作者の素朴な疑問より抜粋
突き刺さるのは好奇の視線。
俺はパンダか?珍獣か?とツッコミを入れてやりたい気分だが敢えてしない。
なぜなら男である俺ともう一人が此処、IS学園に籍を置いているという事がイレギュラーだからだ。
女専用の兵器を男が動かす…端から見ればまるで二次創作のような展開だ。
つい笑いたくもなるさ。
「しかし席割に配慮がないのは遺憾だな。」
普通同じ男同士隣か前後に並べるのがセオリーだろ。
まあ隣にして視線が集中するよりかはマシだろうけど。
「皆さん、おはようございます。そして入学おめでとうございます。私はこのクラスの副担任の山田真耶です。」
ふと前に視線を移せば教卓に子供が無理して大人の服を着た感じ…要するに顔と雰囲気が幼い教師が立って自己紹介をしていた。
どうやら一人考えにふけっていたらSHRが始まったらしい。
しかし反応が些か薄くないか?
俺は元々男子校だったが女子校だとこんな感じなのか?
男子校だと下ネタから何でもござれな質問タイムだぞ、今ごろ。男はガキっぽいけど故に結束が固いのだよ。
てかマジで誰か反応してあげて、オロオロしてるのがかわい…ゲフンゲフンいたたまれないから。
それから数分、自己紹介がすらすらと進み遂に一人目に。
「織斑一夏です。」
名前は一夏ね。さあ、ここからどうやって女子から注がれる他にはコールを退ける?
「…以上です!!」
ガタタタッ!!
一組総出で新喜劇。勿論俺もその一人。
スパァン!!
「っげぇ!?関羽!?」
「誰が三国志の英雄か馬鹿者。」
突如景気のいい炸裂音が響く。
その音の先には出席簿片手に佇む凛とした美人と頭を抱え悶絶する一夏の姿。
あぁあの音は出席簿か。
…って待て。出席簿はあんな音は出ないだろ!?
あの美人人の皮を被った化け物か!?
ドスッ!!
「目が!!目があぁぁぁぁぁ―――ッッ!!」
投げやがった!!届かないからって出席簿投げつけてきよったよ!?
顔面直撃コースだし!?
「虎城、何か失礼な事を考えていただろう?そして貴様も自己紹介しろ。」
舌の根も乾かぬうちにとは…鬼ち―あ、マジすんませんでした!!謝るから!!ちゃんとするからもう一発いっとくか?みたいな目を向けないで!!
「えーと、虎城暁。趣味は料理、特技はマラソン。
一応全員より年齢的には一年ジジイだけど気にしないでくれ。以上。」
何か留年したみたいな気分になってきた…
「全員済んだな?私は織斑千冬、貴様らの担任だ。
これからは私の言うことにはどんな状況でもはいと答えろ。」
なんというジャイアニズム…こんな担任で大丈夫か?
「キャー!!本物の千冬様よー!!」
「千冬様に憧れて来ました!!北九州から!!」
…うん、大丈夫みたい(泣)
簪…お兄ちゃんこのクラスでやってけるか心配だよ。
「なあ、暁は解るのかこういうの?」
「初歩の初歩だから寧ろ知らない方が不味いぞ、主に千冬さんは。」
「だよなぁ…千冬姉なら。」
俺は今一夏にISのあれこれをレクチャーしている。
理由は一夏が六法全書並の厚さを誇るISの基礎資料を捨てたためだ。
あれをどうすれば間違えて捨てる?と言いたくもなるが多分色々あったんだ。
「なあ、何で生暖かい目で見てるんだ?」
「強く生きろよ一夏。」
「何に!?」
意外にいじり安いわ。
「ちょっとよろしくて?」
うわー金髪縦ロールだ。初めて見た。
「んえ?」
「何ですの!?その返事は!?この高貴な私に話しかけられるだけでも幸運ですのに!!」
「へー」
「ちょっと貴方!?私の髪で何してますの!?」
「いやー縦ロールって見たことなくてさー。これどうやんの?」
俺只今金髪縦ロール子さんの縦ロールを引っ張って遊んでる。
スッゲー面白いのこれ。
「貴方いい加減に!」
「よいではないかーよいではないかー」
グイグイミョ~ンという効果音が俺の脳内で垂れ流される。
「おい授業を始めるぞ、席につけ。」
「ああもう!!いいこと!!またきましてよ!!」
そう捨て台詞を吐いて戻って行った金髪縦ロール子さん。結局何がしたかったんだろうか?
主人公の特技がマラソンなのは一種のフラグです。