仮面ライダーエグゼイド ~M in Maerchen World~   作:コッコリリン

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※注意※
当作品の没ネタ集です。本編とは一切関係ありません。


おまけ

 

 

その1 ~ 不滅のコンティニュー ~

 

 

 

「そいつでキメワザを使え! 私たちが時間を稼いでやろう!」

 

「行くぞ、神!」

 

 雄叫びを上げながら突っ込んでいくゲンム。背中のジェットパックから炎を噴射して飛び上がるレーザー。

 

「全く……愚息が」

 

 呆れ、クロノスはため息を一つ。そしておもむろに剣を持ち直し、

 

「……ぬぅぁ!!」

 

 B-ヴィランへ果敢に攻め込んでいたゲンム目掛け、一瞬で踏み込んでいった。

 

「何っ!?」

 

 ゲンムは咄嗟に反応することすらできず、クロノスの接近を許してしまう。そして、

 

「はぁっ!!」

 

 クロノスによる斬撃をもろに受ける。一撃、二撃どころではない。幾つもの斬撃がゲンムに叩き込まれ、それら全てが尋常ならざる威力を持っている。

 

 そんな攻撃を全て受けては、一たまりもない。

 

「ぐぁぁっ……!?」

 

 最後の薙ぎ払いを受け、ゲンムは吹き飛ばされる。呻き声すら上げられず、もんどりうって倒れ込んだ。

 

「ぐ……は……」

 

 起き上がる気力すら失ったゲンム。その左胸の一マス分残されていたゲージが点滅すると、

 

 

 

≪GAME OVER≫

 

 

 

 ゲージは0……仮面ライダーにとってそれはイコール死。ゲーマドライバーから低いボイスが鳴ると、ゲンムは声すら上げることなく、その身を粒子へと変えて消失した。

 

「え……消えちゃった!?」

 

「まさか、死んだ……!?」

 

 仮面ライダーがゲームオーバーになる瞬間を見たことがなかったエレナとレヴォルが、ゲンムが消滅したことに驚愕し、ショックを受ける。消滅……つまりは死んだという事実に、レヴォルたちの顔が青くなるが……。

 

 

 

 そんな彼らの目の前に、唐突に背の低い土管が生えてきた。

 

 

 

「……は?」

 

 誰が言ったか、そんな素っ頓狂な声。色とりどりのネオンで綴られた『CONTINUE』の文字が光る土管がいきなり現れるという、意味不明な光景を前にしたレヴォルたちが唖然としていると、

 

 

 

「Foo!!」

 

 

 

 そんな高い声と共に土管から黒い何かが飛び出し、着地。現れたのは、先ほど死んだと思われていた黎斗本人。

 

「え、えぇ!? 何で!?」

 

 たまらずアリシアが叫ぶ。口にせずとも、アリシア以外の者たちも同様の感情だった。

 

「……残りライフ……1……!」

 

 そんな彼らに目もくれず、黎斗は真横に現れたホログラムに描かれたハートの中の数字が2から1へ減ったことを確認すると、クロノスを睨む。

 

「ほぅ? 遂にお前も年貢の治め時が来たというわけか」

 

 黎斗のプロトマイティアクションXガシャットオリジンに備わっているコンティニュー機能。初めは99機のライフがあったが、度重なる戦い(大部分は貴利矢によるものだが詳細は割愛)によって、遂に残りのライフが1となった。つまり今の黎斗は、普通の人間と同様、一度やられてしまえばそれで終わり……ということとなる。

 

「舐めるな……この程度で私が諦めると思っていたのかぁ!」

 

 何度やられても大丈夫という安心感はもうない。あるのは人としての命同様、たった一つのライフのみ。

 

 それでも黎斗は、退くつもりはない。全ては憎い目の前の男を倒すために、

 

「私は……不滅だぁぁぁぁぁ!!」

 

 何度でも立ち向かう意思を持って、交差した手に持ったガシャットのスイッチを入れた。

 

 

 

 

 

 没の理由:トゥルーエンディングでライフ0になってしまうから没

 

 

 

 

 

 その2 ~ ポッピー参戦 ~

 

 

 

「……え?」

 

 霧が消えていく。視界が元通りになり、そこに立っていたのは、いまだ武器を手に構えた状態で立っていたエグゼイド。

 

 それと、

 

 

 

「全く……お前は相変わらずこういう目に合うんだな、研修医」

 

 

 

