仮面ライダー×仮面ライダー剣〜triple joker〜   作:メタカイザー

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剣崎のターン。
ブレイドのジョーカー態についてはヒロサガ、小説、韮澤氏のイラストなどいろいろありますから、好きな姿を思い浮かべていただけると
しかし俺の文章は台本のようだ


4話

始と隼人がマシンを走らせ、たどり着いたのは、人気のまるでない、静まりかえった山間であった。

 

暗く深く生い茂る森と、無機質な岩肌に囲まれたそこは、この世のものとは思えないくらい静かで、そして不気味であった。

 

「ここは?」

「地獄谷と呼ばれている場所だ。ここに奴らのアジトがある。」

 

二人はマシンから降り、切り立つ断崖絶壁を眺めた。

地獄谷…その名の通り地獄の一部分を切り取ったというような表現にふさわしいその地に、全身に戦慄を感じる。

 

「ここに、剣崎が…!」

 

始は拳を握りしめ、剣崎を救う決意を新たにした後、少し寂しげな表情を見せ…ブレイバックルを取り出し、隼人に差し出した。

 

「それは?」

「ブレイドの変身ベルトです。一文字さんにお願いします。剣崎を助けて、このベルトを渡す役目を…あなたに頼みたい。」

「…本当は、お前自身で助けたいのではないのか?」

「…俺とあいつはジョーカー、世界に破滅をもたらす存在です。出会ってしまえば闘争本能を掻き立てられ、意思とは関係なく戦いを始めてしまう…だから、あなたにお願いしたい。」

 

隼人は二人にのしかかる運命の重さを肌で感じ取り、思い合っているのに触れ合うことすら許されない哀しみに深く共感した。

今のライダーと、昔のライダー、それぞれライダーになった経緯も、方法も違う。

だけど背負っているものは変わらない。

今の自分にそんな後輩達を救うことができるのなら…隼人はブレイバックルを受け取ると、強く始に誓った。

 

「わかった、これは必ずブレイドに渡そう。」

「ありがとうございます。」

 

二人が固い約束を交わした直後、研ぎ澄まされた感覚が邪な殺気を感じ取った。

同時にたくさんのショッカー戦闘員達が周囲を取り囲み、剣やスティック、ナイフといった武器を構えていた。

 

「…どうやら、お出迎えのようですね。」

「始…死ぬんじゃないぞ!」

 

始はチェンジマンティスのカードを、隼人は変身ポーズを取り、戦う姿へと変わる。

 

『変身!』

 

今、最後の戦いの火蓋が切って落とされた。

 

「おりゃ!!はぁっ!!」

『イイ〜!?』

 

アジトの牢から逃がされた剣崎は、襲いくる追っ手の戦闘員達を倒し、深い森からの脱出を試みていた。

 

しかし、暗く視界の悪い森の中で、こうもたくさんの戦闘員達からの攻撃があっては、思うように前には進めない。

純一に行われていた実験と牢に閉じ込められていた疲労もあり、生身のままでは剣崎の体は限界に近づいていた。

 

「はぁ…はぁ…くそ…体が重い…」

「見つけたぞ剣崎一真!!」

 

体を引きずるように歩く剣崎の前に、地面を凄まじい勢いで突き破り、濃い灰色の体色と頑強なボディが特徴的な怪人が出現し、立ちはだかる。

モグラを改造し、地中を自在に動き回る能力を持った、地底怪人モグラングである。

 

「怪人…!?」

「グオオオオン!!どうやって牢から逃げたかは知らんが、この地獄谷からは逃がさん!大人しく捕まってもらうぞ!!」

 

モグラングは右手の鋭く尖った槍状の爪の先端を剣崎へと向け、じわじわと迫り来る。

もはや剣崎に、生身で抵抗するだけの体力はなかった。

 

「やるしか…やるしかないのか…」

 

