転生したら天司長だった件 〜あれそんなん出来たっけ?〜   作:皇 刹那

5 / 6
アンケートのご協力ありがとうございました。

今後ルシフェルが作る国における、実質的な正妻はシズさんという事になりました。


決戦!オークロード

〜ジュラの大森林 リザードマンの住処〜

 

〜リザードマン首領 side〜

 

リザードマンの住処であるこの洞窟では、現在オークロードに対する対応を決める会議をしている。

 

「オークの軍勢など我等にかかれば一捻りでしょうぞ」

 

「何を言うか!オークロードが誕生しているのだぞ!そう簡単にいく訳があるまい!」

 

「オークロード等所詮お伽話の産物。我等の敵ではない!」

 

リザードマン達はオークロードに対し他の種族との連携を取るか、リザードマンのみで戦うかと(抗うかと)議論していた。

比較的若い者達は、オークロードは脅威にはならないと判断しリザードマン単体での打破を訴えるが、長く生きる上層部の中でも上位に来る者達はオークロードの脅威を知っている為他の種族との連携を取るべきだと言う。

会議は堂々巡りを続け、ある者がやって来るまで延々と続いた。

 

「だから!「首領!」」

 

「なんだ?」

 

「そ、その……、ルシフェル・ペンドラゴンなる者の使者がやって参りましたが……如何致しましょう?」

 

リザードマン達は、初めて聞くルシフェルという名とその使者に対して疑問を覚えたが、自分達だけで戦えない軟弱者と思い罵り始めた。

 

「首領!我々に対して庇護を求めて来るような軟弱者の使者の言葉等聞く必要は「通せ!」首領!」

 

然し何の達も無く突然やって来たとあらば何か良からぬ事が起きているのではないかと思った首領は、部下の言葉を無視し通すように命じた。

そしてやって来たのは………。

 

「俺はソウエイと言う。ルシフェル・ペンドラゴン様の命により貴殿等リザードマンとの同盟を結びに来た。……来たるオークロードとの決戦の為にもな」

 

ルシフェルの配下であるソウエイだった。

リザードマンの首領は、ソウエイを見た瞬間自らの敵う相手ではないと悟り、息子であるガビルすらも歯が立たないだろうと思った。

そして、これ程までに強い魔物を従えるルシフェルと言う魔物が同盟を結ぶ事を望んでいるのは好機と思い、慎重に話を進めていった。

 

「ほう。同盟と言うからには何かしら此方にも得られる者があるという事かな使者殿?」

 

「ああ、リザードマンに齎される物はーーーーーーー」

 

ソウエイとリザードマンの首領は互いにどういった行動をとればいいかを話し合い、リザードマンの上層部が折れる形となって話し合いは終了した。

 

「では、3日後に」

 

「ええ……………………。全員が聞いたな。オークロードの進行を3日間、何としても食い止めるのだ!そうすれば我等は助かり、これ以上オークロードの脅威に怯える必要が無くなるのだ!心してかかれ!!」

 

リザードマンの首領は、部下にそう言い聞かせルシフェル達の援軍が来るまで必死に耐え忍ぼうとしていた。

然し、そんな時に首領の息子であるガビルが自分の部下を引き連れ、首領の前に現れた。

当然首領は与えていた近隣のゴブリン達の協力を取り付け、その報告に来たのだと思った。事実ガビルはその報告をした。

だが………。

 

「良くやったガビル。後は3日間援軍が来るのを待つのみだ。お前も確りとやれ」

 

「お言葉ですが父上。………何故他の種族を頼るなどと言う軟弱な姿勢を見せるのですか!?オークロード等我等リザードマンだけで十分な筈です!」

 

「そうする必要があるからだ。分かったなら下がれ!」

 

「父上は老いられた………。お前達!」

 

「なっ!?!?」

 

ガビルは報告を終えた後、父である首領に何故自分達だけで動かないのかと叫びながら尋ね、その理由を聞き首領に、父に向かって刃を向けた。

 

「何をなさっているのですか兄上!?」

 

「これも必要なことなのだ。………首領は老いられた!自らの誇りを捨て去り他の種族に助けを求める等、リザードマンの強さをもってすれば必要が無い!故に老いた父に代わり、このガビルが指揮を取る!皆の者ついて来い!!」