 鋭い目つき、整えられた茶髪、凛とした顔つきの凛々しい男性と、

 

 

 

「言ってやるな。こいつは初めて会った時からそんな奴だったんだからな」

 

 

 

 白いメッシュの入った髪が特徴の、迷彩柄のズボンとコンバットシューズを履いた野性味を感じられる男性と、

 

 

 

「永夢、大丈夫!?」

 

 

 

 真っ白な服を着たボブカットの女性。

 

 

 

 エグゼイドを庇うかのように並び立つ、二人の男性とエグゼイドの傍へ駆け寄る女性。先ほどまでは存在していなかった筈の人間が、そこに立っていた。

 

「え……だ、誰?」

 

 またもや見知らぬ人間が現れ、エレナが困惑する。だが、レヴォルは彼らが纏っている服を見て、察しがついた。

 

 一見すると特徴がバラバラな三人。だが共通する点が一つある。

 

「あの人たちは……まさか」

 

 二人の男が羽織っている物は、白衣。即ち二人は、エグゼイドと同じドクターであることを示している。そして女性が着ているのは、看護婦であることを示すナース服。

 

 思い出すのは、エグゼイドが以前話してくれた仮面ライダークロニクルを終わらせるために共に戦った仲間たち……CRのメンバー。そのうちのメンバーの名を三人、エグゼイドは教えてくれた。

 

 その三人の名は、

 

「ブレイブ、スナイプ、ポッピー!?」

 

 仮面ライダーブレイブ、鏡飛彩。

 

 仮面ライダースナイプ、花家大我。

 

 そして、仮面ライダーポッピー、仮野明日那。本名ポッピーピポパポ。

 

 かつて共に戦った仲間たちの突然の再会に、困惑するエグゼイドが叫んだ。

 

「何……?」

 

 それはクロノスも同様。かつて相手取った人間がいきなり現れたことに、理解が追い付かない。

 

 そんなクロノスを嘲笑う者が、一人。

 

「ハーッハハハハハハハハハハハ!!」

 

 B-ヴィランを叩き切りながら高笑いを上げるゲンム。そして誇らしげに語り出した。

 

「グリムノーツは、崩壊寸前の物語を救うために、童話から童話へと繋がる霧の中を渡り歩く旅人を主人公にしたアドベンチャーゲーム!! 即ち、世界を繋げる霧を作り出し、この世界と我々の世界を強制的に繋げることができるゲームだぁ!!」

 

「世界と……世界を!?」

 

 レヴォルは驚愕する。世界を繋げる……つまり、飛彩と大我がここにいる理由は、グリムノーツガシャットによる力、ということとなる。

 

 言うだけなら簡単だが、そんなこと普通ならば人類には成し得ない。不可能と呼べるような大きな力だ。それこそ神でなければできない。

 

 だが、それをこの男は、ゲンムは実現してしまった。何故ならば、

 

「大成功だぁ……やはり神の才能を持つ私に……不可能はぬわぁぁぁぁぁぁぁい!! ブァハハハハハハハハハハハ!! ブェェェハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

 自らを神と称するだけの頭脳が、この男にはあるのだから。

 

「うっわぁ……すごいんだけど、本当にすごいんだけど……認めたくない……」

 

「同感です……しかし紛れもない事実というのが、また癪ですねぇ……」

 

 気持ち悪い笑い声を上げるゲンムに、激しくドン引きするアリシアとシェイン。才能は認めざるをえないが、彼女たちの中の人としての理性が、彼を受け付けようとしなかった。

 

「……全く……これ以上のキャストは無意味なのだがなぁ」

 

 クロノスが毒づく。いい加減鬱陶しさを隠そうともしない態度だった。

 

「よぅ! 来てくれたか、大先生に白髪先生、ポッピー!」

 

 飛び回っていたレーザーが着地、三人の傍に立って片手を上げる。飛彩と大我は、表情を崩すことなくクロノスを見据える。

 

「お前がもしもの時に備えて待機していろ、と言っていたからな……何もないに越したことはないとは思っていたが」

 

「まぁ、事情は知らねえがな。ただ……状況はわかった」

 

 そう言って、二人は取り出す。仮面ライダーにとって必須なアイテム……ゲーマドライバーを。

 

「クロノスがここにいる。それだけで十分だ」

 

「ああ。とっとと片付けるぞ」

 

 そして、腰にゲーマドライバーをセット。ベルトが自動で巻かれ、固定された。

 

