仮面ライダー×仮面ライダー剣〜triple joker〜 作:メタカイザー
ディケイドとジオウはパラレルなので、俺も2次創作としてやりたいことをやるスタイル
「はあああああっ!!」
「くっ!?」
グレイブは凄まじい雄叫びとともにグレイブラウザーを振りかざし、カリスへと襲いかかる。
カリスもまたカリスアローで応戦し、その刃を受け止める。
「どうして…さっきは私を助けてくれたのに…どうして仮面ライダー同士が争うの!?」
そして天音はそんな二人の激突を悲しき疑問を抱きながら見守ることしか出来なかった…
「なぜだ…さっきは天音ちゃんを助けてくれたお前が!?」
「言ったはずだ、貴様の戦闘データを取るためだとな!!」
「剣崎をとらえたのは貴様か!?」
「奴は面白いように奇襲攻撃に引っかかってくれたよ!正直な戦い方しかできない奴ほど罠にかけやすい!」
「貴様ぁ!!」
カリスは怒りとともにグレイブの剣を押し返し、今度はこちら側からの反撃を開始した。
先ほど仕掛けてきたグレイブの手数よりはるかに多く攻撃を仕掛け、それはやがてグレイブのボディを切り裂く。
「くっ…!?」
攻撃を受け、跳ね飛ばされたグレイブは受け身を取りながら地面を転がり、態勢を立て直して、グレイブラウザーのカードホルダーを展開する。
そして黄金のケルベロスが重力の球体を生成しているようなイラストが描かれた一枚のカードを取り出し、カードリーダーへとラウズする。
するとそのイラストが青い光となって具現化し、グレイブラウザーの刀身へと吸収されて行く
「はあああああっ!!」
グレイブは雄叫びとともに剣を構えて腰を落とし、刃が金色に輝くと共に、標的であるカリスに向けて俊足で走り出す。
「でやあああああっ!!」
そして鋭く煌めく黄金の一閃をその漆黒の体に向けて振り下ろした。
これがグレイブの必殺技「グラビティスラッシュ」である。
カリスはその攻撃もしっかりと見極め、カリスアローで的確に防いだ。
しかし、威力を殺しきることはできず、その攻撃を胸部へと受ける。
「ぐあああああっ!?」
「始さんっ!!」
カリスは胸部から緑の血を吹き出しながら、硬い地面へと叩きつけられた。
グレイブは緑の血が付いた刀身の切っ先をカリスに向けながら、じわじわと迫る。
「やるな…伝説のアンデッドに変化しているだけのことはある。だがこんなものは貴様にとってほんの一部の力にすぎん筈だ…剣崎一真は俺に捕まる最後まで本当の姿を見せることを拒んだが、お前は見せてみろ…ジョーカーとしての姿を…!」
「…俺はならない…天音ちゃんの前で、あの姿には…」
すでにカリスとしての姿は見せてしまった。天音ももう成長と共に気づいている。
だがあの姿だけは、天音の目の前でなるわけにはいかない。
「ならば…もっと苦しめ!」
グレイブはさらに攻撃を加えようと、黄金色の刃を振り上げる、だがその直前、カリスの前に天音が両腕をいっぱいに広げて守るようにグレイブに立ちはだかった。
「天音ちゃん!駄目だ!逃げるんだ!」
「どけ女、怪我では済まさんぞ?」
「恐くなんて…ない!」
天音は強く、揺るぎない勇気を秘めた瞳で、グレイブを睨んだ。
グレイブはそんな彼女の発言に面食らったように仮面の下で眉間に皺を寄せる。
「なに?」
「始さんは今まで、私をずっと守ってくれた…剣崎さんも、人間を…始さんを守るために自分を犠牲にして戦ってる!橘さんだって、睦月さんだって…自分のためだけに、欲望のためだけに暴力を振るって他人を傷つける貴方なんか…恐くない!!」
天音のその言葉と共に張り詰めた空気が流れ、しばし時間が止まったかのような膠着状態が続く…
やがてグレイブはグレイブラウザーをホルスターに納刀すると、天音とカリスに背を向けた。
「…まあいいだろう、戦闘データと血液サンプルは取れた。実験を最終段階に進める。」
それだけ言うと、自分のマシンに跨り、凄まじいエンジン音をあげる。
「相川始!その首預けてやる!」
グレイブはそのままマシンを走らせ、風のように去って行った…
