転生したら天司長だった件 〜あれそんなん出来たっけ?〜   作:皇 刹那

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ヒロインアンケートですが。本日の19時頃締め切りとさせて頂きます。

ご協力して下さった方々、どうもありがとうございます。


ルシフェル「おーくろーど?何それおいしいの?」リムル「食べ物じゃないよぉ」

〜???〜

 

〜三人称 side〜

 

薄暗い部屋の中には集まる不穏な4つの影がある。その者達は何やら怪しげな企み事をしているらしく会話の中で不穏な言葉が飛び交う。

 

「もう直ぐあいつの言っていた新しい魔王とやらが誕生するのだな!?」

 

「えぇ、もうそろそろジュラの森で新たなる魔王が誕生します。此処まであの男も良くやっていますよ」

 

「はっ!そんなことは如何だっていい。俺は殆ど興味なんて無いからな」

 

「まあ、正直に言えば私もなんだけどね」

 

「なんだ〜。楽しみでは無いのか〜?」

 

「まあ何れにせよ新たなる魔王が誕生するまであと僅か。そうなればこの場も少しはあのころまで戻るのでは無いでしょうか」

 

「如何だっていい。俺は面白い奴がいれば手に入れるだけだ」

 

怪しげな会合は未だ続いている。そしてその会合がもたらす物が厄災か、それとも世界中の人々の幸せなのかはまだ分からない。

 

〜???〜

 

〜??? side〜

 

凍えるような吹雪が吹き荒れるこの地にも、怪しげな動きを見せる者がいた。その者は氷の城のようなものに大量の悪魔を侍らせ悠々と玉座に座る。そしてその者の傍らにはこの世の者とは思えない程の美貌を持った女性が微笑みながら佇んでいる。

 

「ほう、随分と面白い奴が出てきたな。これはおそらく……。既に真なる魔王へと至っているだろうな」

 

「へぇ、あなたがそんなことを言うだなんて珍しいわね。明日は天使の雨かしら?」

 

「実際に面白い奴だからな。まあいい、何れにせよ勝手に出てくるだろう」

 

「ふふ、そうね」

 

氷の玉座に座るこの者はルシフェル達にどのような影響をもたらすのか。そして、世界にどのような影響をもたらすのか。それを知る者はこの者達だけである。

 

〜ジュラの大森林 旧ゴブリン村〜

 

〜ルシフェル side〜

 

「?!」ブルブル

 

「如何したのルシフェル?」

 

「あ、いや、なんでもねえ。〔(なんだったんだ今の悪寒は)ボソボソ〕」

 

「?風邪でも引いた?」

 

「いや違うから」

 

旧ゴブリン村は現在建築ラッシュである。それ故に彼方此方で人員が足らず、いつもルシフェルが奔走している。その為、リムルやシズとの時間が取れず今のような時間はとても貴重なのであった。

 

「ねえルシフェル、私も人型になりたい!」

 

「えっ?アルテミスさーんこれって出来るんですか?」

 

《はい!リムルさんは女性なので女性の人型の魔物や人間を捕食者で食べれば出来ますよ!あ、あとマスターなら分身体を作ることが出来ますので、その能力を他の女性の方に使えば良いと思います》

 

「あ、はい」

 

「できるの……?」

 

「うん、まあ。て事でシズ、分身作らせて」

 

「?………いいよ?」

 

「ありがと。……よいしょっと」ボン

 

「わあ、シズさんが2人いる〜!」

 

「リムル、これ食べて。もちろん分身の方ね」

 

「え!?どっちか分かんないよ!」

 

「分身の方〜、手を挙げて〜……ハイこっち」

 

「分かった……んー、えい!………あ、やった〜出来た〜!!」シュルルルルル

 

何とも適当な感じでやっているが失敗した時のリスクは途轍もなく大きい。それを平然とやれるこの2人、実に恐ろしい限りである。

 

「私にそっくり……。どうして……?」

 

「そりゃあシズそのものを捕食してるんだからなぁ。シズの体の形を登録したのと同じだろ」

 

「そうなんだ。ルシフェル君は2人の私に言い寄られてるんだね」ニコ

 

「んなぁ!!」

 

そんなこんなで3人で戯れているとランガからの緊急メッセージが届いた。

 

〈申し訳ありません我が主。持ちこたえ切れませんでした〉

 

それを聞き、リムルとシズと共に一瞬でランガの下に移動するルシフェル。そして到着後、開口一番にランガを褒めた。

 

「大丈夫だランガ、良くやった」

 

「うん。ありがとうランガ!」

 

〈はっ!ありがたき幸せ!リムル様もありがとうございます!〉

 