「私だって……負けてられない!」

 

≪ガッチャーン≫

 

 明日那もまた、飛彩と大我の間に立つ。そしてその手に、クロノスと同型のガシャコンバグヴァイザーⅡを持ち、ベルトのバックルへ。バグヴァイザーⅡをバグルドライバーⅡへ切り替える。

 

「クロノス……貴様の存在は、どこの世界でもノーサンキューだ」

 

 白い大理石を思わせる意匠が特徴の金色のハンドガードが取り付けられたガシャットを取り出し、飛彩はスイッチを押して起動させる。

 

 

 

≪TADDLE LEGACY!!≫

 

 

 

「今度こそ引導を渡してやる……覚悟しな」

 

 大我が取り出したるは、パラドと同じ形の、しかしボディが赤で描かれたラベルも別の物という幾つか違う点があるガシャットギアデュアルβ。そのダイヤルを片側へ回転させた。

 

 

 

≪BANGBANG SIMULATIONS!!≫

 

≪I ready for Battleship! I ready for Battleship!≫

 

 

 

「永夢は私が守る!」

 

 明日那が手にしたのは、派手なピンク色のガシャット。可愛らしい少女のイメージキャラクターが描かれたラベルを見せつけるようにして、ガシャットを起動させる。

 

 

 

≪TOKIMEKI CRISIS!!≫

 

 

 

 飛彩の背後に現れた、人とも魔人ともつかぬ人物が描かれたホログラム。神々しいサウンドと共にそこから現れた、白い鎧が飛彩の周囲を飛び回る。

 

 大我の背後に現れたホログラムには、敬礼をしたキャラクターとレーダーモニターが大きく描かれ、繰り返すサウンドの中、そこから船のような物体がゆっくりと進み出て来るように現れる。

 

 そして明日那の背後のホログラムにはラベルのキャラクターが映し出され、明るい曲調とこれまでのガシャットとは違う、少女の声によるサウンドが鳴り響く。それを合図に、バグルドライバーⅡのAボタンを押し、電子メロディを流す。

 

「術式レベル100(ハンドレッド)

 

「第五拾(ごじゅう)戦術」

 

 飛彩はガシャットを眼前に、大我はガシャットの端子を銃のように突きつけ、明日那はその場でくるりと回転、

 

「「「変身!!」」」

 

 三人同時に叫び、飛彩と大我はゲーマドライバーに挿入、そしてレバーを開き、明日那もガシャットを挿入、すかさずバグルアップトリガーを押し込む!

 

≪ガシャット!≫

 

≪ガッチャーン! レベル・アーップ!!≫

 

≪デュアル・ガシャット!≫

 

≪ガッチャーン! デュアル・アーップ!!≫

 

≪ガシャット!≫

 

≪バグル・アーップ≫

 

 

 

≪辿る歴史! 目覚める騎士! タドルレガシー!!≫

 

 

 

 飛彩がゲーマドライバーから飛び出て来たパネルを扉を開くように通り抜けた瞬間、飛彩の姿は水色の光に覆われ、光が散ると共に黄色く鋭い瞳の騎士のような姿に。さらに飛び回っていた鎧が頭上から降りて来て、上半身を覆い、羽を模した兜が現れ、そして純白のマントが伸びる。風でマントが揺れ、右手に燃え盛る炎を模した刃を備えた『ガシャコンソード』を持ち、左手に小さい水色のシールドを装着したその佇まいは、純白の翼を生やした天使の騎士かのよう。

 

 勇者と魔王。二つの力を備えた騎士、仮面ライダーブレイブ・レガシーゲーマーレベル100が、そこに立っていた。

 

 

 

≪スクランブルだぁ! 出撃・発進・バンバンシミュレーショーン!! 発進!!≫

 

 

 

 大我は眼前に飛び出してきた仮面ライダーのパネルを、銃を撃つように指でタッチ。ゲーマドライバーから出てきたパネルと共に重なると、姿を黄色い髪のような防具で赤い目を片方だけ隠した全体的に群青色が目立つ仮面ライダーに変える。そしてその上をゆっくりと移動してきた船が上下逆さまとなり、勢いよく落下、展開し、両肩にそれぞれ四門、左右の手に一門の計10門の大口径砲台が備わったアーマーへ変化。さらに頭に司令官が被るキャップを模した白い装甲が追加された。

 

