闇から闇へ出でしモノは感情という深淵の恐怖   作:ハトメヒト(ヒットマン)

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私の力量不足が招いた結果だ。
申し訳ない。


最終話 終焉

「なんだっていうの?」

 

 森の番人と呼ばれる者達に追われていた。

 何とかして追っ払ったけどまだ追ってくる。

 

「待て、マタぬか!?」

「オヌシの相手はワシだ!」

 

 そんな場面を水晶玉で覗いていた。

 いつもと変わらない。

 退屈で退屈でつまらない。

 そんなのであっても暇つぶしにはなる。

 

「空白は如何ですか?」

 

 ウサギの耳をした女の人が立っていた。

 物語手が先ほど生み出した召使だ。

 そんなものは、一時の退屈しのぎでしかない。

 

「いや、いらないよ。全ての物語が終焉を迎える」

 

 そう書き連ねる事によって、全てが終わった。

 何もかも無に還り全ては閉じられる。

 多きことには、何も無く。

 

「俺に言えることはただ一つだけだな、復讐のみ――」

 

 物語手はそっとささやいた。

 何を起こすも全てが私の思い通りに動き出す。

 7つの大罪を作り出したのも私を倒せるものを作るために書き連ねた。

 

「つまらない、心の虚空さえも退屈でしかない」

 

 当たり前だ。私自身が書けば、その通り事柄が動き出すのだから――

 この世界の住民は全てが私の操り人形。

 誰もが誰も動き出す。

 動かないのは“ボク”と“神”だけ。

 

「皮肉なものだ。物語手であるのに、ボクや神だけは動かすことさえ出来ないのだからな……」

 

 物語手は嘆いた。

 己の力には及びがつかない。

 自分自身を殺すという行為が無理だということを――

 

「ふむ、どうしたものか……。闇の国は滅び光の国は3分の2が消滅したからな、この後はどうするにも何もできないのだが――」

 

 一体彼は何を求めていたのだろうか?

 

 自分の復讐のための戦いはもう終わる。

 ならばタクマを動かし、ここに連れてくることにしよう。

 そう考えるのが妥当だった。

 

 自分を殺せる者は居なかった。

 だが彼なら殺してくれるだろうという淡い希望を抱いた。

 

「シロウサよ。頼みたいことがある聞いてくれるか?」

「何なりとお申し付けください。物語手様の空白あるところ、私が埋めて差し上げましょう」

 

 丁寧なお辞儀をした。

 うさ耳は垂れ下がり、淡い銀の長い髪がふわりと浮いた。

 

「よし、2時間後タクマを連れて来い」

 

 そう言った次の瞬間、シロウサは瞬間移動した。

 

「続きを見ることさえ叶わないか――まぁかの者より賜ったものは力の水面(みなも)。防御は薄く破滅を待つのみってことか――」

 

 しばらくすると慌てた様子でシロウサは戻ってきた。

 タクマを連れてきていたようだ。

 

「オマエ、オマエ! コロスウウウウウゥゥゥ!」

「ほう、威勢が良いじゃないか……殺され甲斐があるってものだな」

 

 物語手は冷や汗をかきながら凶暴性に内心ビビっていた。

 

「コロス! コロス! コロス――」

 

 タクマは心神刀を振りかざすと衝撃波を巻き起こし辺り一面を粉々にした。

 

「やっと……帰れる仲間のもとに――」

 

 そう言って全て消えると、世界は空白で埋まり真っ白になった。

 

 

――目が覚めると僕は病室にいた。

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