そして、ランガと戦っていた者達を見た。その者達はオーガであった。オーガ達の長?はルシフェルに対してこう言った。

 

「現れたな仮面の魔人!今日こそ我が同胞の仇を取らせてもらう!」

 

そう、シズが付ける必要の無くなった封魔の仮面は現在ルシフェルが付けている為、ルシフェルはオーガ達の言う仮面の魔人だと思われてしまっている。実際は違うのだが。

 

「ちょい待て、俺はお前達と会ったことが無いし第一お前達の里の場所なんて知らねえ」

 

「問答無用!」

 

「ちっ!!人の言う事を聞かない奴らだなぁ!!リムル!お前はピンク色の髪の子を足止めしてくれ。ランガ!お前はシズの護衛だ!」

 

「分かったよ!」

 

〈分かりました我が主!〉

 

こうしてオーガ達とルシフェル達の戦いが始まった。

 

〜ルシフェルandオーガの長と仲間達〜

 

オーガの長はルシフェルに向かって襲いかかる。

 

「はあぁ!!」ビュン!!

 

「甘い!」ヒュ!ガキン!!

 

「!?ぐっ!!!!」ギィィィン!!

 

しかしルシフェルはいとも容易く弾き返し尚且つ体勢を崩させ、追って来られないようにした。

体勢が崩れたの事を確認したルシフェルは一瞬で紫色のオーガの下へ向かった。

 

トン!トトン!

 

着いた直後に紫色のオーガは大きなハンマーのような物を叩きつけようとしたが。

 

「はあ!!」ゴォーー!!ドゴォ!!!

 

これも容易く躱した。しかしその威力は想像を超えており、地面に大きなクレーターが出来た。

 

「おっと。エルキドゥ!!」シュン!ジャラララララ!!

 

そして躱した直後に亜空間から出した黄金色の鎖で縛り付けた。

 

ギチ!

 

「くっ!!」

 

「暫くそこで転がってな」

 

動けない事を一瞬で確認し、向かって来ている黒いオーガを迎え撃つ体勢に入った。

 

「おぉぉー!!」タッタッタッ

 

向かって来る黒いオーガを強力な幻術で眠らせて動きを封じる。

 

「お前は寝てろ。月読!!」キィィィィン!

 

「ぐっ!がぁーー!!?!?!」ドサッ!

 

そして、青いオーガが来ているのを察知した為一瞬で其れを視界に収める。

 

「はぁぁ!」ヒュン!

 

相手の勢いと自らの攻撃の勢いも利用しながら腕を硬化させて鋭く重たい一撃を放つ。

 

「はぁ……。武装色、硬化!!はぁ!!」パキン!ドゴォ!!!

 

「がは!!!」ダンッ!ドサッ!!

 

青いオーガも一撃で倒し残る2人に対してもう一度対話の意思を示す。

 

「なあ、ここらでちゃんと話し合うって訳には行かないのか?」

 

「黙れ!オーク達を利用し我が里を蹂躙した貴様等となど話す必要もない!」

 

「はぁ………。どうしてこうなっ?!」ブォン!ガキン!!

 

「首を切り落としたと思ったんじゃがの〜。儂も耄碌したものじゃ」

 

「マジかよ……」ボソボソ

 

未だ聞く耳を持たないオーガ達に対してどのような対応をするのが良いのか考えると1つの考えが浮かんだ。

それは、圧倒的な力を見せつけ、尚且つ相手に使わない事で本気で敵対する意思がない事を示すという案である。

正直に言うと、成功する確率はあまり高くない。しかし、やるしか無いのである。

 

「はあ……。良くやったよ、お前達は。里を蹂躙され仇を取る為に必死こいて格上相手に立ち向かったんだ」

 

「黙れ貴様に何が解る!!散っていく同胞を見る事しか出来ない事がどれだけ苦しいか!解る筈が無いだろう!!」

 

「ああ、知らねえな」

 

「なら「けどな、お前達にとって里の仲間がどれだけ大事か其れ位なら解る。そしてその大切な仲間が散っていく様を見るのだってそりゃ苦しいだろうさ。けどなぁ」………」

 

「それはお前達が命を無駄にして良いって訳じゃねえんだよ。だからこそ、お前達を護れるだけの強さを見せてやるよ!」

 

「何を…」

 

「はあ!!」バサ

 

ブゥーーーーン!!

 

話している内に内容が変わり当初の目的とは違い、オーガ達を護れるだけど強さを力を認めさせる為に力を見せる事となったルシフェルだが、その覚悟は死地に赴く時のものと同じ程に強かった。

 

「くっ!!」ガクン!

 

「ぐっ!?!?!?」ザッ!