 戦艦の力をその身に宿した、歩く重火力戦艦こと仮面ライダースナイプ・シミュレーションゲーマーレベル50の変身が完了した。

 

 

 

≪ドリーミングガール! 恋のシミュレーション! 乙女はいーつーもと・き・め・き・クライシス!!≫

 

 

 

 ポップなメロディに乗せつつドライバーから飛び出したパネルが明日那と一つになると、自身の髪型を模したような飾りのついたピンクの頭部、水色の鋭い目つき、そしてその身を金色のドレス風のアーマーと黒いアンダースーツで包んだ、レヴォルたちにとっては初めて見る女性型の仮面ライダーへとその身を変える。

 

 この瞬間、彼女は明日那でもポッピーピポパポでもなく、仮面ライダーポッピー・ときめきクライシスゲーマーレベルXという、愛らしい外見の内に秘められた力を駆使して戦う戦士となる。

 

 

 

「これより、仮面ライダークロノス及び敵生命体切除手術を開始する!」

 

「ミッション……開始!」

 

「いっくよ~!」

 

 飛彩ことブレイブは、手術開始前の医師の如く両手を掲げ、大我ことスナイプもまた大砲を構え、そしてポッピーも意気揚々と右腕を振り上げ、

 

「「「はぁぁぁぁっ!!」」」

 

 クロノス率いるB-ヴィランへ向かって、突撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

 没の理由:以前お話したように、これ以上キャラ増やすと動かしきれないので没

 

 

 

 

 

 その3 ~ 院長クロニクル ~

 

 

 

「あ″ぁ~、今日も一日大変だったなぁ~!」

 

 CRの医局へ疲労の色を隠そうとしないまま、聖都大学附属病院院長である鏡灰馬が入室してきた。

 

 院長という病院の中でもトップである役職の身ではあるが、普段のおちゃらけた言動、上の立場の者に対する低い姿勢によって過小評価されがちな人物ではあるが、外科医としては一流であり、息子にして天才外科医の鏡飛彩も、彼の背中を見て医者を志した程。

 

 そんな灰馬は、今日も一日院長としての仕事をこなした後、様子見もかねてCRを覗きに来たのだが。

 

「……って、あれ? 誰もいない」

 

 ちょうどCRの面子は出払っており、医局は無人だった。

 

「うぅむ……みんな忙しいんだな」

 

 患者のために一生懸命働く部下たちを誇らしく思う反面、誰も話し相手がいないということに軽い落胆を覚えた灰馬は、仕方なくコーヒーを一杯もらおうと備え付けのコーヒーマシンを起動させる。そしてカップにコーヒーを注ぎ、テーブルについてコーヒーを啜ろうとした。

 

「……ん?」

 

 ふと視界に入ったのは、テーブルの上に無造作に置かれた携帯端末。その外見に、灰馬は見覚えがあった。

 

 確か、研修医の宝生永夢が持っていた物と同じだった筈。

 

「なんだ、忘れて行ってしまったのか? しょうがないなぁ」

 

 ドジな彼らしいと思いつつ、灰馬は腰を上げる。CRは関係者以外入れないようにはなっているが、それでも放置したままというのは気分的によくはないだろう。そう灰馬は思い、彼に直接手渡してあげようと携帯端末を手に取った。

 

 その瞬間、携帯の電源が入り、画面が映し出される。

 

「……あれ?」

 

 電源ボタンを押した筈はないが……そう灰馬は疑問に思っていると、

 

「え……え!?」

 

 画面から眩い光が溢れ出し、CRの医局全てを光で覆っていく。いきなりの現象を前にして灰馬が戸惑い、やがて、

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

 悲鳴を残してその姿を消し……CRは静寂に包まれた。

 

 

 

 その日から、鏡灰馬は激闘に身を投じることとなる。運命を取り戻すため、鏡灰馬による童話の世界で繰り広げられる冒険が、今始まる。

 

 

 

「この私に、切れない物はな~い!」

 

 

 

『仮面ライダーエグゼイド外伝 ~院長クロニクル~』

 

 

 

 Not Coming soon

 

 

 

 

 没の理由:院長のキャラ大好きなんですけど、主人公にしたところでどないせぇっちゅうねん! という理由で没

 

 

 

 

 

 その4 ~ 訳ありコンティニュー ~

 

 

 

「ぐぁぁっ……!?」

 

 最後の薙ぎ払いを受け、ゲンムは吹き飛ばされる。呻き声すら上げられず、もんどりうって倒れ込んだ。

 