 

「「「「おお!!」」」」

 

「何という、ガビル!!貴様、見損なったぞ!オークロードは我等だけでは勝てん!何故それが解らぬ!!!」

 

「もう父上が若かった頃の話では無い。少し窮屈な思いをさせるが我慢してくれ。………牢へ連れて行け!!」

 

「はい!!」

 

ガビルはクーデターを起こし父を首領の座から引きずり降ろした。そして、リザードマン単体でのオークロード撃破に向け着々と準備を進めた。

その後リザードマンの住処に近付いているオークの軍勢を倒す為に指揮を振るい始めた。

 

 

 

 

 

 

然し………。現実とは非情なものであった。

 

ガビル達リザードマンは最初こそ優勢であったものの、徐々に仲間が倒れて行き、倒れた仲間をオークが捕食した。

すると、オーク達には本来在る筈が無いヒレと水掻きが付いており、それによって湿地帯に於けるリザードマンの優位性である素早い行動も意味を無くし、更に窮地に陥ってしまった。

 

こうなったのは首領とガビルの経験の差であろう。何故なら、首領はオークロードに齎される脅威を言い伝えとはいえ口うるさく両親から教えられ、その脅威がどれ程のものかある程度解っていた。

一方ガビルは、その父である首領から余り教えられていなかった為、オークロードの特性がどんなもので、どういった行動をとるのかを知らなかった。

 

故に、この惨状である。

首領がもう少しでもガビルに対しオークロードの脅威を伝えていれば変わっていたかもしれないが、もう手遅れであった。

 

後一撃で自らも部下達と同じ場所に行く事になるだろうと思っていたガビルは、突然介入して来たホブゴブリンと大型の牙狼族によって救われた。

 

 

 

〜ゴブタ side〜

 

現在ゴブタはオーク軍の幹部らしき者と相対していた。

 

「き、貴殿は!あの村の真の主!?我々を助けに来てくださったのですか!」

 

(えっ?!な、何言ってんすか〜この人……。なんかヤバそうだし逃げるように言って後は無視でもしとくっすね)

 

「えっと〜、がびる?さん、でしたっけ?早く逃げる準備をし他方がいいっすよ」

 

呑気に話しているゴブタであるが、目の前には大量のオーク軍がいる。

その状況で何故そんなに呑気でいられるのかは謎であるが、警戒は怠っておらずいつ仕掛けられても行動が出来る体制をとっていた。

その辺りは流石と言えるが、オーク軍の幹部らしき者は、目の前に居るのにも関わらず会話をしている事に腹を立てた。

 

「ふん、どこぞの木っ端魔物の配下が加わったところでこの状況は……」

 

ドォォォォォォーーン!!!!!

 

オーク軍の幹部?が話し始めて直ぐに謎の大爆発が起こった。然も唯の爆発ではなく、黒い炎による魔法の様なものだった為、ゴブタ達が居る場所まで爆風が来た。

然し、ゴブタは気にならないと言わんばかりに涼しげに立っている。

そしてこう言った……。

 

「大丈夫っすよ!あれは味方の技っすから。……………多分!」

 

ゴブタよ、この場面で多分と言うのは逆効果になる恐れがあると思うぞ。と言いたくなる様な発言であったが、幸い味方に動揺は………多少はあったが、それでも大した事にはならなかった。

 

そしてオーク軍の幹部?は主人であるルシフェルを貶められた事で怒り、オーク軍の幹部?を地理も残さぬ程粉々にしてしまった。

まあ、良かったのであろうが。

 

 

こうして、ガビルの居た戦場は一応の決着が着いた。然し周りではまだ戦っているものが多く、巻き添えを食らう可能性があったが、ゴブタの機転により安全な位置に移動することが出来た。

 

「いや〜良かったっすね〜」

 

 

〜??? side〜

 

ジュラの大森林の湿地帯にてオーク軍とルシフェル達が戦っている頃。此処では何やら怪しげな二人組が話し合っていた。

否、1人はナニカに対する文句を口にし続け、もう1人はそのフォローの様なことをしていた。

 