ジョーカーに変身するということは自身の闘争本能を著しく刺激する行為であり、どこかで監視しているであろう純一の思惑通りの行動だ。

それになにより、今はあのアルビノジョーカーの力を完成させてしまうことで純一を不幸にしてしまうのではないかという心配が剣崎にはあった。

自分は望んでジョーカーになり、友への思いで運命と戦い続けているが、純一は本心を隠し、無理に力を手に入れようとしている気がしてならない。

だからたとえ似て非なるものであったとしても、ジョーカーの力を純一には持って欲しくなかった。

だがまた捕まり、ショッカーに連れ戻されるわけにはいかない。

純一でなくても、ショッカーの科学陣ならジョーカーである自分の体をさらに研究し、悪用しかねない。

なにより、こんな形で運命との戦いからリタイアするわけにはいかない。

辛くても、苦しくても、自分が選んだ道なのだ、誰かに干渉され、壊されては絶対に行けない。

 

「…うおおおおおおおおっ!!!!」

 

剣崎は天に向かって高く咆哮し、体を水面の揺らめきに似た輝きに包んで行く。

そしてその姿を…運命と戦うために変貌した異形の姿・ブレイドジョーカーとでもいうべき姿へと変えた。

その凄まじい殺気は威勢が良かったモグラングさえもたじろがせる。

 

「グオオンッ!?こ、これが奴の…ジョーカーとしての姿だというのか!?」

「フウ…うああああああっ!!」

 

ブレイドジョーカーはその手に武器である破壊剣「オールオーバー」を出現させると、雄叫びとともにモグラングへと切り掛かっていった…

 

そしてブレイドジョーカーへの変身はオートカメラを使い、アジトの研究室へも送られていた。

映像モニターはケーブルで培養カプセルへと繋がれ、カプセルの中にはアルビノジョーカーのベスタが脈打つように不気味に光り始めており、純一はそれを見て不気味に、満面の笑みを浮かべる。

 

「さあ、俺のものとなれ…偉大なる力よ…お前の誕生の為に、切り札(ジョーカー)の生命を捧げよう!」

 

「ッ!?」

 

2号ライダーと共に戦闘員達を蹴散らしていたカリスは、闘争本能の疼きを感じ取り、強い痛みのような感覚を感じる。

剣崎がジョーカーに変身した…離れていても感じ取ったのである。

 

「どうした!?」

 

カリスをサポートするように背後に2号ライダーが移動し、彼の身を案ずる。

カリスは闘争本能の疼きをこらえながら、2号に語りかけた。

 

「剣崎が…ジョーカーに変身した…!」

「なんだって!?」

「2号ライダー…ここは俺が相手する…剣崎を…剣崎を…!」

「…わかった!トオッ!!」

 

2号はライダージャンプで遥か彼方へと飛翔するかのごとくジャンプし、崖の上に広がる深い森へと向かった。

残されたカリスはカリスアローをその手に構え、戦闘員達を真紅の眼で睨み据える。

 

「貴様達の相手は…俺だ!!」

 

「ウオオオオオッ!!」

 

ブレイドジョーカーは凄まじい方向と共にオールオーバーを振り上げ、モグラングへと襲いかかった。

闘争本能の赴くまま、全てを一撃のもとに両断するオールオーバーを振るう姿は、「残酷な殺し屋」と称されるジョーカーアンデッドの呼び名にふさわしい、獰猛で凶悪に目の前の敵を屠るために攻め立てて行く。

 

右手の鋭い爪と左手の巨大なアームで応戦するモグラングも、やがてジョーカーの猛攻に対応できなくなり、鋼鉄のように硬い体も、オールオーバーの凄まじい切れ味によって切り刻まれて行く。

 

「グオオオンッ!?馬鹿なぁ!?」

 

自分の体が紙切れのように切り裂かれてしまうことを信じられないまま、モグラングはズタズタに切り裂かれ、斬られた痕から青白い光を放ちながら、粉々に爆散した。

 

「フウウウ…!」

 

敵を倒し、ようやく闘争本能が落ち着いたブレイドジョーカーは、深く息を吸うと、剣を持つ手を下ろす。

その瞬間であった。

 

「弾丸!スクリューボール!!」

 

突如鋼のごとく硬い球体が高速で回転しながら飛来し、ブレイドジョーカーの背中を直撃した。

 

「ぐあっ!?」

 

ブレイドジョーカーは跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられて剣崎の姿へと戻った。

 

「くっ…」

剣崎は顔を上げて球体が飛来した方向を睨むと、球体はアルマジロ型の改造人間となって剣崎を見下ろしていた。

鋼鉄怪人・アルマジロングである。

 

