仮面ライダー×仮面ライダー剣〜triple joker〜   作:メタカイザー

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カリス活躍させようとしたら予定を変更して2号無双になった。やはりゲストを活躍させねば。
レオールのキャラあまりに存在感なくてビビってるけど、オリキャラなんてこんなもんよ


6話

2号と狼男は取っ組み合いながら森を離れ、木々ひとつない土ばかりの場所へと戦う場を移動した。

2号は狼男を突き飛ばし距離を取ると、敵を指差し、叫ぶ。

 

「狼男!来い!」

「アオオオオン!!」

 

狼男は両手の指を2号ライダーへと向け、そこから放つロケット弾を連射し、攻撃を仕掛けた。

2号ライダーは攻撃を見極め、大きく動いてそれを回避していくも、狼男はその隙を狙い、三角飛びで飛びかかって爪で攻撃を仕掛けて来た。

 

「チィッ!!」

 

2号は紙一重でなんとか回避するが、胸のコンバーターラングに攻撃がかすり、そのまま狼男は両手の鋭い爪で2号を攻め立てていく。

狼男、やはり強い。2号はそう思った。

この前のサボテグロンはテストに合格しただけの素体を用いた所謂ハリボテのようなものであったが、この狼男は戦闘テストで平均以上の能力を発揮し、実戦の経験もある優秀な人間を素体として改造されているのかもしれない。

そして狼男という幹部怪人のデータをもとに改造されているので、これほどの戦闘能力を持っているのだろう。

だが、2号も相手の猛攻に負けじとパンチやキックを繰り出して応戦する。

確かに強い、だが自分が戦った狼男とはまるで違う。

あの金色の狼男は…ゾル大佐は、戦闘能力が高いだけではなかった。

様々な恐ろしい作戦を立案し、自分を何度も苦しめ、底しれぬ悪としての恐ろしさを持っていた男だった。

あの強さも恐ろしさも、あの男がショッカーであの地位を築き上げるまでに積み重ねて来たものであったのだろう。

目の前の狼男は確かに強いが、ゾルのような恐ろしい悪の心は感じない。

よってどれほど強くても、脅威には感じない。

2号は狼男を背負い投げで投げ飛ばすと、敵の顔面に向けて思い切り拳を突き出した。

 

「ライダーパンチ!!」

 

2号のライダーパンチ、自身の象徴である力を拳に乗せ、相手に叩きつける、鋼も貫くパンチ…

2号が放つ力の塊のパンチは、容赦なく狼男の顔面を貫いた。

 

「ウオオオオオンッ!?」

 

狼男は凄まじい一撃に吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた。

だがよろよろと立ち上がり、2号に立ち向かおうとする。

そして2号は容赦なく、狼男に言い放った。

 

「いくぞ狼男!トオッ!!」

 

2号はライダージャンプで宙に舞い上がり、空中で回転する。

そしてそこでキックポーズを取り、狼男にトオッと蹴り込んだ。

 

「ライダーキック!!」

 

仮面ライダーの中でもっともポピュラーであり、敵を倒した技の中でも仮面ライダーの象徴的な技であるトドメの一撃「ライダーキック」

稲妻を呼ぶかの如き真紅の鉄槌は狼男の胸部に鋭く、強くぶち当たった。

 

「オオオオンッ!?」

 

蹴り飛ばされた狼男は大地へと叩きつけられた後、ゆっくりとまた立ち上がる。

そして引きずるように数歩歩いた後、両腕を上げ、断末魔の絶叫を放った。

 

「ウオオオ…ン…!」

 

狼男は仰向けに地面に倒れこむと、轟音を上げた爆散した。

どれだけ強くてもそこに魂がなく、形だけ真似たモノ、なにより自分達の欲望のために他者を犠牲にすることを厭わない悪が、仮面ライダー2号に敵うはずはないのである。

 

「ゾル…貴様の亡霊、地獄に送り返したぞ…さて、俺の後輩達を助けに行くとするか。」

 

2号は地獄の底で眠る憎き最大の敵を今は追悼し、また新たな戦いへと向かうのであった。

 

「グラゴオオオオオッ!!」

 

怪人と化したレオールは、特徴的な雄叫びとともに両腕を振り上げ、カリスへと襲いかかる。

巨大な腕に生えた鋼鉄以上に固く、剣よりも鋭い爪はカリスアローの刃すら簡単に受け止め、はじき返し、カリスの黒い鎧を簡単に斬り裂いた。

 

「グッ…!?」

 

ダメージを受けたカリスは地面に膝をつき、レオールはそんなカリスを嘲笑うように追撃を仕掛ける。

 

「どうした!?俺を雑魚呼ばわりした割には苦戦しているじゃないか!!」

 

レオールは再び強く爪を突き出し、カリスはなんとか後転してそれを回避する。

爪が直撃した地面は大きく抉れてしまい、レオールの剛力を物語る。

 

「なんて力だ…」

 