「ぐ……は……」

 

 起き上がる気力すら失ったゲンム。その左胸の一マス分残されていたゲージが点滅すると、

 

 

 

≪GAME OVER≫

 

 

 

 ゲージは0……仮面ライダーにとってそれはイコール死。ゲーマドライバーから低いボイスが鳴ると、ゲンムは声すら上げることなく、その身を粒子へと変えて消失した。

 

「え……消えちゃった!?」

 

「まさか、死んだ……!?」

 

 仮面ライダーがゲームオーバーになる瞬間を見たことがなかったエレナとレヴォルが、ゲンムが消滅したことに驚愕し、ショックを受ける。消滅……つまりは死んだという事実に、レヴォルたちの顔が青くなるが……。

 

 

 

 そんな彼らの目の前に、唐突に背の低い土管が生えてきた。

 

 

 

「……は?」

 

 誰が言ったか、そんな素っ頓狂な声。色とりどりのネオンで綴られた『CONTINUE』の文字が光る土管がいきなり現れるという、意味不明な光景を前にしたレヴォルたちが唖然としていると、

 

 

 

「Foo!!」

 

 

 

 そんな高い声と共に土管から黒い何かが飛び出し、着地。現れたのは、先ほど死んだと思われていた黎斗本人。

 

「え、えぇ!? 何で!?」

 

 たまらずアリシアが叫ぶ。口にせずとも、アリシア以外の者たちも同様の感情だった。

 

「フフフ……この私がそう簡単にゲームオーバーになるわけがないだろう」

 

 やられた筈の黎斗は、そんなことを感じさせない不敵な笑みでクロノスを挑発する。クロノスは小さく舌打ちはしたが、黎斗へ向けて嘲りの言葉を投げつけた。

 

「フン、だが何度復活したところで無意味だ……お前のライフが0になるまで、徹底的に痛めつけてやろう」

 

 実の息子であろうと関係ない。自分を邪魔する者は全て消すのみ。クロノスは殺意を滾らせ、黎斗へ剣を向けた。

 

 黎斗は尚も笑う。殺意を向けられても、構わず笑う。

 

「……これを見て、同じことが言えるのか?」

 

「何?」

 

 どういう意味か、それを聞く前に、黎斗の横にホログラムが現れる。それは黎斗の残りライフを示すためのコンティニュー画面。本来ならばそこに表示されているのは『2』であり、クロノスに倒された今、その数字が『1』になる……筈だったが。

 

 

 

「私がこの世界へ来てから、残りライフが大幅に増えたのだ……そのライフの数は『96100』!!」

 

 

 

 黎斗のライフ数を示す数字が、なんと怒涛の五桁となっていた。そして今、その数字が一度敗れたせいで変動し、

 

「そしてぇ……今の残りライフは『95980』だぁっ!!」

 

 黎斗が叫ぶ通りの数字となった。

 

「……は? おい神、どういう意味だよ。ライフが滅茶苦茶増えたっていうのはわかるけどよ、何でそれでマイナス120?」

 

 それを見ていたレーザーがB-ヴィランを倒しながら疑問を口にする。いつもならライフが1減る筈が、何故そこで100以上もライフが減るのか。システムが変わったとしか思えない。

 

「知らん! だがたかが120など、96100のライフの前では屁でもない!!」

 

「……いいのかよそれで」

 

 ギリギリのライフになるかと思えば、急激にライフが増えたことでテンションが上がった黎斗にとって、そんなマイナスなど些細なもの。最早恐れるものは何もない。呆れるレーザーなど眼中になく、黎斗は再びガシャットを手に取った。

 

「私が恐れる物など何もない……コンティニューしてでも、クリアーするぅぅぅぅぅぅ!!」

 

≪MIGHTY ACTION X!!≫

 

≪DANGEROUS ZOMBIE!!≫

 

 

 

 

 

 一方その頃、CRにて。

 

「……あれ?」

 

「どしたのポッピー? 携帯なんて見て」

 

「えっと、実は黎斗が投獄される前までしてた貯金とかは私が管理してるんだけど……何でだろ? さっきからドンドン貯金残高が減ってく……?」

 

 

 

 ※ヒント:グリムノーツのコンティニューに必要な石の数は5個。有償石6個の値段は120円……後はわかるな?

 

 

 

 

 没の理由:メタすぎるしそれ以上に私の頭とか心とかが痛くなってくるので没。

 

 

 


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