…戦いはひとまず終わった。
カリスは立ち上がり、ハートのカテゴリー2「スピリットヒューマン」のカードを取り出し、カリスラウザーにラウズする。
『spirit』
電子音声と共に出現した水面の波紋の揺らめきにも見た輝きを通り抜け、カリスは始の姿へと変化する。
相川始としての姿は、あくまでヒューマンアンデッドの姿を借りたものであり、本来生粋のジョーカーである始に人間の姿など存在しない。
本当の姿を命を賭して守りたいものには見せられない。
その苦しみは始の心を強く縛り付けていた。
「始さん…!」
今の始は戦いで付けられた傷跡から緑の血が流れ、異形である証を曝け出した状態である。
それでも天音は、幼い頃と変わらない気持ちで始の胸に飛び込んだ。
「始さん…会いたかった…ずっと会いたかった…!」
「ありがとう、天音ちゃん。」
始もまた天音を抱きしめ、彼女の優しさに寂しさと哀しみに満ちていた心を癒す…
懐かしいあの時の時間に、二人はこの時だけ戻ることができたのである。
…
一方、アジトに戻った純一は司令室にて、レオールからの叱責を受けていた。
レオールは獣のような獰猛な目で、純一の胸ぐらに摑みかかる。
「貴様の行為はショッカーへの裏切り行為だ!よって俺が直々に処刑してやる!」
「裏切り行為…だと?俺の計画に横槍を入れたのは貴様だろう?必要のない手段は取らない…そう言ったはずだ。」
「貴様の手腕が生ぬるいからだ!ショッカーの幹部になった以上、世界征服の為に手段を選ばないのは当然!その方針に従わぬ貴様は死刑だ!」
「…一つ聞くが、貴様に何の権限がある?」
「何…!?」
レオールは純一の冷淡な一言にさらに怒りを燃やすも、その全てを見透かすような冷たい眼差しに踏みとどまらされたり。
「すでに首領は姿も声も貴様らに伝えなくなり時間が経っていると聞く。ならば幹部がどのような方針で計画を実行しようが自由なはずだ。それを制限する権利が、レオール、貴様にはあるのか?」
「そんな理屈が通るとでも思ったか!?」
レオールは右手を鋭い爪の生えた異形のモノへと変化させ、純一へと突き出す。
純一はそれを紙一重でかわし、冷淡な微笑を浮かべた。
「安心しろ。俺はちゃんと幹部としての役目を果たすさ。」
それだけ言うと、純一は司令室を去っていく。
残されたレオールは鋼色の爪を構えたまま、純一が出て言ったドアを睨みつける。
「海東純一…必ず消してやる…アルビノジョーカーの力も必ず頂いてな!」
…
司令室を出た純一は、剣崎が囚われた地下牢へと姿を現した。
眠っていた剣崎は純一の気配に目を覚まし、疲労の色が濃い様子で口を開く。
「なんだ、また実験か?せめてバイト代に飯くらい出してほしいもんだな。」
「冗談のセンスはあまりないようだな。」
「そりゃ悪かったな。」
剣崎が吐き捨てるように言うと、純一は牢の扉を開ける。
その瞬間、剣崎は獣のような俊敏さで純一に飛びかかった。
純一は剣崎の攻撃を防ぐと、二人は至近距離で睨み合う。
「寝起きは最悪のようだな。」
「おかげさまでな…!」
二人は膠着状態を解くと、純一はポケットから鍵を取り出し、剣崎の四肢にはめられた拘束具の鍵穴にはめ、一つずつ外していく。
「何…!?」
剣崎が目を丸くしているうちに、全ての拘束具を外し終えた純一は再び冷淡な目で剣崎を見つめ、口を開いた。
「ここから出ろ。そしてこのアジトから逃げ切ってみせろ。」
「…どう言うつもりだ?」
「俺の馬鹿な同僚が貴様の仲間に迷惑をかけた。おかげで俺も相川始のデータが取れたが、まだ肝心なジョーカーの戦闘データが取れていないんでな。貴様にはここから逃げ出し、ショッカーの包囲網を突破してもらう。」
「結局自分の目的のためか…どこまでも人を利用しやがって…!」
「もう大人しくしている貴様のデータなど必要ない。俺がアルビノジョーカーの力を手に入れるため、最後の働きをしてもらうぞ。」
「なぜそんなにしてまでジョーカーの力を欲しがるんだ!?そんなに支配者になりたいのか!?」
