仮面ライダーエグゼイド ~M in Maerchen World~ 作:コッコリリン
『歴史は受け継がれる。人が築いてきた文化と、そして信念を』
遥か昔、森の中には森の精『もののけ』が住んでいるといわれていた。
もののけは自然であり、もののけは森と共にあり、そして人もまた自然と共にあった。
しかし、人とは欲の深い生き物。己が生きるため、森を切り開き、そしてもののけをも傷つけた。
もののけは憎悪する。欲に穢れし人間を。
人間は恐れる。怒り荒ぶるもののけを。
やがて人間ともののけとの間で凄惨な戦いが起きた。人間ともののけ、双方の命と命が散って逝く、狂気と欲望に塗れた戦い。
欲深き人間が狙うはただ一つ。怒り狂うもののけが守るもただ一つ。それは、生と死を司りし神の首。
そして、戦いの行く末を担うは三人の若者。
一人。人間を呪いし祟り神の怨念を右腕に受け、村の掟によって村を追われ、西の土地へとアカシシに跨りやってきた少年。その胸に勇気と正義を抱く。
一人。大いなる犬神の牙から逃れるために人間に身勝手に捨てられ、犬神に拾われ人でありながらもののけとして愛され、育てられてきた少女。その胸に憎悪と迷いを抱く。
一人。平成の時代を駆け抜けた仮面の戦士の力を継承し、度重なる戦いの最中で得た仲間たちと共に、最高最善の魔王を目指す青年。その胸に力と強さを抱く。
本来の歴史ならばありえざる出会いが、新たな歴史となりて世界を動かす。その歴史は人間の未来の指標となるか。或いは世界の絶望となるか。
渦巻く欲望、策謀、怒り、悲しみ。共存の道を模索する若者たちの願い空しく、繰り広げられる人間ともののけの戦い。嫌が応なく巻き込まれて行く若者たち。しかしやがて、その戦いを利用すべく、悪しき者が姿を現す。
悪しき者の狙いによって、少しずつ狂っていく歴史。その歴史に現れる筈のない戦士の異形。何も知らぬ者たちは何も為せず、悪しき者の悪意に飲まれて行く。
王を目指す青年は駆ける。歴史を正すため、人間のため、もののけのため……そして、そこで得たかけがえのない友のため。
例え己の身体傷つこうと、その場に倒れ込もうと。嘆きと絶望に終止符を打ち、弱き者を守り、己の信念を貫き通す。
仮面の戦士の力と信念を宿した王者、仮面ライダーへと姿へ変えて、その手に未来を掴むために、青年は戦う。
仮面に描かれし『ライダー』の文字のその先に、青年は歴史の真実を、神の神秘を見る。
『仮面ライダージオウ×もののけ姫』
祝え! 神秘に包まれし残酷な森で紡がれし、語られることなき新たな歴史の誕生の瞬間を!!