そしてそこに、『樹妖精(ドライアド)』のトレイニーが姿を現した。すると、怪しげな二人組は突如慌てだし逃げる準備をし始めた。

 

「何やら面白そうな話をしていますね」

 

「んな?!」

 

「私は『樹妖精(ドライアド)』のトレイニーと申します。あなた方は此処で何をしているのですか?」

 

「ななな、何もしてまへんで、なあゲルミュットはん?」

 

(ドライアドやて!?何で森の管理者がこんなとこに出張って来とんねん!?……ああ、こりゃまずいで。如何にかしてこの場を凌がにゃならん。さて如何したものか……)

 

「あ、ああ」

 

嘴の着いた仮面を被る魔人はゲルミュットと言うらしく、一緒にいるピエロの様な姿をした男と共に悪巧みをしていたらしくトレイニーの登場に酷く動揺していた。

 

「管理者として、この森での悪巧みは見逃す訳には参りません。ですので………。此処で消えてもらいましょう」

 

「ま、まて。もうこの森から出て行く。出て行くから!だから!」

 

「穿ちなさい『リーフストーム』!!」

 

ブォーーー!!

 

「クソが!!!」ビュン!!

 

「こりゃまずいわ。でも、失敗やったな〜トレイニーはん」サッ

 

パキャ、ボフン!

 

トレイニーに殺されると思ったゲルミュットとピエロの様な魔人は、直ぐに逃げ始めた。ゲルミュットは飛行し飛び去って行き、ピエロの様な魔人は何やら真珠の様なものを取り出し地面に叩きつけた。

 

「待ちなさい!!」

 

「ほな、さいなら〜!」

 

トレイニーは、仕留める事こそ出来なかったが痛手を与える事は出来た為、後はルシフェル達に託す事にした。

 

(仕留める事は出来ませんでしたか。………後は頼みましたよ、ルシフェル・ペンドラゴン、リムル・テンペスト。この森の命運をあなた達に託します)

 

 

〜ルシフェル side〜

 

ルシフェルは空にいた、………12対24枚の純白の翼を広げて。その隣にはリムルが蝙蝠の様な翼を広げ飛んでいた。

この2人は現在の戦場の様子を伺い、何か問題が起こった場合直ぐにでも行動を起こせる様に、配下達の戦いを見守っていた。

 

「本当に鬼人勢は優秀だね〜」ソワソワ

 

「確かにな。それに、さっきの黒雷は………、恐らくランガだろうな」ソワソワ

 

「えげつない威力だったよね〜」ソワソワ

 

否、ソワソワしていた。

そこまでして早く戦いたいのか、それとも危なっかしいと思っているのか。

 

まあ、……………後者なのであろうが。

 

「「?!?!」」

 

ビュン!!!

 

「なんだ!?敵襲?!」

 

そんな時、突如として謎の魔物が間を通過していった。

その魔物は、否、その魔人はゲルミュットであった。

 

〜ゲルミュット side〜

 

「オークロードよ!いつまで時間をかけている、さっさと喰い尽くせ!!」

 

ゲルミュットは着いて早々にオークロードに対して命令した。

 

「早くしろ、あの方達が見ているのだぞ!早くせねば機嫌を損ねてしまう!だからさっさと殺せ、オークロード!!」

 

「あ、貴方は……!ゲルミュット様、ゲルミュット様なのですか!なんと………。我々を助けに来て下さったのですか!」

 

「煩い!!貴様がさっさとオークロードの糧にならないからこんな事になったのだ!!」

 

「な、何を……!?何故ですか!ゲルミュット様!!?」

 

「貴様はもう用済みだ!!死ね!『デスマーチダンス』!!」ヒュン!!

 

「「「ガビル様〜!!」」」ドンッ!!!!

 

ゲルミュットは、何と自分が名付けをしたガビルに対し攻撃をした。幸いにもガビルに当たる事は無かったが、ガビルを庇った部下達は深傷を負ってしまった。

 

「な、何故………!?大丈夫かお前達!?」

 

「ガビル様が無事で良かっ………た………」バタッ

 

「ああ………!ああぁぁぁぁおぉぉぁぁぁぁ!!」

 

「悪運の強いやつめ……!今度こそだ!死ね!!!」ヒュン!!