純一は少し憂いのある目をした後、再び剣崎へと視線を戻す。
「俺の世界には、かつて強大な力を持った支配者がいた。」
「え?」
「…そいつは人々の目と耳を閉ざし、善意を押し付ける偽りの優しさで世界を支配していた。奴はディケイドによって倒されたがな。」
「ディケイド…」
剣崎は何度か共に戦った破壊者の異名を持つ仮面ライダーの姿を思い浮かべる。
彼らふたりは素顔で出会ったこともあるのだが、それが正しかったモノなのか、それともパラレルの一つに過ぎないのか、それは見るものの視点に任せておこう。
「俺はアルビノジョーカーの力で第二の奴となり、再び俺の世界を支配する…!」
「貴様は、再び人々から自由な意思を奪おうと言うのか!?」
「自由など、争いの種でしかない。力で人々を押さえつけ、自由を奪い管理することでしか真の平和はなしえない。」
「違う!そんな平和は偽物だ!」
「それでも平和だ!」
突然声を荒げた純一に、剣崎は思わず言葉を失ってしまい、呆然とする。
「貴様も、放浪の旅で世界中の格差は嫌という程見てきたはずだ。国に、人に自由など与えるから、争いが起き、虐げられる人々が生まれてしまう…ならばいっそ、圧政による平和で全てを押さえつけることこそが必要なのだ…!」
「…ならなぜ、お前はそんなに辛そうなんだ。」
剣崎の一言に、純一は体を貫かれたような衝撃を感じる。
剣崎は先ほどの敵を睨むような視線から一転、熱くなる純一をどこか心配するような瞳で彼を見つめる。
「お前も本当は、人間の自由な意思を認めているんじゃないのか?だけどそれじゃ世の中の理不尽に立ち向かうことができないから、自分に無理に言い聞かせてる。今の俺には…純一、君がそう見える。」
純一はあの破壊者と同じことを言い放った剣崎の言葉に驚き、唇を噛む。
そして、振り払うように剣崎を殴りつけた。
「くっ!?」
「貴様の戯言に付き合う気は無い。俺に従う気が無いのなら、もう一度直々に相手して今度こそジョーカーの姿を見せてもらうぞ。」
純一はグレイブバックルを取り出し、構える。
剣崎はそれを見て奥歯を噛むと、一目散に牢から駆け出していった。
純一はそれを見つめ、淡々と呟く。
「そうだ…ジョーカーの力を俺のモノとするため…貴様にはまだ役に立ってもらうぞ…すべては、俺が第二のフォーティーンとなるために…!」
…
始は天音を「ハカランダ」の前へとバイクで送り届けていた。
バイクの後ろから降りた天音は、メットに隠れた始の瞳を見つめながら、寂しげに微笑む。
「ありがとう、始さん。」
「…天音ちゃんに、引き止められるかと思った。」
「…本当は、行かないで、ひとりにしないでって言いたいよ。でもそれじゃダメ。始さんは今まで、命がけで私を守ってくれた。私もそれに甘えっぱなしの子供のままじゃいけないって、それじゃあいつまでも本当の私にはなれないんだって、戦う始さんの姿を見てわかったの。私はもう、一人で歩いていける。だから始さんは、始さんの人生を歩いて。剣崎さんがくれた、人間としての人生を。」
「天音ちゃん…助けが欲しい時は、俺はいつでも飛んでくる。だから安心してくれ。」
「ありがとう、始さん。」
始は天音に微笑むと、バイクを走らせ、夜の闇に去っていった。
天音はそんな始の後ろ姿を見ながら、優しく囁く。
「本当にありがとう始さん、がんばって…仮面ライダー、カリス。」
…
天音から…というよりも剣崎から間接的に、敵が…あのグレイブというライダーが企んでいる計画を聞いた始は、剣崎を救う決意を固め、ハンドルを握り締める手に力を込める。
そしてその決意に応えるように、一台のバイクが始の前に停まり、始もマシンを停止させる。
「一文字…さん。」
「ブレイドが捕らえられている場所…奴らのアジトがわかった…乗り込むぞ!」
「…はい!」
運命の歯車はいよいよ佳境へと突入し…その動きを加速する。
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