込もうとしてる訳だし、一人相撲って強ち間違ってないと思う訳ですよ。シャルを助けたいって気持ちは本心であろうとも。
さて、簪の専用機の話からずっと真面目(弱)な話が続いて文字数も取られてるが・・・・ そろそろふざけたい。そして和也も、ふさげてる位が丁度良い。
そろそろちーちゃんの胃にダメージを当てに行くか・・・・・・
では、ターンエンド。