 

「ゲルミュット様!ゲルミュット様〜!!!!ああぁぁぁぁぁ!!!」

 

ガビルは死を悟り、目を瞑った。………然し、いつまで経っても衝撃が来ず、恐る恐る目を開けると目の前には攻撃を受け止め?ているリムルがいた。

 

〜リムル side〜

 

「なあリムル、あれ………ヤバくね?」

 

「あ、あはは〜、………確かにね。仲が良いとは言えないけど、知り合いに死なれるのは嫌だからね」

 

「だよな………。ならリムル、………あの攻撃を食べて来て」

 

「ええ〜!……まあ、いいか」

 

リムルはそう言ってガビルに向かって突き進む魔力弾の進路に舞い降りた。

そして、右手をスライム状に戻し回転させながら魔力弾を吸収した。

 

「………?あ、貴方は?!」

 

「ほい!」ポイ

 

「えっ?あ、えっ?とと!」ささっ

 

「回復薬だよ。部下達に使ってあげて」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

ガビルを救ったリムルは、彼の部下の為に回復薬を渡し、それを使わせた。それによりガビルの部下は大事には至らなかった。

ガビルは自分だけでなく部下の命も救ってくれたリムルに対し感謝をしたのであった。

 

「さて。居るんだよねルシフェル」

 

「当然だな。シズは?」

 

「今来たよ」

 

「それじゃあ、やろっか」ニコッ

 

「「ああ(ええ)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ルシフェル side〜

 

「それじゃあ、やろっか」ニコッ

 

(おぅふ………。怖い、怖いですぞリムルよ)

 

リムルの言葉は表情とは真逆であり、その表情からも底知れない黒いオーラが出ていた為、ルシフェルは途轍もなく恐怖した。

然し、そのままでいる訳にも行かず、ゲルミュットとの戦闘へと意識を向けた。

 

「ま、まて!お、お前等も配下にしてやろう!だから、止めてくれ!!」

 

ゲルミュットは、死にたくないのか意味が分からない事を叫び続け、醜く命乞いをし始めた。

当然ながら、そんな事をしてもルシフェル達は止まらない。むしろ怒りを増長させるだけである。故に………。

 

「リムル」「うん」

 

シュルルルルルルルル!

 

「な!?は、放せ!!クソ!」

 

ドガァ!ボコン!バキッ!グシャ!!

 

 

 

「ふぅ……」

 

という風に一方的に痛ぶられてしまう。それに腹が立ったのか、ゲルミュットは自らの背後にいる協力者?の事を言い始めた。

 

「お前等ぁ!許さんぞ!絶対に許さんぞぉ!!あのお方が絶対にお前等を殺す!!!」

 

「へぇ……。なら、あのお方って奴の事を教えてくれよ。小物の主なんだどうせ小物だろう?」

 

「貴様ぁ!殺す!!絶対にぐぼぉるぁ!!!」ドゴッ!!

 

「くどい!もちっと簡潔に頼む」

 

「「あ〜、あはは〜……」」

 

ルシフェルは、ゲルミュットを徹底的に嬲り殺そうとしており、リムルとシズが引くレベルでえげつない事になっていた。

そして、何とかルシフェルから逃れる事が出来たゲルミュットは、オークロードの下に行き、ルシフェル達を殺す様に命じた。

 

然し………。

 

「腹が減った」

 

「黙れこれも貴様がさっさと魔王にならないからこうなったんだ!!」

 

「!?…………魔王とは如何言う事か?」

 

「私はこの森にて新たなる魔王を誕生させる為に種を蒔きまくった!!そこに居るリザードマンもそうだ!そしてお前もな!!だからこそ、お前が新たなる魔王となるのだ!!」

 

ゲルミュットはこの森にて新たな魔王を誕生させる為に、オークロードを生み出し、色々な魔物に名付けをしまくっていたのである。

ルシフェルは、否、ルシフェル達は嫌悪感を顕にしゲルミュットに対し軽蔑の視線を送った。

 

「!………」ノソ

 

オークロードは今の言葉の何かに感銘を受けたのか、それとも腹を立てたのかは知らないが、のそりと動き始めたのである。

 

「は、はは、はははははは!そうだ!!やれ、オークロード!!否、ゲルドよ!!」バッ!