 

「?!?!?」ガクッ

 

「うぅ」ヘナヘナ

 

「約束しよう。必ずお前達の同胞の仇取る為に力を貸すと」

 

「「「「!!!!」」」」

 

起きていたのは4人だけだったが、4人はルシフェルの言葉を聞きゆっくりと、だが、確りと忠誠を誓うように跪いた。

 

「凄い……!」

 

「綺麗……!」

 

〈流石です我が主〉

 

こうしてオーガ達の襲来というトラブルは何とか抑える事ができた。そして、その日の夜襲撃の後に伝えた「一時的だが配下にならないか」という提案の答えを聞く為にオーガ達の下へ向かった。

最近何故か常にやっている宴のおかげで見つけるのに苦労をしたが。

 

「よう。さっきの話考えてくれたか?」

 

「ああ。……だが、もう少し考えさせてほしい。本当に正しいのか分からなくてな」

 

「そうか。俺達はお前達が決めた事なら文句は言わないよ」

 

「すまない」

 

そのやり取りの後、すぐに眠りに就いてしまった為、オーガ達の答えは聞けず終いであった。

しかし、翌日の朝。色々と支度をしているルシフェルの下にオーガの若様が来た。

何でも昨日の件の答えを言いに来たらしい。

 

「そうか。来たって事は答えが出たって事だな」

 

「ああ。俺達はオークの軍勢に里を襲われ今は此処に居る者達しかいない。此れでは仇を取る事はできない」

 

「………」

 

「故に。………貴方様の配下に加わらせて下さい」

 

オーガ達が出した答えは配下に加わる方であった。オーガの若様は昨日と同じ様に、忠誠を誓う様に丁寧に跪いた。

 

「ああ、此方こそ宜しく頼む」

 

「若……」

 

外で待機していたのであろう他のオーガ達が中に入って来た。そして、そのタイミングでルシフェルはある事を告げる。

 

「よし、それじゃあ。名付けをしよう」

 

そう名付けだ。

 

本来なら殆ど行われないと言われているが此処では別なのである。しかし殆ど行われないという環境で育ってきたオーガ達は困惑してしまう。

しかしルシフェルが大丈夫だと一言言うと落ち着きを取り戻した。

 

そして今回も結局スリープモードに入ってしまい。名付けをされたオーガ達は酷く動揺し、リムルとシズが慌てふためくという事になってしまった。

 

そして、スリープモードも終わりもう一度顔合わせを行う事になったのだ。

 

「えっと、まずは赤い髪をしているのがベニマルだよな?」

 

「はい。ルシフェル様より頂戴したベニマルを名乗っております。種族は進化したので鬼人となっております」

 

「ああ。んでピンク色の髪の子がシュナだよな?」

 

「はい、ルシフェル様。私がシュナですよ」

 

「それで紫色の髪がシオンだよな」

 

「はい。精一杯ルシフェル様の秘書を務めさせて頂きますね」

 

「ああ、宜しく頼む。濃い青の髪がソウエイだよな、うん」

 

「はいルシフェル様より頂いたソウエイの名を名乗らせてもらっております」

 

「色々と頼むな。それで黒くて大きいのがクロベエだな」

 

「んだ。宜しくな、ルシフェル様」

 

「最後に、最年長がハクロウだな」

 

「ほっほ。そうですじゃ」

 

「うん。取り敢えずハクロウはこの村にいる戦闘員の奴等を鍛えてやってくれないか?」

 

「構いませんぞ、ルシフェル様」

 

オーガ達、否、鬼人達との顔合わせが終わり解散したのだがルシフェルはシオンが手料理を振舞うと言った為、現在会議室で待機している。

しかし、現在ルシフェルを途轍もない悪寒が襲っており何か良からぬ事が起きるのではないかと必死に周りを見渡している。

だが何も見つからずシオンの料理を待つ事にした。

 

「何なんだ?この悪寒。マジ過去最大級にヤバイ感じがするんだが……」

 

そう呟いた時にベニマルが目を逸らしたが、悪寒に気を取られて気付くことが出来なかった。

そして、シオンが料理を運んできた。運んで来てしまったのだ。

 

「お待たせしましたルシフェル様!」コト

 

置かれた皿の中には料理とは呼べない何かが入っており、先程の悪寒は此れによる者だったという事を理解したルシフェルだった。

 

「お、おう。(えっ?何これ。料理なの?待って、これ本当やばいって!?下手したら死ぬぞ!)」

 

「ルシフェル様?どうかなさいましたか?」ニコ

 

(お、恐ろしい娘や)

 

「よ、よし」カタカタカタカタ

 

(やべえ、震えが止まんねえ!でも………。えぇい男は度胸!!)パク

 

「………」ダラダラ

 

「」バタッ!