カリスはレオールを過小評価しすぎていた自分の判断を戒め、同時にこの場を凌ぐ方法を考える。

このままではすぐに勝負はつかないが、剣崎が戦いの中にいる今、時間もかけていられない。

こうなればカテゴリーKの力を使い、勝負に出るしかないのか…

その時、風を切るような声が周囲に響いた。

 

「待てぃ!!」

 

同時に、カリスの側に仮面ライダー2号が着地し、レオールの前に立ちはだかるのであった。

 

「2号ライダー!?」

「カリス!お前はブレイドの所に行け!奴もお前を待っている。自分達を切り裂く運命と戦うんだ!!」

「…はい!」

 

二人の会話はそれだけで十分であった。

カリスは立ち上がり、持ち前のスピードでレオールの横をくぐり抜けて言った。

残されたレオールは誤算に舌打ちしながらも、2号の姿を見て再び両腕の鋭い爪を構える。

 

「邪魔されたがまあいい…仮面ライダー2号!貴様は力の戦士と聞いている!俺も新型のパワータイプ改造人間として、貴様の力がどれほどか確かめてやる!!」

「良いだろう…来い!レオール!!」

 

2号とレオールはお互いに一直線に駆け出し、2号は手刀を、レオールは爪を用いた突きを放ち、激突させる。

 

「ラグオオオオオッ!!」

「ライダーチョップ!!」

 

ライダーチョップと鋼をも貫く突きの一撃は激しく火花を散らした後、お互いを弾き飛ばし、距離をとった二人は再び接近して、パンチやキックの応酬を繰り返し激突する。

最初期型の改造人間と最新型の改造人間

大自然の使者と地獄の使者

型式も使命も違う二人が唯一共有する、力と力

その激突は一歩も引かず、揺るがず、熱く火花を散らした。

 

「さすがは2号ライダー!最新型の俺にも劣らぬ素晴らしい性能だ!」

「脳改造はされていないようだが、貴様はなんのためにショッカーに尽くす!?」

「世界征服し、弱肉強食の世界を作るためさ!!」

 

レオールは2号から距離を取り、高らかに宣言した。

 

「弱肉強食の世界だと!?」

「俺の野望はショッカーの新たな首領としてこの世界の頂点に立ち、世界中を巻き込んだ大戦争を起こすことなのだ!!そして人類すべてに殺し合いをさせ、生き残った強い人間達を中心にしてより強い人間社会を創り上げる!それを何度も繰り返し、人類を永遠に強い種族とするのだ!!」

「馬鹿な!その先に待っているのは破滅だ!!貴様の野望…許すわけにはいかない!」

「ほざけ!!貴様を倒し!海東純一から…そして、あわよくば剣崎一真と相川始の力すらいただいてくれるわ!!」

 

 

レオールは再び飛びかかり、2号に向けて爪を突き出した。

しかし2号はそれを紙一重で回避し、レオールの腕を掴む。

 

「何!?」

「力はぶつけるだけのものじゃない、必要なのは、応用だ!」

 

2号は流すように背負い投げの要領でレオールを地面に強く叩きつけた。

 

「ライオンの化け物め!お前こそ死ねぇ!!」

 

そしてそのまま宙高くジャンプし、レオールをそこから叩き落とす。

 

「ライダー二段返し!!」

「ラゴオオオオオッ!?」

 

ライダー二段返し…自身の力を最大限に利用し、二段攻撃の返し投げで相手を地面に叩きつける2号ライダー自前の必殺技の一つである。

2号の剛力で二度も地面に叩きつけられたレオールはよろよろと立ち上がるも、凄まじい威力と衝撃に平衡感覚を失い、まともに前に進むことすら出来なかった。

 

「ぐっ…馬鹿な…俺は必ず…世界を征服し…」

「トドメだ!!」

 

2号は再びライダージャンプで宙へと舞い上がり、空中を回転する。

そして回転を数回繰り返し、遠心力をバネにして威力を高めたキックを、急降下してレオールへと見舞った。

 

「ライダー回転キック!!」

 

2号のライダー回転キックはレオールの胸部を捉え、草木を弾き飛ばしながらレトーフは地平線の彼方へと吹っ飛ばされて行く。

そして全身から火花を散らしながら、レオールは叫んだ。

 

「おのれえええ!!このまま終わるものか!!グラオオオオオオ!!!!」

 

断末魔の絶叫と共に、レオールは爆炎の中に消えて行く。

2号はそんなレオールの最期に何か腑に落ちないものを感じながら、仮面に隠れた唇を噛んだ。

 

「やったのか…しかし…」

 

どこか手応えに不信を感じながらも、2号はさらに自分のやるべきことに思考を巡らす。

アルビノジョーカーを巡る戦いはブレイドとカリスの使命。

ならば自分は、細かい後始末をしなければならない。

 

「とにかく、今は残ったアジトを破壊するのが先決だ!」

 

2号は停めてあったサイクロン号に跨り、残されたアジトへと向かう。

アジトを破壊し、囚われている人間がもし他にいたら救出しなければならない。

 

「ブレイド…カリス…あとはお前達の戦いだ…!」

 

運命に翻弄される後輩達の戦いの勝利を祈り、目指すは一つ、敵アジト。

サイクロンは爆音をあげる。

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