 

「………!」ブンッ!!スパッ!ボトッ

 

《マスター、個体名ゲルミュットの反応が消失しました。これは……》

 

(ああ、最悪の展開だな。然し、正直に言えば負ける事はないから大丈夫だろ)

 

《そうだと良いのですが……。気をつけて下さいねマスター》

 

(ああ)

 

ゲルミュットの首を切り落としたオークロード、否、ゲルドはゲルミュットの死体を喰らった。

そして食べきった直後、世界の声が頭に響いた。

 

《告、オークロード、個体名ゲルドの魔王種への進化を確認。…………成功しました。個体名ゲルドはオークディザスターへと進化しました》

 

「これは………」

 

「だろうなぁ………」

 

「我こそは、新たなる魔王!魔王ゲルドだ!!貴様等を食ってやろうぞ!!!」

 

「マジっすか………」

 

この事態は戦場を、より混乱へと導いた。ルシフェルですらも呑み込み切れていないと言った感じなのである。他の者が動けないのも無理はない。

 

 

 

然し、ベニマルはこの状況を打破する方法を必死に考えた。そして、シオンに対し一言。

 

「行け、シオン!!」

 

「はい!薄汚い豚が、魔王だと?思い上がるなぁ!!」ブォン!!

 

「甘いわぁ!!!」ギィィィン!

 

シオンは、ゲルドに対し攻撃を仕掛けるものの弾かれてしまい、その直後にはハクロウが首を切り落としたが、オークディザスターの持つ超速再生の所為で即座に回復されてしまう。

そんな中、ルシフェルは動き始めた。

 

「退け、俺がやる」

 

「「「「「「?!?!?!」」」」」」

 

「ルシフェル様!?」

 

「此奴は我々だけで十分です。ですからルシフェル様自ら戦う必要など………」

 

「良いから。………あ、あと、リムルにも手伝って貰うからな」

 

「うん!」

 

オークディザスターは、不気味にルシフェル達を見ているが、ルシフェルは、今すぐにでも殺さんと殺気を送り続けている。

そして、戦いは始まる。

 

「フッ!!!!」シュン!

 

「はあぁぁぁ!!!」ダッ!!

 

走り出すルシフェルとリムル。それを迎え撃つオークディザスターだが、ルシフェルは突如として上空へと舞い上がる。

 

バサッ!

 

12対24枚の極彩色に輝く翼を広げ詠唱を始めた。

 

「光ある生の為、この力を振るおう。容赦はしない!」

 

「『パラダイスロスト』!!!」ギィィィーン!

 

魔を滅する聖なる光はオークディザスターへと向かい、刺し穿つ。

然し、オークディザスター無傷でリムルと戦っており、仕留め切る事は出来なかった。

 

だが、これもルシフェルの計算の内であった。

 

「リムル!!!今だ!」

 

「分かってる!!」バシャ!!!

 

リムルは身体をスライム状に戻し、オークディザスターを覆った。そう、リムルはオークディザスター、……ゲルドを『捕食者』にて喰らおうとしているのだ。

 

「な、なんだこれはぁ!!我は魔王ゲルドだぞぉ!!」

 

「君が何であれ私達には関係が無いんだよねぇ。まあでも、ベニマル達が仇を取るためにも君を倒さなくちゃいけないから………」ギュルルル!

 

「クソ!!」バシャ!!!

 

「勝負だよ!君の『飢餓者(飢える者)』と私の『捕食者』、どっちが強いか」ギュオオオ!!

 

「がああぁぁぁぁ!!」

 

リムルの捕食者に捉えられたオークディザスターは逃げる事は出来なくなっていた。ルシフェルはリムル達が何かを話している事には気付いたが、どう言った事を話しているのかは分からなかった。

ただ、最後の最後、オークディザスターが少し柔らかい表情を浮かべた気がした。

その時に世界の声が響いた。

 

《告、オークディザスター、個体名ゲルドの消失を確認しました》

 

「そうか………。終わったんだな」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。