 

「えっ?ルシフェル様!?ルシフェル様ー!?」

 

結果、毒無効が付いたらしい。やはりシオンの料理は凶器と言った方が良いのかもしれない。

 

そんなこんなで数日が過ぎた。村の発展も進み待ちといって良いほどまで大きくなった。

そんなある日突然の来訪者が現れた。その者達は最近ゴブリンの集落へ行き配下に加えて行っていると噂されているリザードマンだった。

 

「ルシフェル様。リザードマンの使者?がお見えになっておりますが、何やら意味の分からない事をおっしゃっていまして………」

 

「意味の分からない事?まあいい、すぐに出る先に行っていろ」

 

「はっ!それと、場所はーーーーです」

 

「ん。了解だ。……さて、また面倒な事になってきたね〜」

 

〜旧ゴブリン村 入り口〜

 

「ーーーのだ、だから配下に加えてやろう!光栄に思え!!」バーン!

 

『『『ガッビール!ガッビール!ガッビール!』』』

 

やってきて早々にカオスな状況を見せられたルシフェルは呆れて者が言えないという様な状態になっていた。

 

「リムル。これどういう状況?」

 

「……ごめんよく分かんない」

 

「ですよね〜」

 

適当に話を進めたいところなのに中々話に入れないルシフェルは無理矢理リザードマンの使者とゴブタを戦わせた。

 

そうしたら、なんとゴブタが勝ってしまったのである。しまったのであるという言い方は失礼かもしれないが、勝ってしまったのである。そして、リザードマンの使者達は捨て台詞を吐き立ち去っていった。

 

「覚えてろよ〜!!!」

 

すたこらさっさと逃げていくリザードマン達を見て、ルシフェルは呆れていた。

 

「はぁ……。何だったんだ、本当に」

 

「まあまあ、気にしない気にしない。禿げちゃうよ?」

 

「それは勘弁」

 

軽口を叩きあっているルシフェルとリムルだが、途中、ルシフェルが何かに気付きソウエイを呼び出した。

 

「ソウエイ」

 

「はっ!」

 

「オークの軍勢を調べてきてほしい。出来るだけ早くな………。何か…………、何か嫌な予感がするんだ」

 

「畏まりました。では」

 

そう言い、ソウエイはオークの軍勢を見つける為に偵察へと向かった。

………分身体だけで。

 

その日の夜、会議室にはベニマル達鬼人と、この村の重要人物が集まっていた。

そこで話し合われていたのはオークの軍勢に関する事だった。

色々な意見が出たが、最も可能性が高いオークロードと呼ばれる存在が居るという仮定をして、また偵察をする事となった。

しかし………。

 

「ルシフェル様、偵察中の分身体に接触してきた者がいますが、如何致しますか?」

 

「………呼んでくれ。話だけでも聞きたい」

 

「畏まりました」

 

そうして、会話が終わった時。中央にある長テーブルの上に緑色の光が灯った。

その光は徐々に人の形を為していき、美しい女性になった。

かの女性は目を開けるとルシフェルの元へ行き、ある提案をしてくる。

 

「私は『樹妖精』のトレイニーと申します。今日来たのはあなた方にお願いがあるからなのです。……ルシフェル・ペンドラゴン、そしてリムル・テンペスト。貴方達にオークロード討伐の依頼をしに来ました」

 

「おーくろーど?何それおいしいの?」

 

「食べ物じゃないよぉ〜。ていうかちゃんと話聞いてたのルシフェル!?」

 

「すまん殆ど意識無かった。……トレイニーさんとやら、俺達以外にも強い魔物は居るんじゃないのか?」

 

「いいえ、この森の中に覚醒魔王である貴方以上に強い方はおりませんのよ。ルシフェル・ペンドラゴン」

 

「「「?!」」」

 

「「?どゆこと?」」

 

ズコッ!!

 

自らが真なる魔王である事を知らないルシフェルに、その場にいる全員が盛大にずっこけた。そして、トレイニーは、ルシフェルとリムルに覚醒魔王が何たるかを教えていた。覚醒魔王がどういう存在かを知ったルシフェルとリムルは驚きこそしたがすぐに冷静に戻った。

 

「んで、俺達はそのオークロードとやらを倒せばいいんだな?」

 

「ええ、それで構いませんよ」

 

「ルシフェル君、私も戦うからね。1人で無茶したら駄目だよ……」

 

「ああ、無茶はしないよ」

 

 

 

トレイニーより齎されたオークロード討伐の依頼。その依頼には、ある者達の陰謀が隠されている。ルシフェル達はその陰謀に飲まれる事なく依頼を達成出来るのか。そして、隠された陰謀とは……。




次回、「決戦!オークロード」
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