「剣崎一真!よくもモグラングをやってくれたな!捕まえる前に徹底的に痛めつけてやる!!」

 

アルマジロングはその鋼鉄のように硬い体を球体状に丸め、高速で回転し始める。

そして剣崎に向け、一直線に突き進む。

 

「弾丸!スクリューボール!!」

 

生身の体でこれを食らえば、剣崎の不死の体とはいえタダでは済まない。

剣崎は立ち上がって回避しようとしたが、先ほどの不意打ちで体が思うように動かなかった。

 

「万事休すか…!」

 

このまま再び捕らえられてしまうのか?

そんなピンチの最中、突如一人の戦士が宙を舞いながら飛来した。

2号ライダーである。

 

「トオオオッ!!」

「ヌオオオッ!?」

 

2号ライダーはフライングキックでアルマジロングを蹴り上げると、剣崎の前に着地した。

剣崎は顔を上げ、突如現れた何度か共に戦った戦士の姿に驚いた。

 

「貴方は…仮面ライダー2号!?」

「ブレイド、大丈夫か!?」

 

2号ライダーは剣崎に手を差し伸べ、剣崎はその手を取って立ち上がる。

剣崎は2号の真紅の複眼を見つめ、微笑する。

 

「ありがとうございます!でも、なんでライダー2号がここに?」

「お前を実験に使い、恐ろしい力を作り出そうとしている計画をカリス…相川始を通じて知ったんでな。」

「そうか…俺と始は出会うわけにはいかない…だから貴方に俺の助けを頼んだんですね。」

「これも預かっているぞ!アルマジロングに仕返ししてやれ!」

 

2号ライダーはブレイバックルを取り出し、剣崎へと渡した。

剣崎はそれを見て、始がどれだけ自分を心配し、思ってくれたのかを感じた。

 

「始…すまない。」

 

本当は今すぐにでも別の場所で戦っているだろうカリス…始のところに駆けつけ、助けて感謝したかった。

だがアンデッドが自分達だけな今、闘争本能の刺激と世界の破滅を防ぐためにも、会うわけにはいかない。

それが寂しく、悲しかった。

 

「お前の思い…受け取った!」

 

剣崎はブレイバックルにスペードのカテゴリーA「チェンジビートル」のカードを装填する。

同時にブレイバックルからはカード状に赤いベルトを出現し、剣崎の周囲を舞う。

そして剣崎の腰にベルトが装着されると、剣崎は両手を腰に構え、右手をゆっくりと前に突き出す。

そして眼前で右手を鋭く返すと、強く、剣のように鋭く研ぎ澄まされた勇気を持って叫ぶ。

 

「変身!!」

 

そして、まるで自身の象徴であるスペードを描くかのように右手と左手を交差させ、左手を突き出し、下げた右手でブレイバックルのレバーを引く。

同時にカードが装填されたベルトのバックル部がターンし、金色に彩られたスペードの証が現れた。

 

『turn up!』

 

電子音声と同時にバックルの中心部が青く輝きながら、Aのカードのイラストであったヘラクレスオオカブトが大きく描かれたスクリーン「オリハルコンエレメント」が剣崎の前に映し出される。

 

「うおおおおおっ!!!」

 

剣崎は先ほどのジョーカーの凶悪な叫びとは違う、真っ直ぐな戦意と勇気を持った雄叫びと共に駆け出し、オリハルコンエレメントをくぐり抜けた。

そして、スクリーンをくぐり抜けた剣崎は…

 

超金属糸「ミスリルケプラー」と特殊金属「オリハルコンプラチナ」によって作られた蒼き鎧「ブレイドアーマー」をその身に纏う。

 

かつて友と世界を天秤にかけてしまった戦いの中で、自らを異形へと変え全てを救った紫紺の戦士・仮面ライダーブレイドが今再び、悪の野望を蹴散らすため、蘇ったのである。

 

「ウェェェェイ!!」

 

ブレイドはその特徴的な掛け声と共に腰のホルスターから醒剣ブレイラウザーを引き抜き、アルマジロングへと挑んでいった。

戦いはこれからである!

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